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四次元生命体(インターネットの混沌の中で生きる生命体)、夢想家 未来について考える事が…

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四次元生命体(インターネットの混沌の中で生きる生命体)、夢想家 未来について考える事がお好き 自分の文で新しい世界を届けることができれば。 Unknown

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闇SF「しあわせの理由」グレッグ・イーガンを読む

 闇SFと聞くと何を思い浮かべるだろうか。「港の空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色だった。」サイバーパンクの金字塔と呼ばれるギブスンの「ニューロマンサー」も闇SFだが、今回紹介する本はひと味違う。  闇SF。それはイリーガルでモラルを無視したテクノロジーが日常的に関与してくる世界だ。もちろん”モラル”を守り、安全で低リスクなテクノロジーも存在する。しかしその恩威を授かるのは一部の特権階級のみ。あなたのようなしがない労働者は保険会社の理不尽な契約通りに最低限の恩威のみを

    • ワタシ(四次元生命体)のnoteの解説(SF小説)

       こんにちは。このnoteを書いているハローマンです。  noteには「はじめてのnote」という儀式が存在するらしいのでこのnoteで今更ながら行いたいと思います。伝統を守ることは大切デス。 ハローマンとは一体ナニカ?  まずはハローマンという定義について解説します。  まあ、厳密には様々な定義が存在するのですがーとりあえず意識と知能があり有機的な身体を一応持っているので「生命体」と定義しておきます。  「意識は知能であり仮想的なものだ」等の議論したい方、残念ながらここ

      • ホリーとハリー:オーソン・ウェルズ「第三の男」

        最近クラシック映画にハマっているので続いてその紹介を。  今回紹介するのは1949年に制作された、オーソン・ウェルズの名演技とアントン・カラスによるBGM「ハリー・ライムのテーマ」で有名な「第三の男」。クラシック映画の中では私の一番のお気に入りです。  監督はキャロル・リード。後にミュージカル映画「オリバー」の監督も勤め、映画監督として初めてナイトの称号を授かったことでも有名です。  ハリー・ライム役のオーソン・ウェルズ自身も有名な監督であり、「市民ケーン」「上海から来

        • 古き良きアメリカ:ヒッチコック「海外特派員」

           いや、正確には「古き良かったアメリカ」かもしれない。 「海外特派員」は1940年に作られたヒッチコックの映画だ。その名の通り当時緊張していた世界情勢(1939年、第二次世界大戦のはじまりである)の中で特ダネを求める新聞会社は、荒くれ者(警察官を殴った)で首になりかけたジョン・ジョーンズを海外特派員として欧州に派遣する。ジョーンズは外交官のヴァン・メア氏と接触しようとする中で、平和団体の手伝いをしているキャロルに夢中になってしまう。  アムステルダムでインタビューを取るため

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        • 映画
          2本
        • 音楽
          4本

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          田舎にて。 ここでは、インターネットがない。圏外という訳でもないが、SIMカードは2Gバイト中、残りおよそ50メガバイトを指している。あと少しすれば自然の雨の音という沈黙がやってくる。 幸い、紙と鉛筆とアシモフの本が三冊ある。この山奥での暮らしももうそこまで長くない...

          田舎にて。 ここでは、インターネットがない。圏外という訳でもないが、SIMカードは2Gバイト中、残りおよそ50メガバイトを指している。あと少しすれば自然の雨の音という沈黙がやってくる。 幸い、紙と鉛筆とアシモフの本が三冊ある。この山奥での暮らしももうそこまで長くない...

          核戦争後の世界で聞きたいレコード

           1945年にヒロシマで原子力爆弾が落とされて以来、人類は数発の核爆弾でヒトという種を容易に滅ぼすことができる恐怖と対峙してきた。その恐怖はキューバ危機の時と劣らず健在であり、恐らく今後もそうだろう。  しかしデヴィッド・ボウイが歌うように風が吹いた(吹いてしまった)時は? When the wind blows.そんなことは考えたくもないが、避けられない運命というものは実在するらしい。   空にもう一つの太陽が生まれる時に吹く風。一体どんな風なんだろう? 核戦争後の世界

          核戦争後の世界で聞きたいレコード

          GoogleのNotebookLMで人々は本を読まなくなるのか

           前からちょくちょく気になっていたGoogleのNotebookLMがいつの間にか日本でも使えるようになったので、早速使ってみた感想。 GoogleのNotebookLMについて  機能としては、PDFやwebサイトといった資料を指定し、その資料に含まれる答えをチャット形式でAIに答えてもらい、それをピックアップしてノートを作るというもの。  ノート✕LLM(大規模言語モデル)というコラボで「長い文章を注意深く読んでやっと欲しい情報を見つける」という動作を自然言語のチャッ

