闇SF「しあわせの理由」グレッグ・イーガンを読む
闇SFと聞くと何を思い浮かべるだろうか。「港の空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色だった。」サイバーパンクの金字塔と呼ばれるギブスンの「ニューロマンサー」も闇SFだが、今回紹介する本はひと味違う。
闇SF。それはイリーガルでモラルを無視したテクノロジーが日常的に関与してくる世界だ。もちろん”モラル”を守り、安全で低リスクなテクノロジーも存在する。しかしその恩威を授かるのは一部の特権階級のみ。あなたのようなしがない労働者は保険会社の理不尽な契約通りに最低限の恩威のみを