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本レビュー

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読んできた本、おすすめ本はこちら。 漫画も含むことにする(細分化し過ぎると、雑多になる)
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2024年6月の記事一覧

『むかしむかしあるところに、死体がありました。』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の紹介をします。 青柳 碧人著 『むかしむかしあるところに、死体がありました。』 (双葉社 、2019) この強烈なタイトルに、どうしても惹かれてしまって数年。 ついに、このシリーズを入手!! 読むか悩んでいる間に、赤ずきんシリーズ(+ピノキオ)など複数出版されているので、とりあえず1作目から読むことにした。 1番面白かったのは、「つるの倒叙がえし」だ。 え?!どう終わるの? 「倒叙」とは、そういうことなのか。 文章構造とは

『講談放浪記』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本を紹介します。 神田伯山著 『講談放浪記』 (講談社 、2023) 神田伯山先生にハマってから、講談(の話)を理解したいと思い、 日々様々な本を読んでいる。 今回は、有名だと言われる、忠臣蔵も知らなかった私が放浪記を読んでみた。 ちなみに本書で紹介されている、どの場所にも行ったことがない。 (日光東照宮も然り) 後半にチラッと紹介されている寄席くらいだろうか。 本書で1番興味深いのは、第五章で紹介されている「四谷怪談」。 神

『正欲』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の紹介をします。 朝井リョウ著 『正欲』 (新潮社 、2023) 「読んだら、読む前には戻れない」だっただろうか。 そんな文言が、どこかに書かれていたような気がしたのに見つからない。 そんなの当たり前では?と思い、本書を手にしなかった。 それは例えば、「もうAがなければ、生きていけない」というような言葉が示す。 こういうこと言うと、「今まで生きてたじゃないか」と言われる。 それは、「Aを知らなかった」という条件づけが前提となる

『魂婚心中』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本を紹介します。 芦沢央著 『魂婚心中』 (早川書房 、2024) この本を知ることが出来たのは、以下の記事から。 本書は短編集で、6つの話がある。 魂婚心中 ゲーマーのGlitch 二十五万分の一 閻魔帳 SEO この世界には間違いが七つある 九月某日の誓い 上記の記事で紹介されていたのは、1つ目の短編「魂婚心中」だ。 「魂婚心中」の序文を読んだから本を購入したのに、読んでいるうちに本の購入を後悔し始めた。 投げ銭を含め、

『消滅世界』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本を紹介します。 村田沙耶香著 『消滅世界』 (河出書房新社 、2018) どの本にも共通して言えることではあるが、この本は読者を選ぶ。 村田沙耶香さんの本は新しい切り口の視点と、 異世界ものとも異なるぶっ飛んだ世界観が魅力的だ。 本書には終始、必要以上だと思ってしまうような、描写の緻密な説明がある。 繰り返し行われる、同じような描写説明に必要性を感じない。 主人公の考える、「正常」と「異常」。 世界の考える、「正常」と「異

『自閉症の僕の毎日』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本を紹介します。 東田直樹著 『自閉症の僕の毎日』 (KADOKAWA 、2024) 本書はエッセイ本で読みやすく、カフェであっという間に読んでしまった。 著者は話すことが出来ないため、本書もパソコン打ちである。 これ分かる!!となったのは、本書38ページに記載されている、 「思考し過ぎる脳」の話。 思考し過ぎることへの疲れは、確かに脳が考えるのをやめてしまうような感覚に陥る。 私も著者と同じく、数日間寝込むこともある。 突

『人生を豊かにしたい人のための講談』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本を紹介します。 神田松鯉著 『人生を豊かにしたい人のための講談』 (マイナビ出版 、2020) 講談の持つ魅力について、分かり良い本だった。 タイトルだが、「人生を豊かに」とは、どういう意味で言っているのだろう。 人生が豊かになるとは何だろう(本を開く前に脱線した) 講談の話を理解して、文化や教養、知識を身につけることなのか。 講談を知り、聞くことにより人生が豊かになるのだろうか。 それともかく。 本書の中でも特別に面白いと

最近読んでいる漫画

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、最近読んだ(読んでいる)マンガを紹介します。 初嘉屋一生/原田重光著 『はたらく細胞BLACK』 (講談社 、2021) 以前、清水茜さんの「はたらく細胞」を読んだけれど、そのままこの類のシリーズは読まなかった(アニメは見ていない) 「はたらく細胞BLACK」を読むと、改めて細胞を擬人化する考え方が斬新だと思う。 擬人化多くないか?(個人的にあまり好きでないから)もあるけれど、 細胞に関しては分かりやすい。 それぞれの細胞、その機能

『絶滅危惧職、講談師を生きる』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 神田 松之丞/杉江松恋著 『絶滅危惧職、講談師を生きる』   (新潮社、2019) 私が大好き&便利なポッドキャストで、聴いているラジオの1つに「問わず語りの神田伯山」がある。 神田伯山のラジオの話し方は、早口で怒鳴っているような口調。 まるで、EMINEMのようだ。 彼の講談は聞いたことがないけれど、興味があるので買ってみた。 あらすじ講談師、六代目神田伯山。 どういう人間で、どういう人生を歩んできたのか

『ユートロニカのこちら側』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 小川哲著 『ユートロニカのこちら側』 (早川書房 、2017) 本書5ページに記載されている「ロボット工学の三原則」。 以前聞いたような気がするのは、去年鑑賞した映画「M3GAN(ミーガン)」(AI人形ホラー映画)だったかな。 オマージュなのだろうか。 本書、ストーリー内の様々な箇所で、漫画や映画、小説を思い出した。 あらすじマイン社の提供する、特別携帯地区「アガスティアリゾート」。 働かなくて良い、治安

5月に読んだ本

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、5月に読んだ本を紹介します。 まつおるか著 『海のどうぶつが可愛すぎて!』 (KADOKAWA 、2019) 今すぐ水族館に行きたい!!と思った時に読んだ本。 オールカラーで、漫画のような構成が読みやすい。 シャチ好きの著者による海の生物の紹介が、予想以上に詳しかったので面白かった本。 ジェイムズ P.ホーガン著 『星を継ぐもの』 池央耿訳 (創元SF文庫 、2023) 文章構成がとにかく素晴らしい。 短く美しく纏められたストーリー