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【依存症雑記・課金】私たちの日常における対価と課金

うつ病で専業主婦になった者として出来る事。
無理をする必要はないと分かっていても、私の中でどうしても感じてしまう引け目を多少なりとも希釈するべく、PTA役員(手作り系)に立候補した申見アキです。真面目か!と沢山の人に言われました。
今日は課金の話です。

先日、日課である息子との散歩中、喉が渇いたのでドリンクを買おうとドラッグストアへ行った。
お会計を済ませてレジを過ぎると、おもちゃのガチャガチャ台がずらりと並んでいたのを見つけた。すぐに息子は「ねえママ見てー!ガチャガチャあるよ、やりたいなあ」と私にねだった。

しかしよく見ると、中身の商品はみんな抜かれている。感染予防の為だろうか、全てのマシンに「調整中」の紙が貼られていた。
「…これ、空っぽだよ、見て。今ガチャガチャはお休みなんだって。また今度中身がある時にやろうね。」と言い、横から中身を覗かせた。息子にも明らかにこれは出来ないものだとわかり、ほんとだね、からっぽ。と納得して踵を返して店を出た。

手を繋いで歩き、家の近くに差し掛かる頃。ぽつんと息子が「ガチャガチャ…やりたかったな」と、ちゅんと口を尖らせていた。
ふうん、そんなにやりたかったの、と少し聞いてみた。
「…そうだね、ガチャガチャのどんな所が好きなの?」
「うーんとね、お金チャリンってして入れてね、ぐるぐるーって回すのが好きなのー、コトン!がおもしろいの!」
「今日、なにか欲しいアイテムがあったの?」
「うーん…?うーん、おもちゃ?ガチャガチャしたかった。」


…はた、とそこで何かに気付き、今それを紐解いているところである。

そう、本来こういうガチャガチャも「遊び」である。決まった分の硬貨を入れた者に与えられるハンドルをぐりぐり回す手触りや、数ある見本の写真の中から好きなシリーズを選び、何が出るかな?の会話や、出てきたおもちゃを組み立てたりして遊ぶ、そんな時間を楽しむものだ。
当たり前の話だが、ガチャガチャは少なくとも、少しの定額を入れれば必ず手にその価格に見合った商品が手に入る。きちんとした対価を貰える。
遊びであり買い物でもあるのだ。

さて、成人になると切っても切れない事がその買い物である。ショッピングセンターやネットで、食品・日用品の買い物をする、外食を楽しむ、美容師さんや理容師さんに髪を整えてもらう、自動販売機やコンビニでドリンクやお菓子を買う、値段に見合った質の服を買う、家賃やローンを支払う、水道光熱費などの各種払い込み。

今までどれか一つでもやった事がある人ー!と挙手をさせたら、余程のことがない限り私たちは手を挙げるだろう。現金・電子決済・クレジットカード・口座引き落とし。いずれの方法であっても、貰い受けた商品やサービスに対価を支払うということ。

当然、これらは全て「契約」である。

私が常々記事にしているオンラインゲームでも、実際のガチャ、コンビニのクジであっても、そのとても小さい枠の中で何が出るかわからないワクワクを楽しむのも勿論あるのだろう。私は元来おたくであるからして、ゲームもガチャのシステムにも否定をするつもりは毛頭ない。

しかし私の今の立場になると、どうしても問いが出てしまう。
イベント限定カード、レアアイテム、プレイ時間や良い効率、各種アイテムを獲得するのに、次々に何百円、何千円も投げ込む事。現代ではこの指先一つで、バッグの中から財布を開く動作なしに、実際の貨幣をデジタル記号に変えた現金を投入できてしまう。
そう、外から冷静に考えると、これはめちゃくちゃ怖いことである。

一度バイトを始めたり社会人になると、ある程度自由にお金を使える額が増えると同時に、いつしか「ストレス発散、夢を見る為に課金する」「推し事」「フルコンプ・完凸(レベル上限を上げて強化する)を目指す」「出るまで回せば排出率100%」というダークネス一休さんがどこからともなく現れ、そんな言葉を以ってネトゲ・ソシャゲに勤しむようになる。

流行りのコンテンツにユーザーが増えて盛り上がって来ると、今度は課金=公式にお金を落としてこそ正義という図式やマインドがまことしやかに囁かれる。
かなり乱暴に言ってしまうと
「私も課金した、他の成人ゲーマーも課金をしろ。古参の私はこんなに突っ込んだのに無課金プレイはずるい、だから課金しろ。諭吉を溶かせ、家賃は後だ
そんなユーザー同士がお互いの足を引っ張り合い蹴落とし合いがそこかしこで起きる。リアルマネーと罵詈雑言で戦いを繰り広げるユーザーたちに対しておおかたのゲーム会社や運営は傍観する。配信者に対する数百円からの投げ銭もこれに含まれる。下手にユーザーの邪魔をすると売り上げや投げ銭の金額に影響するからだ。自分への財布の紐が緩んでいる所をつつくのは無益になる。お金がこちらに動いている限りは下手に触らないものである。

誰かがネットに落としていった、ふわっとした綿毛のような密度の軽薄な言葉たち。それらは厳しく言えば、度を超えた重課金や廃人プレイをする自らを正当化しているに過ぎない。

ユーザー同士の潰し合いや
課金して欲しい公式の煽りに騙されるな。

課金や推し配信者への投げ銭がどこへ行き、その数%がどこを経由して公式や配信者にどのくらい届き、どこの誰がちゃっかりおこぼれの金銭を得るのかを考えたことはあるだろうか。
石やらジェムやらを買う前に、一度離れて考えてみて欲しい。
その課金が本当に自分の人生に必要なのか少しでも考えてくれたら、物理的・精神的に助かる人が必ず出て来るのだ。

私個人としては課金に血眼になるより先に、一人息子が成長する毎日に目を皿のようにしてくれた方が、現実を生きる人々がより幸せになれると思っている。


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最後に言わせてもらうと…

この!!
見本以外の商品も入っていますガチャ!!
狙ってたアタリが出た事なんか1000%ないからなぁあ(泣)
一体いくら爆死した事か!!笑
純真無垢な子供を言葉巧みに誘惑して、スライムとかミニカーとかよく知らないキャラのキーホルダーばっか出しやがって!ちくしょーめぇー!いらねーーーー!!!

…出たことある人がいたら、こっそり教えてほしい。笑

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