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おまえは『SIFU』で本当の功夫を知れ

よくきたな。おれはNeverAwakeManだ。おれは毎日すごい時間ゲームをしているが、特に自慢にはならない。2021年はおれたちゲーマーにとって場末のサルーンのようなシケた様子だった。ELDEN RING、HORIZON、DYING LIGHT 2といった真の男のためのゲームがどれも発売延期になってしまったからだ。これもすべてタルサドゥームの罠・・・つまりCORONAのせいだ。

そうこうしているうちに年が明け、2月に入り、おれは完全に油断していた。隻腕のベイブとなってアクロバティックしたり、配信者のベイブを育てて落ち込んだりもしたが、あと数週間待つだけで神ゲーは向こうからやってくる・・・そういう油断だ。そうしてモーテルでぬるいコロナを飲んでいたおれに、あるゲームが鋭くチェーンパンチを叩き込んできた。パケ絵にはチャイナ服を着た男が険しい目つきで立っている。「SIFU・・・」タイトルを読むと同時におれの頭にはスパークが走り、この男が誰で、何であるかを悟った。こいつにはカンフーがみなぎっており、すなわち真の男であると。

カンフーを鍛えろ

武術の師父が弟子に殺され、師父の息子がその仇を討つ。タイトルと同じくストーリーもシンプルだ。「いや、もっと捻りがないとマーケティング的に失敗でしょ?」とかほざくうらなり野郎は側頭部に廻し蹴りを食らって死ぬ。なぜなら、古今東西のカンフー映画は全てなんらかの復讐をする物語であり、復讐劇であればそれはつまりカンフーだからだ。これは統計的にも完全に証明されているしんじつだ。

やっとのことでこのゲームを手に取ったおまえはイカしたオープニングクレジット兼チュートリアルをこなすが、その10分後には雑魚から袋叩きに遭って死んでいるだろう。主人公はふしぎなお守りの力により、年を取って生き返る。しかしおまえはまた何度も殺され、加速度的に老けていき、70歳を過ぎたころにはお守りの力もなくなり・・・・・・ゲームオーバーする。

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「これってカンフーの達人になれるゲームじゃないの・・・?WHY・・・?」ショックを受け、クソゲーを掴まされたと泣き出すあほもいるだろう。シフは真の男のためのゲームなので、取ってつけたようなEASYMODOなど持ち合わせていない。それに耐えられないやつは今すぐスマッホでガチャを回しSSRベイブに慰められていたほうが身のためだ。

この名もなき主人公は確かにカンフーの使い手だ。しかし操作するお前がカンフーの足りない腰抜けなら、主人公もただの腰抜けになる。KUNG FU・・・功夫とは努力であり、鍛錬であり、それにかけた時間と労力のことを意味する。つまり、プレイしたてのおまえはまだ功夫の足りないヒヨッコであり、それを理解しないあほの肋骨には情け容赦なく肘打ちが浴びせられ続けるという寸法だ。

死んで覚えろ

最初におまえが知るべきなのは、これはブチョの手下どもをシバいて無双するゲームではないということだ。主人公の父を殺した男、ヤンを筆頭にボスはみんなチョー強いカンフーマスターだし、こいつらに従うチンピラたちもしっかりとカンフーを学んでいる。そんな油断ならない連中にスマッホゲー仕込みのボタンポチポチだけで勝とうとするのはメキシコの荒野でGUNを持たずにほっつき歩くのと同じくらい自殺行為で、じっさい死ぬ。だが、おまえが十分に注意していてもなおこのゲームはTOUGHであり、全クリまでには数え切れないくらい死にまくる。覚悟しろ。

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さっきも書いたが、主人公は生き返るたびに年を取る。全5ステージを進める中で年齢は引き継がれるので、「何度も死にまくってやっとボスを倒したけどもう70歳を過ぎていて次のステージは一発勝負になっちゃうよお」みたいなことが起きるだろうが、よくあることなので安心しろ。そうゆう時は今ある経験値でスキルを永久アンロックしたりして、前のステージに再挑戦すればいい。自らの内に蓄えられたカンフーのおかげでより少ない死亡回数でボスを倒し、もっと余裕をもって次のステージに挑めるようになるからだ。

みぞおちに掌底を叩き込まれ続けておまえの心がポッキリ折れてしまわないように、ここにいくつか攻略のポイントを書いておく。

1. 回避しないと死ぬ

SIFUでは相手の攻撃にタイミングをあわせて防御することでパリィし、相手の体勢を崩すことができる。最近のアクションゲームではよくあるやつだ。だが、「SEKIROをクリアしたボクならヨユーっしょ?」とかぬかすタフガイ気取りはたいてい数の暴力をパリィしきれずに逆に体勢を崩され、後頭部にカカト落としを食らってしぬ。

