【作り手に拍手!】映画『ボックストロール』
今回はアマプラで視聴したストップモーションアニメ映画『ボックストロール』のご紹介です。
◆どんなお話?
ボックストロールは、その名の通り「箱」を身につけたトロールです。
チーズブリッジの町の人々からは、子どもを襲って食べるモンスターと恐れられています。しかし、その正体は発明好きの心優しいトロール。びっくりするとカメのようにすぐ箱の中に隠れてしまうほど怖がりです。
このお話の主人公エッグスは、そんなボックストロールに育てられた人間の男の子。駆除業者スナッチャーに捕まり連れていかれてしまった育ての親フィッシュを助けるため、エッグスは初めて人間の世界に足を踏み入れます。
◆ボックストロールたちがとても愛おしい!
一見ちょっと不気味でちょっと汚いボックストロールですが、冒頭10分程でその印象はすぐに変わるでしょう!
エッグスのために、嬉しそうにぬいぐるみを持ち帰るフィッシュ。幼いエッグスをみんなであたたかく見守るボックストロールたち。
ボックストロールの世界は、とても平和で愛のある世界です。エッグスはそんなボックストロールたちに愛されながら、すくすく幸せに育ちます。
◆本当のモンスターは誰?
それに対して、人間の世界は溶けたチーズみたいにドロドロです。
「権力者になってチーズを食べる」という欲にまみれた目的のため、ボックストロールを襲うスナッチャー。娘ウィニーの話にも耳を貸さず、町の問題にもろくに目を向けず、ただただチーズと女に溺れている町の権力者リンド卿。何の被害も受けていないのに、噂だけを信じ、ボックストロールを悪と決めつけ罵る民衆たち。
ボックストロールを倒すことが正義だと信じてスナッチャーについてきていた手下たちは、エッグスを守ろうとして殴られ気を失ったフィッシュを運びながら、自分たちに言い聞かせます。
「俺たちが正義だって6、70%は確信してるよ。いいもんていうのは、悪もんやなんかをやっつけるのさ…」
何が正義で、何が悪か?
本当のモンスターは誰なのか?
97分の物語の中に、家族の愛、種族を越えた友情、差別や偏見、権力者の横暴、集団心理の怖さなど人間世界の"きれい"と"汚い"が描かれているこの作品。最後に勝つのは…?
◆終わりに
『コララインとボタンの魔女 3D』や『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』のスタジオライカによるストップモーションアニメ作品『ボックストロール』。
アカデミー賞、ゴールデングローブ賞にノミネート、アニー賞では13部門にノミネートし、声優賞と美術賞を受賞。エッグスが人間の世界で出会う女の子ウィニーの声をエマ・ファニングが、エッグス最大の敵スナッチャーの声をベン・キングズレーが演じています。
クライマックスはちょっとびっくりするけれど、最後はとてもハッピーな気持ちになること間違いなし! エンドロールもお見逃しなく! 作り手たちに大きな拍手を送りたくなることでしょう。
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