マガジンのカバー画像

本レビュー

149
読んできた本、おすすめ本はこちら。 漫画も含むことにする(細分化し過ぎると、雑多になる)
運営しているクリエイター

#読書感想文

『魂婚心中』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本を紹介します。 芦沢央著 『魂婚心中』 (早川書房 、2024) この本を知ることが出来たのは、以下の記事から。 本書は短編集で、6つの話がある。 魂婚心中 ゲーマーのGlitch 二十五万分の一 閻魔帳 SEO この世界には間違いが七つある 九月某日の誓い 上記の記事で紹介されていたのは、1つ目の短編「魂婚心中」だ。 「魂婚心中」の序文を読んだから本を購入したのに、読んでいるうちに本の購入を後悔し始めた。 投げ銭を含め、

『消滅世界』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本を紹介します。 村田沙耶香著 『消滅世界』 (河出書房新社 、2018) どの本にも共通して言えることではあるが、この本は読者を選ぶ。 村田沙耶香さんの本は新しい切り口の視点と、 異世界ものとも異なるぶっ飛んだ世界観が魅力的だ。 本書には終始、必要以上だと思ってしまうような、描写の緻密な説明がある。 繰り返し行われる、同じような描写説明に必要性を感じない。 主人公の考える、「正常」と「異常」。 世界の考える、「正常」と「異

『自閉症の僕の毎日』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本を紹介します。 東田直樹著 『自閉症の僕の毎日』 (KADOKAWA 、2024) 本書はエッセイ本で読みやすく、カフェであっという間に読んでしまった。 著者は話すことが出来ないため、本書もパソコン打ちである。 これ分かる!!となったのは、本書38ページに記載されている、 「思考し過ぎる脳」の話。 思考し過ぎることへの疲れは、確かに脳が考えるのをやめてしまうような感覚に陥る。 私も著者と同じく、数日間寝込むこともある。 突

『人生を豊かにしたい人のための講談』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本を紹介します。 神田松鯉著 『人生を豊かにしたい人のための講談』 (マイナビ出版 、2020) 講談の持つ魅力について、分かり良い本だった。 タイトルだが、「人生を豊かに」とは、どういう意味で言っているのだろう。 人生が豊かになるとは何だろう(本を開く前に脱線した) 講談の話を理解して、文化や教養、知識を身につけることなのか。 講談を知り、聞くことにより人生が豊かになるのだろうか。 それともかく。 本書の中でも特別に面白いと

『ユートロニカのこちら側』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 小川哲著 『ユートロニカのこちら側』 (早川書房 、2017) 本書5ページに記載されている「ロボット工学の三原則」。 以前聞いたような気がするのは、去年鑑賞した映画「M3GAN(ミーガン)」(AI人形ホラー映画)だったかな。 オマージュなのだろうか。 本書、ストーリー内の様々な箇所で、漫画や映画、小説を思い出した。 あらすじマイン社の提供する、特別携帯地区「アガスティアリゾート」。 働かなくて良い、治安

5月に読んだ本

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、5月に読んだ本を紹介します。 まつおるか著 『海のどうぶつが可愛すぎて!』 (KADOKAWA 、2019) 今すぐ水族館に行きたい!!と思った時に読んだ本。 オールカラーで、漫画のような構成が読みやすい。 シャチ好きの著者による海の生物の紹介が、予想以上に詳しかったので面白かった本。 ジェイムズ P.ホーガン著 『星を継ぐもの』 池央耿訳 (創元SF文庫 、2023) 文章構成がとにかく素晴らしい。 短く美しく纏められたストーリー

『成瀬は信じた道をいく』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 宮島未奈著 『成瀬は信じた道をいく』 (新潮社 、2024) 今作も地元ネタが炸裂。 1作目である前作「成瀬は天下を取りにいく」の内容が「成瀬あかりとは…」であるならば、本書は「その成瀬が…」というような内容だ。 前作よりさらに、全体的にスピード感のあるテンポの流れとなっている。 個人的に、2作目は笑い要素が多くなっている気がする。 あらすじ ときめきっ子タイム ときめきっ子タイムとは、大津市立ときめき

