NeverAwakeMan

主にゲームや映画について書きます。時々翻訳します。 連絡先:perversegod@g…

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主にゲームや映画について書きます。時々翻訳します。 連絡先:perversegod@gmail.com

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NeverAwakeMan寄稿目録

2022年から、俺はゲームのレビューを寄稿するようになった。詳細は省くが、この拙い文をそれでも気に入ってくれた人がいたのだ。なのに今の今までここで大っぴらに宣伝してこなかったのは……まあ、商業っぽさとかそういうニオイを出すことに多少の気後れがあったからだ。 とはいえ、文を書いて金が転がり込んでくるのは嬉しい。承認欲求と財布が同時に満たされて二倍嬉しい。もっと書いてもっと金が入って夢の売文業になればいい。けれど、俺の筆の遅さと無手勝流文体を考えると、セガが新ハードを作るくらい

    • 雑記:または私は如何にして心配するのを止めて囲い込みを愛するようになったか

      やっちまったな、と思った。Twitterは色々な点で議論に向かない場所なのに、自分から火をつけるようなことをしてしまった。 この主張自体はいまも変わらないのだけれど、文字数制限がある上に一部を切り取って引用しやすいTwitter(旧X)で中途半端に人をかき乱すことを言うべきではなかった。論点はズレていくし、認識はすれ違うし、なによりみんなイライラして収拾がつかなくなる。野球と政治と宗教の話はするなという言葉をナメてかかるべきではない。関心があったり面白そうなトピックでも、あ

      • 雑記:見えない色を見ようとして

        先日公開された新作アニメ映画『きみの色』を観たら、なんだかすごくとらえどころがなかった。致命的に波長が合わないような感じがする。 美しく青き春ものすごく美しい映画である、と思う。それは単純に作画が綺麗ということでもあるし、いっさいの穢れが取り除かれたかのような世界観のことでもある。『リズと青い鳥』で名を馳せた山田尚子印のフェチは今作でもとどまることを知らず、少年少女かくあるべしとでもいうような憧憬を手先や足先に詰め込んでいる。 学校、部活、さらにその中にいるふたりというと

        • メビウスの認知を越えて - 『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』

          インターネットやめろなんてうそぶくオタクを尻目に、俺はインターネットを大いに楽しんでいる。 幸いなことにフォローしてくれる人はそれなりにいるし、ゲームや映画といった好きなコンテンツに対する意見や感想を交わすこともできている。このnoteだって、書き記すという行為自体が楽しくて意味のある行為だと思えているから続けられている。 だが何事も、常にうまくいくとはかぎらない。自分の言葉が足りなかったばかりに誤解を生んでしまったり、そもそも自分が誤解してしまっていたせいで不和を生んで

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        NeverAwakeMan寄稿目録

          それは私のもの(なのか?) - 『Mine! 私達を支配する「所有」のルール』

          読書の醍醐味をふたつ挙げよう。それは固定観念を覆してくれること、そして新しい知識を現実世界に当てはめられることだ。つまり、ある本を読んで「世界変わったわ」と感じ、それから現実の色々な物事について「これ……あの本に書いてたやつやん!」となる瞬間の、あの知的興奮である。 こうした知的興奮を多く感じられる本は、いわゆる「本質本」であることが多いといえる。書かれてあることの意外性や啓蒙性が高く、それでいて日常に応用しやすい本は、それだけ物事の本質を捉えていると考えられるからだ。

          それは私のもの(なのか?) - 『Mine! 私達を支配する「所有」のルール』

          良ボスとクソボスの狭間の地 - 『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』

          一週間ほど前に、エルデンリングのDLC『SHADOW OF THE ERDTREE』のラスボスを倒した。致命の一撃でトドメを刺したときの恍惚感は今もうっすらと残り続けている。 実はこのクリップを撮る前に一度撃破していたのだけれど、決着の直後にPS5が強制終了して巻き戻されるという理外の攻撃を受けてやりなおすハメになった。思わず膝から崩れ落ちそうになったが、今となってはいい思い出だ。 DLCの発売からもう一か月近く経つので、ラスボス戦のネタバレを解禁してもいいだろう。体感と

          良ボスとクソボスの狭間の地 - 『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』

          ペルシャ帝国の逆襲 - 『プリンス・オブ・ペルシャ 失われた王冠』

          ゲーマーは誰しも、"75点ゲーム"というラベルの付いた棚を持っている。 これは必ずしも実体を伴うわけではない。心の中にある、"100点満点中75点のゲーム"を放り込んでおくための棚のことだ。決してつまらないわけじゃないけれど、誰かにオススメしたくなるほど面白いわけでもない。80点をつけるほどハイクオリティなわけじゃないけれど、70点をつけるほど駄目なわけでもない。平均点はあるけれど、平均点しかない。そういうゲームを入れておくための棚。きっと、あなたにも心当たりがあるはずだ。

          ペルシャ帝国の逆襲 - 『プリンス・オブ・ペルシャ 失われた王冠』

          【翻訳記事】AI検索が改善されることはない

          コリイ・ドクトロウの記事より翻訳。 検索ワードを打ち込んでWebサイトへのリンクを取得するやり方から「AI検索」への移行をGoogleが続けるという件は、検索に関する今週のビッグニュースとなった。Googleに質問すると、Web上で見つかる答えをAIがまとめてくれるというものである。 つまり、Googleは「あなたの代わりにGoogleがググってあげますよ」と宣伝しているわけだ。自分でわざわざWeb検索しなくても、Googleにその仕事を押し付けられる。この売り込みに秘め

