マガジンのカバー画像

ホラー短編小説(四万字未満)

3
自作のホラー作品です。
運営しているクリエイター

記事一覧

想起の種 (ホラー短編:8000字程度)

あらすじ……

 伝わらない息子への思いが、父を再び狂気へと変えていく――。

 仕事を辞めて、堕落した生活をする和彦。
 そんなある日、発送元不明の荷物が届く。
 その中には、三つ折りの紙と、ひまわりに似た種が入っていた。
『ご当選おめでとうございます! 今話題の「想起の種」をプレゼントします……』
 和彦は、抽選に応募した記憶はなく、奇妙に思いながらも、好奇心から裏庭の畑に植えてしまう。
 

もっとみる

卒業後には (ホラー短編:第二章の二部まで連載中)

あらすじ……
 父親のことが大好きだった。
 父親に喜んでもらうために勉強も頑張ってきた。
 だが、病気で父親は死んでしまったのである。
 そのショックは計り知れないものだった。
 直井健は高校三年生。卒業後には、大学に進学する予定である。
 ただ、目下のところ、母親の様子が変で心配だ。
 ©Fortuna 2021

第一章 父の遺骨
 俺の父が病気で死んだ。つい最近のことだ。
 数学の問題を解

もっとみる

願いのかなう展望台 (ホラー短編:8000字程度)

あらすじ……
 大好きだった彼女のことが忘れられない純平。
 思い悩む純平を側で見ていた親友の学は、願いがかなう展望台の話をした。
「そこでさ、新しい彼女ができますようにってお願いしてきたらどうよ」
 学は、少しでも純平の気が晴れるならと思ったのである。
 だが、こんなことになるのなら、展望台の話をするべきではなかった。
 ©Fortuna 2020 

第一章 展望台 夜勤からの一限目は本当につ

もっとみる