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コロナで小学校受験が過熱!その要因は地方出身の共働きサラリーマン世帯だった!?

中学受験を避けるために小学校受験が過熱

ここ数年、小学校受験の過熱ぶりが、すごいことになっています。

特に、早稲田、慶応といった、難関校は右肩上がりで、受験者が増えている傾向があります。

ひと昔前、小学校受験は、旦那さんが経営者や医者、弁護士、そして奥さんが専業主婦といった、お金にゆとりがあり、奥さんには時間がある家庭が多く受けていました。

旦那さんが卒業した男子校に入れる。

奥さんが卒業した女子校に入れる。

その様な形で、代々と繋がる縁故を活かしながら、バトンを切らさないようにと、ある一定の家庭が小学校からお受験をするという流れが多かったように思います。

でも、ここ最近は、地方出身の共働きサラリーマン世帯がお受験をしだし、受験者数が増え続けています。

特に、コロナでその傾向がより顕著になりました。

小学校受験の先生からもこんな言葉を聞きました。

最近は受験する層が変わってきた印象があります。今までなら注意しなかったようなことを、最近は注意するようになってきています。例えば、部屋に入ったら、こんにちは、ものを頂いたら、ありがとうございます、といった、当たり前の礼儀作法ができていないお子さんが増えているのです。保育園に通ってらっしゃるお子さんは、いい意味で伸び伸びしている、悪い意味で、ほったらかしな面があるためです。最近は、共働きで働かれているご家庭が多いため、お子様への日々のしつけやお声がけも、片働きのご家庭に比べると、相対的に減っているのだと思います。

小学校受験の塾の先生

これまで狭いコミュニティの中で戦ってきた小学校受験コミュニティに、地方出身の共働きサラリーマン世帯が入ってきているのです。

東京に住む共働きの地方出身のサラリーマン世帯が小学校受験をし出している

大事なポイントが、お受験が過熱しているのは、東京に集中していること。

そして、共働き世帯の中でも、地方出身のサラリーマンが多いということです。

また、早稲田、慶応が倍率を伸ばし続けています。

東京は、中学受験が当たり前のエリア。

中高一貫校で良い学校に入り、6年かけて大学受験に備え、そこから一流大学に入ることで、一流企業へと入ることが、ある意味、東京での当たり前のルートになっているということでした。

東京の主要な駅周辺には、ジャックや伸芽会といった、大手幼児教室が必ずありますし、平日休日問わず、黒や紺で揃えたお受験族(塾や幼稚園も黒や紺の服で送り迎えするお母様の姿)が目に留まると思います。


中学受験が当たり前になった今、どうなるかというと、そんなに大変な受験生活に子どもも親も巻き込まれないようにと、小学校受験で先に勝負をつけたいと思うご家庭が増えるようになります。

中学受験は子どもの戦い、小学校受験は子に加えて親の戦いでもあるのです。

親が頑張ることで、我が子が早々に「良いレール」に乗れるのであれば、その短い期間に多少無理をしてでも小学校受験を頑張るのは、とても理解できます。

また、共働き世帯の中でもサラリーマン世帯増えているのは何故でしょうか。

小学校受験をするご家庭は、全体的に世帯年収が高い傾向にあります。

良い学校に入れば月10万前後の学費がかかりますし、世帯年収が高くなるのは必然です。

そのような、小学校受験に参加するご家庭は、一流企業に勤める方が多く、また、地方出の一流大学卒業の方が多いのです。

いい大学に早いうちからレールに乗せようと、共働きサラリーマン世帯は、中堅どころの小学校ではなく、早稲田、慶応といった一流大学に入ることが約束される大学までの一貫校を選択する傾向があります。

中堅校は知らないけど、早慶を目指すために、小学校受験をする、というご家庭が多いのが今の現状です。

リモートの教育・仕事がコロナ禍の小学校受験を加速させた

何故、コロナ禍で小学校受験熱が更に過熱したのか。

これは、コロナでの公立小学校と私立小学校の対応の差が顕著だったこと。

さらに、会社がリモートワークに切り替わったことが要因です。

コロナが蔓延した初期に、多くの小学校が一斉に休校になったと思います。

公立は、休校のまま2か月以上も何もない、という学校も普通にありました。

親がずっと子どもの教育をみることなんてできないので、子どもはほったらかしのまま、テレビやお菓子を好きなだけ消化し、過ごすというご家庭も多かったのではと思います。

一方で、私立は、ICT教育に力を入れていた学校の対応は早かったです。

早々に、リモート型の授業に切り替え、自宅と学校が遠隔で繋がったり、教育に大きな後れを作らないように、授業が進められてました。

こういった学校教育の差は親同士の会話で、すぐに広まってしまいました。

また、コロナで、多くの企業がリモートワークに切り替わったことで、共働きのご家庭でも、お子様の塾の送り迎えもできるようになりました。

仕事の隙間にお子さんを幼児教室に送り迎えをし、リモートで実施される小学校の見学会や説明会に参加できるようになったのが大きいのです。

私立小学校は、ご家庭の熱意を見ていました。

説明会に来たら1ポイント、学校見学会にも参加したら追加1ポイント、のように。

どのご家庭がどれくらい、受験日までに小学校のイベントに来ているかを熱意を見る上でも見ていましたが、コロナで小学校のほぼすべてのイベントがなくなり、リモートに切り替わったことで、「通うことで熱意を見せていた片働き層」と「コロナで小学校受験をし出した共働きサラリーマン層」の差がなくなってしまいました。

コロナから3年。

徐々にリアルのイベントを再開し出している小学校が増えてきましたが、まだリモート開催とのハイブリッドで行う学校が多いため、今後もしばらくは共働きサラリーマン世帯が小学校受験に流れ込んでくると思います。

いままで選択すら考えなかったご家庭が、小学校受験を考え、実際に行動しやすくなっている。

しばらくは、早稲田、慶応といった、難関校の倍率は伸び続けるでしょうね。

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