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都市論と写真

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#写真家

記念写真、撮っていますか?

記念写真、撮っていますか?

先日祖母の家に行ったら、「そういえば昔のアルバム見せたことがあったかしら」と引き出しから年季の入った、かつては綺麗な赤色だったと思われるアルバムを押入れから取り出して色々見せてくれた。御年91歳の祖母、戦後すぐの女学生だった頃の写真。演劇部にいた頃のものや、伊豆に遠足にいった時のもの、美術部の制作展での集合写真。その中に写っている自分を指さして「なんで戦後すぐの食糧難の時代にわたしだけ丸まるとして

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分類のコミュニティ

分類のコミュニティ

1999年にイギリスの政府機関が作成した報告書の中にある一文「Bridging the Gap:New Opportunities for 16-18 years olds not in education, employment or training」から生まれた言葉ニート(not in education, employment or trainingの頭文字)は瞬く間に日本社会に浸透した。

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フォトジャーナリズム -SNS時代に共存する見えない社会問題

フォトジャーナリズム -SNS時代に共存する見えない社会問題

社会派と呼ばれる言葉は我々の世代だとほぼ使わない。その代わりに「フォトジャーナリズム」というのであろうか。昭和30年代の写真雑誌をめくってみるとアマチュアからプロの方までそのいわゆる「社会派」が一定数いて、なかなか秀逸なモノクロの作品が多く目につく。

ユージン・スミスや桑原史成が撮った水俣病だけでなく、その地区の小さな社会問題をテーマにしたりして、皆思い思いのアクシデントを写真に収めていた。ダム

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距離感の把握

距離感の把握

写真を撮りはじめた二十歳の頃から何が変わったのかと、自分で記しているA4の写真帳やネガ等を見返してみる。ネガはベタをとるのがどうも面倒なもので、スキャンしてエクセル管理している。全てデータ化するのはえらく面倒だったが、一度やってしまうと非常に便利だ。記憶の中のネガを探すのに手間がかからないし、Photoshopで色々といじってから暗室に入れば、これまたイメージがつかみやすい。

我ながら便利な

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