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【書籍紹介】会って、話すこと。

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会って、話すこと。 


ー自分のことはしゃべらない。相手のことも聞き出さない。

人生が変わるシンプルな会話術ー  田中泰延




わたしたちはわかりあうことはできない。

だが、感じあうことはできる。


今回ご紹介させていただくのは、

田中泰延さんの「会って、話すこと。」


コロナにより会いたい人ともなかなか会えず

人とのつながりがすべて画面越しになりかけている

今だからこそ読みたい一冊。

ドライな関係性に慣れてしまい忘れかけてしまっている

大切なことを思い出させてくれる一冊。

そのように感じます。


今回も個人的に心に留めておきたいと感じた

箇所をハイライトとしてご紹介いたします。


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相手はあなたに興味がない


■わたしの話を聞いてもらわなければならない

 あなたの話を聞かなければならない

 その2つの考えを捨てたら楽になる。



わたしのことではなく、あなたのことでもなく、

「外部のこと」を話そう


■二人が同じものを見て、「今日の雲は大きいですね」と

 確認し合うこと、これ以上の「共感」はない。



「おもしろい会話」のベースは「知識」にある


■よく「雑談」というが、相手にとってはあなたの問わず語りや、

 むやみやたらな質問は「雑談」なのである。



会話術コラム❶とにかく話が飛ぶ浅生鴨さん


■自分でボケておいて、「自分はそんな無関係な話をするほどばかじゃないことを補足しておくね」などと予防線を張る人のことを、人はばかだと思うのである。



どう話すか(とっかかり編)


■「言わんでいいこと」があなたの人生をめちゃくちゃにしている。



「関係ありそうな、なさそうなこと」を話そう


■相手に向かい合うとするとよくない。

 会話も、恋愛も、「かまって」「わたしに注目して」が失敗の元になる。

 相手と、自分の、「間に発生」したことをたのしむ。

 前ではない、上を向いて話そう。



審査員になるな


■依頼されてもないのに他人を裁いてはいけない。

 あなたが他人に対してすべきは、さらにおもしろくするように話をつなぐか、

 できそうにないなら「ただ笑う」、それだけでよいのだ。



「知らんけど」の効用


■生半可な知識を振り回さず、あまり知らない自分を、

 正直に相手に差し出そう。



「他人の発言にどう返したか」が、今のあなた


■大事なのは「今これを言うべきか、言わざるべきか」に関して

 4秒間、考えることだ。

 「言わなくてもいい」と判断して言わなければ、災厄は降りかかってこない。

 会話術は沈黙術でもある。



行為より、言葉の方が重い


■やっちゃいけないことをした人は償えば許される。

 しかし言っちゃいけないことを言ったら許されない場合があるのだ。


■発言するということは、勢いよくドアを開ける行為なのだ。

 あなたは会話するとき、想像力を働かせなくてはならない。



だれと話すか


■わざわざコミュニケーションを取るのだから、あなたと相手が会話を交わしたあとは、会話する前より幸せになっていないと意味がない。



ダイアローグ4 「わたしのこと、好きですか?」


■吉田美和も「あなたといる自分が一番好き」って歌ってます。

 そういう「あなた」が持っている大切な要素の1つが、

 「機嫌がよいこと」だと思うんです。



「機嫌よく生きる」大切さ


■あなた自身がきげんよくしていれば、あなたにとっての世界は機嫌がよいのだ。あなたができる社会貢献とは、よい言葉とよい笑顔である。



おかしい人のおかしさは「距離の取り方」のおかしさ


■自分がするべき仕事をしたり、自分にしかできない能力を発揮すれば、

 他人が距離を縮めようとしてくる。

 そうなればあなたが応じるか、応じないか決めることができる。

 それが主体的に生きるということなのだ。


■人との距離は、じつは自分一人で磨いてつくるものなのだ。



会話術コラム❺好きという言葉は、最悪です


■いっしょの環境にいるときに同じ感動をする場面に

 出来るだけいっしょにいる。



「書く」より先に「話す」があった


■黙って想い、考えたすえ、どうしてもこぼれ落ち、

 相手に伝わることばが「話す」である。

 そのことばがあなたの人間性であり、そのもっと後には「書く」がある。



違う人と、同じものを見る


■一人旅は、不安な自分がもうひとりの自分と話し合う時間でできている。

 そのときに見えているものが、風景なのだ。


■自分と相手の間にある孤独。

 それを認めたときに会話ははじまる。違う人と、同じものを見た時、

 二人のあいだに、なにかが生まれる。


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いかかだったでしょうか。


本書を知ったのは、

大好きな阿部広太郎さんのTwitter。


「相手の話を聞き出すこと、傾聴こそが大事」

だと書かれているものがほとんどだったところ、

自分のことも話さず、相手の話も聞き出さない。

それって一体どういうことなんだろう。


そんな興味から購入しました。

もう少し読み込む必要があるのですが

正直なところ、まだ「なるほど!!」とはなっていない自分がいます。


ただ、「会話術コラム❹好きという言葉は、最悪です」で

永六輔さんがラジオ番組で、「好きな人に告白する言葉を教えて」という

小学6年生の女の子の質問に答えるエピソードが紹介されているのですが、



好きな人に「あ、この子好きだな」とか「いい人だな」と思われるには、

「おなべをいっしょに食べて同じものをおいしいと思う」

「夕やけを見て、両方が美しいなと思う」というような

同じ感動を同じ時点で受け止めるのが一番効果があります。


だから、いっしょの環境にいるときに同じ感動をする場面に

出来るだけ一緒にいる。

そうすると、使いあっている同じ言葉にドキンとすることがあって、

それが愛なんです。




この言葉には、まさに「なるほど」となりました。


というか、「なるほど」でも「感動」でも足りない、なにか。

昔から知っていたけど不思議なほどに気づいていなかった

大切なことを思いださせてくれるような。

そのくらい、この本で伝えたい内容がこの箇所には

詰まっているのではないかと思います。



とにもかくにも、

何度か出てくる田中泰延さんと編集者の今野良介さんの

かけ合いを読んでいるだけでもなんだか愉快な気分になれるので

ぜひお手にとってみてください。




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