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音楽

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核戦争後の世界で聞きたいレコード

 1945年にヒロシマで原子力爆弾が落とされて以来、人類は数発の核爆弾でヒトという種を容易に滅ぼすことができる恐怖と対峙してきた。その恐怖はキューバ危機の時と劣らず健在であり、恐らく今後もそうだろう。  しかしデヴィッド・ボウイが歌うように風が吹いた(吹いてしまった)時は? When the wind blows.そんなことは考えたくもないが、避けられない運命というものは実在するらしい。   空にもう一つの太陽が生まれる時に吹く風。一体どんな風なんだろう? 核戦争後の世界

ポストソビエトミュージックの魅力(考察)①

 ソビエトミュージックと聞いて何をイメージするだろうか? 日本の某アニメで話題になった「カチューシャ」や、あの特徴的な始まり方をする国歌の「デュエエエエン」か? もちろん、ロシアの音楽はそれだけではない。  鉄のカーテンで西側と遮断されていたとはいえ、旧ソ連にはクラシックはもちろん、ジャズ、ディスコ、ロック、ポップなど、様々なジャンルの音楽が演奏されていた。  旧ソ連の音楽の雰囲気は、その歴史的・事件的な背景によって左右されていることがある。アフガン戦争やチェチェン戦争で疲弊

人類の未来(SF的幻想シナリオ with  名曲)

 ヒトはつねに未来とともに生きている。人々は自分たちの未来について考えることで、自分たちの今の愚かさや、生きる目的を見つけようとしていた。未来を描いた姿は良くも悪くも実現したときもあったし、実現しなかったときもあった。  今回はそんな人々が予想・幻想する未来を、数々の名曲とともに紹介する。 宇宙に進出した人類  宇宙に進出すること、それは今も昔も誰もが憧れている夢である。   資本主義は無限に富を増やし続けるシステムだが、そのリソースは無限ではない。地球の資源はすべて有限

終末論的We`ll meet again

※下の記事の抜粋を追加・修正したものです  We`ll meet againほど時代が変わっても心に響く歌は少ないだろう。希望だけを伝える単調な歌詞が、その重みをはっきり感じられるメロディーとともに重ね合わり、心になにかの幻影を作ってくれる…  人類規模の総力戦になった第二次世界大戦が始まる直前の1939年に、この曲は作られた。  第二次世界大戦でVera Lynnが歌ったこの曲は、数々のイギリス兵に希望を与えた。彼女は前線へ向かうイギリス兵のために開いた数々のコンサート