SIFUはパリィのタイミングがだいぶシビアな上に、ガードし続けるとすぐに体勢ゲージを削りきられてしまう。セキロで習ったL1チャキチャキはラスボス戦まで忘れろ。その代わり、L1+左スティックで出せるスウェー回避をメインに立ち回れ。回避がカンペキに決まると敵がスローモーになるので、その一瞬を見逃さず反撃のこぶしを叩き込むことだ。

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足払いはスティックを前に倒す下段回避でしか対応できないので注意しろ。テキトーに避けられると思ったが最後、おまえは地面に叩き伏せられ、カカト落としで追い打ちされて死ぬ。下段技をしてくるのはだいたいPROっぽい風格が漂う一部の敵(なぜか髪が青いやつが多い)なので、そうゆうのと闘うときは強引に攻めず、相手の攻撃モーショーンを見極めろ。

2. 武器に頼らないと死ぬ

もしおまえが「拳ひとつで戦うのがカンフーっしょ?バットとかモップとか使ったらダサくない?」とか思っているなら、それは10000%まちがっている。カンフー、そして中国武術とは"武器を操る術"のことであり、肉体は武器の一つに含まれているに過ぎない。だから、バットでもモップでも使いこなせばそれはつまりカンフーだ。わかったか。

そもそもおまえはたった一人で多勢に挑むヤバい復讐者であり、手段を選んでいる余裕などまったくない。使えるものはなんでも使え。転がっているビンは投げつけろ。椅子は蹴飛ばして相手のスネに当てろ。ちなみに椅子を蹴飛ばすスキルは最初は持っていないので、最優先で永久アンロックすべきだ。

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当たり前だが武器を持った相手はきけんなので優先的に突き飛ばしたり転ばしたりして武装解除し、逆に武器を奪ってやるといい。また、刃物を持った相手の攻撃を素手で防ぐと、いくらカンフー使いでもジャスガしない限りはダメージを受けるので武器は大事だ。武侠世界というMEXICOで生き残るためには、武器に頼らないという選択肢はないと思え。

3. フォーカスしないと死ぬ

攻撃や回避を行うことでおまえには集中力・・・フォーカスが溜まっていく。溜めたゲージを消費して放つフォーカス技は、絶対確実に相手の攻撃に割り込める。そのため、複数の相手に囲まれてタコ殴りに遭い、反撃すら許されないような状況ではフォーカス技が血路を開く奥の手になるというわけだ。

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熾烈な攻防の最中にはフォーカス技の存在を忘れがちだが、ゲージを使わず死ぬのは弾丸を撃ち切らずに死ぬガンマンと同じで、つまり腰抜けだ。フォーカスが溜まったときの効果音に注意し、溜まれば使うというアティチュードを保ち続けろ。

水になれ

SIFUではそれぞれのステージにテーマがあり、学びがある。基本的な攻防を学ぶ1面、回避の重要性を学ぶ2面、武器格闘を学ぶ3面といった感じだ。特に1面から2面はガスコイン神父がガンジーめいた聖人に感じるほど急激に難しくなり、このゲームが完全にメキシコだということを否応なしに分からせてくる。

ここで頭に血が上り、プレステのコンセントを抜き、有機バターコーヒーを飲みながらS・N・Sでしょうもないネガキャンをやるようなあほもいるだろう。しかしここまで記事を読んだおまえは間違いなくカンフー適性があり、諦めるにはまだ早い。おまえはそれまでの戦いで得た知識に加え、目の前の敵から学び、そして適応する必要がある。さもなくば決して勝つことはできず、復讐は果たされない。つまり、ブルース・リーだ。

心を空にしろ。
形にはまらず、自由になれ。
水のように。
コップに水を注げば、水はコップの形になる。
瓶に注げば瓶の形になる。
ティーポットに入れれば、ティーポットの形になるだろう。
水は、流れることもできれば、打ち壊すこともできる。
友よ、水になれ。

功夫で真の男になれ

己を知り、敵を知り、互いの動きを全て理解したとき、おまえは復讐を果たし、身体には熱い功夫が流れていることに気付くだろう。「I know KUNG FU・・・」と我知らず口にするかもしれない。そのとき、おまえは理と合一した真の男となる。おれのいいたいことは以上だ。

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