          【翻訳記事】AI検索が改善されることはない

          未知なるゲームをフェスに求めて(2024夏)

          エルデンリングのDLCがやってくる。嵐の前の静けさだ。積みゲーの山を崩していても、微妙にソワソワして手につかない。休日最終日の会社推しこづかい怪人みたいになっている。俺が会社を推したことは一度もないけれど。 そんなタイミングで、Steam Next Festが始まった。今後発売予定の様々なゲームのデモ版が一気に公開される、Steamの一大イベントだ。積みゲーがあるとわかっていても面白そうなゲームなら飛びついてしまうというゲーマーの哀しきサガに抗えず、今回もずいぶん時間をかけ

          未知なるゲームをフェスに求めて(2024夏)

          雑記:対戦ゲームは怒りをくれよ

          こないだゲーム友達のエクサさんとスト6で対戦しながらダベっていたとき、『フォームスターズ』の話題になった。 そう、フォームスターズ。"泡スプラ"と書いたほうが通りがいいかもしれない。『Warlander』のトイロジックが開発しスクエニが販売している、アワパーティシューター(公式名称)だ。皆さんはこのゲームのことを覚えているだろうか?もっといえば、皆さんは一度でもこのゲームをきちんと遊んであげただろうか? どうしてこんなに念を押しているかといえば……まあ端的にいって、フォー

          雑記:対戦ゲームは怒りをくれよ

          【翻訳記事】Balatroのゲームデザインにおける「呪われし」問題とは?

          2月に発売され大人気となったローグライト・ポーカーゲーム『Balatro』のゲームデザインについて、Game Maker's Toolkitの動画より翻訳。 Balatro。それは発売後一ヶ月で100万ダウンロードを突破し、Twitchで大人気の配信タイトルとなり、2024年で最も高く評価されているゲームのひとつだ。 しかし、Balatroのデザイナー曰く、本作には解決不可能な「ゲームデザインの根本的な欠陥」あるいは「呪われし問題」があったという。 それについて語る前に

          【翻訳記事】Balatroのゲームデザインにおける「呪われし」問題とは?

          【翻訳記事】いまや誰もがセルアウト

          レベッカ・ジェニングスによるVoxの記事より翻訳。 レイチェル・ケイ・アルバースが自作を売り込むと、ビッグ・ファイブ(訳注:アメリカの出版業大手の五社。ペンギン・ランダムハウス、ハーパーコリンズ、マクミラン、サイモン&シュスター、アシェット・リーブルのこと)に勤める編集者は彼女のアイデアを気に入ってくれた。だが問題はマーケ部門からやってきた。アルバースには十分なSNSフォロワーがいないという問題が。 あらゆる書籍、とくにノンフィクションで顕著なことであるが、これまでの作品

          【翻訳記事】いまや誰もがセルアウト

          雑記:咳、胃液、セルアウト

          年明けに風邪をひいた煽りで、喘息が再発している。俺とこの病気とは長い付き合いだ。 いつもの吸入薬を処方してもらってしばらく快方に向かったものの、薬を切らした途端にじわじわと悪化し、3月に入ってもなお酷くなる一方だ。しかも今度は、薬を吸おうが飲もうが啜ろうが一向によくならない。仮想通貨よりも乱高下が激しい気温のせいか、花粉で鼻がやられて口呼吸が増えているせいか、そのすべてか。これを書いている今も、2分に一度くらいのペースでゴホゴホゲホゲホとひとしきり咳き込んだりえずいたりして

          雑記:咳、胃液、セルアウト

          雑記:RPGシーズン到来

          俺はアクションゲーマーを自認している。反射神経を張り巡らせ、正確にボタンを押し、暴虐的なコンボを決めるのが俺の得意とするところである。テクノロジーの発展著しいこのご時世、キビキビとしたアクションゲームこそが本来あるべきモダンなゲームだと言って憚らない。いやちょっとは憚れ。 それとは逆に、自分のターンがやってくるのをチンタラ待ったりチマチマとレベル上げに勤しんだりするコマンドRPGは年々苦手意識が増していくジャンルだ。口を開けばやれ「コマンドRPGは老人向け」だの「アクション

          雑記:RPGシーズン到来

          【翻訳記事】超富裕層を生み出すモノポリー

          コリイ・ドクトロウによる以下の記事より翻訳。 今年のダボス会議(訳注:2024年1月15日–19日)と時を同じくして、公正な課税と反企業を掲げるアクティビストグループから合同で「収益ではなく収奪:独占企業が世界の権力と富の分配を支配する方法」というレポートが提出された。 誰もが──世界経済フォーラムでさえ──富の不均衡は深刻な問題であり、人々の政治と社会的な団結を侵していると述べている。このレポートで取りざたされているのは、世界を破壊している億万長者を生み出す企業独占と、

          【翻訳記事】超富裕層を生み出すモノポリー

          【翻訳記事】AIによる自動化が労働者にもたらす真の脅威とは

          コリイ・ドクトロウによる以下の記事より翻訳。 AIを巡っていま過熱している話題よりずっと以前に、我々は誤解を招くようなストーリーにより自動化の恐怖を植え付けられてきた。覚えているだろうか?「トラック運転手はアメリカでもっともありふれた仕事だ。そして自動走行するトラックはまもなく登場する。ロボットが彼らの仕事を奪ってしまったとき、大勢いるアメリカのトラック運転手たちが怒れる暴徒へ変貌してしまうのを止める方法はあるだろうか?」といったストーリーを。 これは完全にナンセンスだっ

          【翻訳記事】AIによる自動化が労働者にもたらす真の脅威とは