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英語が話せるようになったので、すれ違う外国人に話しかけまくってみたら、半日で4カ国もの人と話せた件

 初めて英語を勉強したのは5歳の頃で、英文科を卒業している母親の期待を背負って、「ラボ」という教材で、英語の音声をたくさん聞いていたのが最初だった。その頃の英語へのモチベーションは、正直に言えば母を喜ばせるため、だった。

 それから30年以上が経過して、いろんな方法で英語を勉強をしてきたので、ペーパーテストのスコアは高くなった。スコアが高いという自負はあって履歴書に書いていても、英会話は、まるでダメだった。自分の英語圏での滞在経験は、大学一年生の時のイギリス6週間のみ。ホームステイはとても楽しかったし、素晴らしい経験ができたけれど、英語を話すのはずっと苦手だった。

 その後、コロナ禍で在宅勤務が増えた。その当時、人間関係にも悩まされていて(いまだに悩まされているが…)「このままではやばい!この職場にずっといられないかもしれないし、何か新しいことを始めねば!」という気持ちが強くなり、オンライン英会話を始めた。ほぼ毎日、30分のオンライン英会話を続けた。並行して、Elton JohnのRocket Hourという、Apple Musicのオリジナル番組を通勤時に聞くようになった。当然だが、Elton JohnのDJは100%英語であるし、ネイティブスピーカー向けの番組なので、英語が、速い。最初はどこまでが曲のタイトルなのか、バンドの名前なのかも、全くわからないくらいだったのだが、あまりにもElton Johnの選曲が素晴らしすぎるので彼の紹介する曲を聴きたい!という思いで、3年ほど聞くうちに、英語も聞き取れるようになってきた。Elton Johnのラジオを聴き始めた頃に、コロナ禍でメンタルの調子も悪くなりそうだったので瞑想を始めてみようと思い、Netflixの「ヘッドスペースの瞑想ガイド」という番組を、毎日英語音声で聞いて、英語字幕で見ていた。湯船に浸かりながら、防水のタブレットを使って見るようにしたところ、ほぼ100%意味がわかるようになった。

 そんな生活を続けて3年ほど経過し、英会話への苦手意識が激減した。特に英語圏ではない方と英語で話す場合、語彙がわかりやすいので、100%近く聞き取れ、言いたいこともほぼ悩まず言えるようになり、自信がついた。

 そんなわけで、先日、入ったファミリーレストランで、近くに座っていた外国人の方に話しかけてみた。そんなことをしたのは、英語を勉強し始めて30年以上経つが、初めてのことだ。話しかけてみると、予想以上に喜んでくれて、「同じテーブルで食べよう」ということになって、一緒にご飯を食べた。夫婦2人は日本で生活しているエジプト人の方で、旦那さんはグローバルなIT企業で働いていて、奥様は私立大学の大学院のビジネスコースに在籍しているという。旦那さんと、日本のアニメの話で大盛り上がり。キャプテン翼は、エジプトでも大人気だが、吹き替えなので日本のアニメとは知らずにみている人も結構いるのでは、というような話をしてくれた。私はドラゴンボールが子供の頃大好きだった、という話をして、今は少年ジャンプの漫画が世界中で人気なのが驚きだ、というような話ですっかり打ち解けた。生まれて初めてエジプト人の方と話をしました!と言ったら、今度エジプトに来ることがあったら、ピラミッドを案内してくれる、という話にまで進展した。ドリンクバーの飲み物を、奥様の方がいつも取りに行っていて、エジプトは結構亭主関白な文化があるのかも…と思ったりした。

 エジプト人夫妻の奥様の方とLINEを交換し、笑顔で別れ、地下鉄に乗ると、また、近くに欧米人(大雑把な括りだが・・・)の男性が2人いた。15分くらいで乗り換え駅に着くので、意を決して話しかけてみた。2人の男性はトルコ人で、東京に観光目的で来ていて、2人のうち1人は、トルコのレストランのシェフだということだった。東京で何を食べたのか?と聞いたところ、ケバブを食べたらしい。トルコで売られているものとは味が違うけど、美味しかった、という話をしていた。お寿司は食べたくないらしい。なぜなら、お寿司は”Not cooked”だから、というような説明をしてくれ、お互いにブロークンな英語ではあったが、私も以前、トルコに旅行に行った時に食べた「サバサンド」がとても美味しかった!という話をしたところ、非常に盛り上がった。トルコ人はあまり、営業スマイル的な表情をしなくて、表情が固くて笑ってくれないなぁ、とも思ったが、笑顔をそんなに作らない国もあるに違いない、と思った。乗り換え駅に着いたので、”It was nice talking with you!”と言って地下鉄の車両から降りた。

 その後、地上に出たところで、また欧米人の男女が歩いていたので、"Where are you from?"とすれ違いざまに聞いてみたところ、"Spain!"と答えてくれた。"Sightseeing?" と聞いたところ"Yes!"と満面の笑顔だったので、"Welcome to Japan!"と叫んだところ最大限の素晴らしい笑顔で手を振ってくれた。スペインの二人は笑顔が素晴らしかった。あったかい国だから?ラテン系、と言っていいのかわからないけど、ノリがよかった。

 その後、セガフレード(Segafredo)に入ったところ、これまた西洋人の男性2人と女性1人がいた。セガフレードにいるくらいだから、もしやイタリア人?と思って話しかけてみた。彼らはヴェネツィアに住むイタリア人の家族で、日本に留学している息子さんを訪ねて、ご両親が初めての日本旅行を決行したらしい。息子さんは日本の大学に在籍しながら、今はイタリアに本拠地がある企業でインターンをしていると言っていた。日本映画にとても詳しくて、北野武の映画や、黒澤明監督の映画も大好き、という話をしてくれた。私もドキュメンタリー映画が大好きなのだ、という話をしたところ、またまたLINEを交換することに。おすすめのドキュメンタリー映画監督を教えてくれたので、私もその時持っていた日本語で書かれた映画のチラシを渡して、私のおすすめの映画を伝えた。彼は日本語が堪能で、高田馬場にある名画座、早稲田松竹が好きなのだそうだ!へー!となって、またLINEを交換して、家族3人と写真を撮って、その写真を即座にLINEで送って、笑顔で別れた。

 その日一日で、たった数時間の間に、エジプト、トルコ、スペイン、イタリアの方々と話すことができた。東京にいて英語を使う機会というのは皆無だと思っていたけれど、こちらから話しかけてみれば、こんなに国際的な体験ができるのか、と目から鱗であった。

 電車の中は、乗車時間が限られているし、もし反応が悪くても気まずくても、すぐに降りられるから、英語を勉強している皆様、ぜひ、思い切って話しかけてみたらどうでしょうか?東京に住む日本人同士が、知らない人に話しかけることはまずないけれど、海外からきている人はほぼ100%、話しかけると喜んでくれますよ!旅行者にとっての日本の印象が絶対に良くなると思うんで、英語を勉強しているなら、ブロークンでも、ぜひ、話しかけてほしいです!


 

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