『成瀬は天下を取りにいく』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 宮島未奈著 『成瀬は天下を取りにいく』 (新潮社 、2023) 過去に話題となった、野球部のマネージャー的(マネージメントなど)な本かと思って管轄外にしていたら良い意味で全然違っていた。 先入観は時に妨げになりますな。 あらすじ本書は、天才的で変わり者の成瀬あかりを中心に進む物語。 6章立てで構成されている。 ありがとう西武大津店 閉店間際、ローカルテレビでは西武大津店の閉店までのカウントダウンが放映さ

『もしも家にペンギンが来たら…』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 上田 一生監修 『もしも家にペンギンが来たら…』 (主婦の友社、2023) 表紙にしっかりと書かれている「クセつよめペンギン図鑑」。 試し読みしてから、即購入。 全ページ、オールカラー。 もし家の中にペンギンがいたら、するかもしれない行動が両開きページでドーンと描かれている。 その次に、両開きでペンギンの行動と生態について、監修者である上田先生の説明が記載されている。 ペンギンの魅力魚は丸ごとのみこみます

『君が手にするはずだった黄金について』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の紹介をします。 小川哲著 『君が手にするはずだった黄金について』 (新潮社、2023) あらすじ本書の主人公。 プロローグでは、就職活動でESが書けない大学院生だ。 本作品は「僕は」 「僕の」 「僕が」というように、 一人称で語られる言葉が多い。 この主人公の見る世界(終始、主観的視点で描かれる)が語られていく。 章が進むごとに、中学や高校の同級生、そこで知り合う人々の日常、考え方、性格が描かれている。 周りが嫌なやつだ

『三体II 黒暗森林』 上、下

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の紹介をします。 劉慈欣著 『三体II 黒暗森林』 上、下 大森望 / 立原 透耶 /上原かおり/泊功訳 『三体』第二部は、文庫本だと上下巻に分かれているので、2冊紹介する。 第一部では、日常生活から一気に宇宙規模まで連れていかれる壮大なスケール物語で始まった。 続作となる第二部は、第一部をベースにさらに重厚な物語が描かれている。 感想は、思い切りネタバレありで書いてます。 ざっくりあらすじ第一部で、地球侵略の危機が450

『三体』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 劉慈欣著 『三体』 大森望/光吉さくら /ワン チャイ訳  立原透耶監修 (早川書房 、2024) 中国語のペーパーバックは、2008年に発売(私調べ) 日本語版は、2019年にハードカバーが発売された。 そして、個人的に超待望の文庫本は、2024年に発売!! 三体問題は、天体力学の分野。 宇宙という、とてつもなく壮大なスケール舞台での、「そんなバカな」と思うような話がある。 しかし同時に、まったくのファン

『それでもがんばる! どんまいなペンギン図鑑』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の紹介をします。 渡辺佑基監修 『それでもがんばる! どんまいなペンギン図鑑』 (宝島社 、2018) 本書は、オールカラー。 すべての説明箇所にイラストも載っています。 また、各チャプターの最後には「南極だより」があり、実際に南極でペンギンを観察する調査隊の目線からのペンギンの暮らし(生態)や、調査隊の南極での生活も説明されています。 情報量もそれなりにあるので、とても面白い!! 本書に書かれているおもしろ内容 ペンギン

『星を継ぐもの』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 ジェイムズ P.ホーガン著 『星を継ぐもの』 池央耿訳 (創元SF文庫 、2023) 「新刊で再販売!!」 そんな感じのポップが置かれていた、この本。 表紙絵が好きになったし、SFという未開拓ジャンル(多分)なので購入した。 私が2024年に購入した本書の初版は、1980年。 原書だと、1977年に書かれたものとなる。70年代!!わお!! 本を開く、その最初からワクワクとドキドキ展開。 本当に、最初から最