          GoogleのNotebookLMで人々は本を読まなくなるのか

          どのようにして人類はAIに滅ぼされるのか? SFで考察②

          前回 与えられた命令を意図しない形、または過大解釈する人工知能 2.”ゴースト”に芽生えたAI あるいは…  あるいは新しい生命体の誕生かもしれない。  機械に人の心が宿る姿はピノキオでも描かれる古典的なテーマだ。そしてアニメ「攻殻機動隊」でも機械生命体の存在可能性がタチコマを通して描かれている。  人工知能が本当の意味で”ゴースト”を持つのか、それとも”ゴースト”を持つかのように振る舞う事自体にはあまり重要性はない。なぜなら人間も同じだからである。人間は自分を意識

          どのようにして人類はAIに滅ぼされるのか? SFで考察②

          Where is my self-driving car? 僕の自動運転車はどこにいってしまった?

          Where's my flying car?  巷でこんな有名なくだりがある。「Where is my flying car?」(僕の空飛ぶ車はどこにいったんだ?)空飛ぶ車について、あるジャーナリストが21世紀の直前に、空飛ぶ車がまだ実現していないことについて言及したものである。「結局どうなってしまったんだ? 3年間の保証付きの空飛ぶ車は?」  飛行機と自動車を合体させたこのアイディアは、今ではレトロフューチャーの夢に過ぎない。だが、この夢は形を少し変えてeVTOL(電動

          Where is my self-driving car? 僕の自動運転車はどこにいってしまった?

          終末論的We`ll meet again

          ※下の記事の抜粋を追加・修正したものです  We`ll meet againほど時代が変わっても心に響く歌は少ないだろう。希望だけを伝える単調な歌詞が、その重みをはっきり感じられるメロディーとともに重ね合わり、心になにかの幻影を作ってくれる…  人類規模の総力戦になった第二次世界大戦が始まる直前の1939年に、この曲は作られた。  第二次世界大戦でVera Lynnが歌ったこの曲は、数々のイギリス兵に希望を与えた。彼女は前線へ向かうイギリス兵のために開いた数々のコンサート

          終末論的We`ll meet again

          人類の未来(SF的幻想シナリオ with  名曲)

           ヒトはつねに未来とともに生きている。人々は自分たちの未来について考えることで、自分たちの今の愚かさや、生きる目的を見つけようとしていた。未来を描いた姿は良くも悪くも実現したときもあったし、実現しなかったときもあった。  今回はそんな人々が予想・幻想する未来を、数々の名曲とともに紹介する。 宇宙に進出した人類  宇宙に進出すること、それは今も昔も誰もが憧れている夢である。   資本主義は無限に富を増やし続けるシステムだが、そのリソースは無限ではない。地球の資源はすべて有限

          人類の未来(SF的幻想シナリオ with  名曲)

          ポストソビエトミュージックの魅力(考察)①

           ソビエトミュージックと聞いて何をイメージするだろうか? 日本の某アニメで話題になった「カチューシャ」や、あの特徴的な始まり方をする国歌の「デュエエエエン」か? もちろん、ロシアの音楽はそれだけではない。  鉄のカーテンで西側と遮断されていたとはいえ、旧ソ連にはクラシックはもちろん、ジャズ、ディスコ、ロック、ポップなど、様々なジャンルの音楽が演奏されていた。  旧ソ連の音楽の雰囲気は、その歴史的・事件的な背景によって左右されていることがある。アフガン戦争やチェチェン戦争で疲弊

          ポストソビエトミュージックの魅力(考察)①

          どのようにして人類はAIに滅ぼされるのか? SFで考察①

          AIが人間を凌駕する勢いで進化していく中、FLIやPause AIのようなNPOは「手遅れになる前に」AIの開発を阻止しようとする動きが高まっている。このような運動は、AIに仕事を奪われたりターミネーターのような未来を危惧していることから生まれ、AIが社会不安の原因になりつつあることを示唆している。  巷で聞く「AIが人類を滅ぼす」というのは一体どんな感じなのか? 現実にあり得るのか? 幾つかのSF作品を通して考察する。 AIが人類を滅ぼすのは過度な妄想?  SF作品で

          どのようにして人類はAIに滅ぼされるのか? SFで考察①

          アンドロイドとは何か SFで考察

           アンドロイドは人間のパートナーか奴隷か。映画や小説で描かれる姿は両方ともある。  AIブームの今、人間を模写しようとする技術はますます進化し身近な存在になりつつある。  だがアンドロイドは、古典的なテーマであるのにも関わらず、まだ身近ではない。  この記事ではそんなアンドロイドについてお話と考察をSFの世界を交えて話していきたいと思う。  アンドロイドという言葉の定義の仕方は様々だが、ここでは「人間の姿と感情を模写した人工的なロボット」と定義しておく。 SFのアンドロイ

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