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カネボウ破綻からの再生。ビジョン「CRAZY KRACIE」を胸に“夢中になれる明日”を作る【クラシエ株式会社】

クラシエ株式会社は「人を想いつづける」を基本理念に、シャンプー・ボディソープなどのトイレタリー・コスメティックス事業、漢方薬を中心とした薬品事業、菓子・アイスなどの食品事業を展開しています。
ヘアケアブランド『いち髪』や、葛根湯をはじめとした『クラシエの漢方 かぜシリーズ』のほか、知育菓子®『ねるねるねるね』、『甘栗むいちゃいました』など、多くの特徴的なブランドが知られています。

そんなクラシエ株式会社は、かつて日本トップクラスの企業でありながら2004年に経営破綻したカネボウ株式会社が残した3事業を引き継ぎ、2007年に商号変更・再出発した会社です。
どん底を経て、現在はグループ売上高88,731百万円(2023年12月期)にまでV字復活を果たしたクラシエ株式会社を率いるのは、代表取締役 社長執行役員である岩倉 昌弘氏です。

クラシエ株式会社代表取締役 社長執行役員 岩倉 昌弘 氏

新卒でカネボウに入社し、破綻までを見届けた経験

1985年、カネボウに入社。当時のカネボウといえば化粧品というイメージがあり、私も化粧品事業を希望し入社したつもりでしたが、配属は石けんやシャンプーなどの日用品を扱うホームプロダクツの販売会社でした。
大阪支店で営業を担当していた頃、むだ毛処理剤の「エピラット(1983年発売)」や、入浴剤の「旅の宿(1986年発売)」などのヒット商品はあったものの、業界内の知名度が低く、商談を後回しにされることも多かったです。商品力をカバーするために価格訴求に走りがちで、競合大手からヒット商品が出ると類似商品を出して対抗することもありましたが、それでも徐々にシャンプーやボディソープでヒット商品が出るようになりました。

ホームプロダクツ事業は比較的に順調でしたが、カネボウ全体でみると、売上や利益の数字を無理やりつくることで業績が悪化。しだいにボーナスが払えなくなり、給料もカットされ、いよいよこの会社はだめだろうと思いはじめました。
そして2004年、カネボウは経営が行き詰まり、産業再生機構に支援を要請。2007年に、日用品・薬品・食品の3事業でクラシエとして再出発をしました。「カネボウ」というブランドはなくなりましたが、商品のブランドは毀損していなかったので、正しいサイクルに戻せばこの会社はなんとかなるという気持ちはありました。

ビジョン「CRAZY KRACIE(クレイジークラシエ)」への想い

2017年7月の社名変更10年を機に、ビジョンを「CRAZY KRACIE」としました。
クラシエで働く社員は誠実で真面目な人が多く、そのおかげで、経営破綻などの逆境を乗り越えて成長し続けることができました。しかし、破綻から10年経ち、経営状況が安定していくにつれ、徐々に社内の危機感が薄れてきているように感じました。
以前のカネボウのようにこのまま安定志向が蔓延してしまわぬよう、企業風土を変えるためにも、あえてクラシエの雰囲気とは対極にある「クレイジー」という言葉をビジョンに選びました。

クラシエの企業ビジョン【CRAZY KRACIE】

私たちを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、お客様のニーズもそれに伴い高度化、多様化がどんどん進んでいます。このような時代だからこそ、社員一人ひとりが、常識を疑い、固定観念を捨て去り、失敗を恐れずにクレイジーに夢中に、挑戦していってほしいと思っています。

2023年に経営統合 新たなイノベーションの創出を目指す

2023年10月、ホームプロダクツ・製薬・フーズの3事業会社を統合し、クラシエ株式会社として新たなスタートを切りました。
これまでは各事業が自立することを目標に個々で成長を目指してきましたが、行き先の見えない激動の時代において、今後はそれぞれの事業の違いをつなげ、クラシエグループ一丸となって対応していく必要があると感じました。
3事業が1つになることで、化学反応を起こし、「医食美・快適」の領域で新たな価値創造やイノベーションの創出を図り、お客様・患者様への提供価値を高めてまいります。