ネオナオ

元映画宣伝マン。映画ナビゲーター(週刊読売、日本経済新聞、東京中日スポーツ、ロードショ…

ネオナオ

元映画宣伝マン。映画ナビゲーター(週刊読売、日本経済新聞、東京中日スポーツ、ロードショーなどにて執筆)。鎌倉FM「シーサイド・アベニュー」にてコーナー担当(2018-)。著作「ビデオDE大発見(共著・実業之日本社)」「予言(共著・心交社)」

最近の記事

My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (12)SF小説・黄金期の思い出〜自分史Part6

 中国人SF作家・劉慈欣(りゅう・じきん)『三体』シリーズが日本でもベストセラーとなっている。欧米、日本のSF小説を差し置いて、今や、SF文学でも中国は世界での覇権を狙っているかにみえる。とはいえ、『三体』シリーズ(3部作で日本では第2部『黒暗森林』までが翻訳された=2020年時点)では、久方ぶりにSFらしいセンス・オブ・ワンダー(驚異の世界)を堪能することが出来た。読後、感じたのは天文学、宇宙工学、未来学、心理学、社会学・・・とあらゆる学問知識を小説にちりばめた点で、これは

    • My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (11)サーカス~ラスベガス~シルク・ドゥ・ソレイユ 自分史Part5

      <サーカスとの出会い>  私のお気に入り。それは、誰しも、幼少の頃に関心を持ったものからの影響が大きいと思う。私の場合、それを探すと、幼少時代を過ごした二子玉川で観たサーカスがある。今から半世紀前の昔、二子玉川には二子玉川園という遊園地(以下写真)があった。その遊園地の一角で、サーカスの巡業公演が行われていた。空中ブランコや曲芸に幼いながら目を見張ってみていた記憶がある。 (写真・昭和36年の二子玉川遊園地/東急電鉄)  それが、やがて私のお気に入り、に繋がっていく。ま

      • My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (10)ミュージカル映画 自分史Part4

        備忘録も兼ねての自分史で「私のお気に入り」として綴ってきた10回目は、ミュージカル映画について記したい。  お気に入りのミュージカル映画は、第2回目の『サウンド・オブ・ミュージック』(この「私のお気に入り」のタイトルの元となっている曲が流れる)もその一つであるが、まだまだ好きな、というか私の人生にとって関わっているミュージカル映画がいくつもある。   その一つ目が『ザッツ・エンターテ

        • My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (9)『豊饒の海』三島由紀夫

           ドキュメンタリー映画『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実(2020)』を観て、三島作品を読み返してみたくなった。その折、珍しいことに春の雪が降った。であるなら『春の雪』を読もうと、書棚から取り出した。そして一気に『春の雪』から始まる『豊饒の海』四部作を通読することにした。実は、『豊饒の海』を読むまでは、ほとんど三島作品は読んでいなかった。というより、食わず嫌いだった。三島由紀夫を、過激な右翼でボディビルで鍛えた肉体を誇示するナルシストというイメージで嫌悪していて、作品

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          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (8) 手塚治虫

          幻の映画「黒き死の仮面」のトリオの一人、最後の私のお気に入りは手塚治虫。漫画の神様として、日本はおろか世界中の人々に今も愛され続けている日本が生んだ20世紀の偉人ともいえる人物だ。お気に入りと言うのもおこがましく、ここで手塚治虫論を書くなど恐れ多い。そもそも、お気に入りといっておきながら全作品を読破しているの? と聞かれたら「未読作品もまだあります」と消え入りそうな声で答えるしかない。そして、好きな作品は? と聞かれても、当然、代表作の『火の鳥』『鉄腕アトム』『ブラック・ジャ

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (8) 手塚治虫

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (7) フェデリコ・フェリーニ

           日本の映画監督で一番のお気に入りが黒澤明で、外国映画だとフェデリコ・フェリーニが私のお気に入りとなる。幻の映画『黒き死の仮面』での共作はされなかったが、両監督には共通したものがある。それは、二人ともに監督になる前、絵描きを目指していたということだ。黒澤明は画家として、フェリーニは漫画家として。であるから、両者の映画には、まさに「絵」となるシーンが多い。黒澤明に関してはすでに記したが、フェリーニの数多くの名画にも印象に残る場面が数多く登場する。『道(54)』の大道芸の場面、『

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (7) フェデリコ・フェリーニ

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (6) 黒澤明 自分史part3

           黒澤明の映画を観だしたきっかけは、大学に入ってからだった。70年代前半、入学した早稲田大学では学園紛争の残り火があり、大学がロックアウト(閉鎖)されるなどの状態が続いていた。気楽な自宅寄生(すねかじり)の身として、アルバイトをするでもなく、学校に行けない暇つぶしに名画座通いをしていた。そこで、銀座の並木座や池袋の文芸坐(地下)劇場などで観て、衝撃を受けたのが一連の黒澤映画だった。それまでは、どちからといえば洋画派で「日本映画は暗い作品が多い」と毛嫌いしていた。『羅生門(5

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (6) 黒澤明 自分史part3

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (5) 黒澤明+フェリーニ+手塚治虫

           私が最も尊敬し、その作品を何度も繰り返し観たり読んだりしてるのが、映画監督の黒澤明、フェデリコ・フェリーニ、そして漫画の神様・手塚治虫だ。実は、この3人が揃っての映画製作の話があった。それが『黒き死の仮面』という黒澤明のシナリオを元にした作品で、なんと今の時世を予言したかのような伝染病にまつわる話(赤死病という伝染病が流行り、難を逃れたい王が、家来一同と城に立てこもる。そして城で開かれた仮面舞踏会の夜。死の仮面を被った死神がやってくる…)だ。原作はエドガー・アラン・ポーの『

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (5) 黒澤明+フェリーニ+手塚治虫

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (4)音楽との出会い・自分史part2

          私のお気に入りは、映画と音楽。いずれも仕事もさせていただいた。映画は、現在に至るまで、宣伝、製作、物書きとこなして来たが、音楽業界からは20代後半で離れてしまった。  伝説の(「ぴあ」が生まれた)TBSラジオ音楽資料室で、大学時代にバイトをした後、大学卒業後は、今でいうところのフリーターとしてプラプラしていたが、両親から「ちゃんと就職をしなさい」と諫められ、大学時代にバイトをしていた日本ヘラルド映画を訪ねてみた。正社員は無理でも、契約社員でも…と淡い期待を抱いていたのだか

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (4)音楽との出会い・自分史part2

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (3)音楽との出会い・自分史part1

           今回は、自分史として、音楽全般との出会いのことを記しておきたい。  大学時代に、先輩から紹介され、TBS(ラジオ)の「音楽(レコード)資料室」で、アルバイトをしていた。実は、この「音楽資料室」や報道部などでアルバイトをしていた大学生たちが集まって作ったのが「ぴあ」であると、先輩から聞いていた。TBSのバイトで知り合った中央大生の矢内廣(現・代表取締役)さんと東大生のYさんがリーダーとなり立ち上げ、最初はライトバンに乗せた冊子を、都内で手売りしながら回っていたという。この「

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (3)音楽との出会い・自分史part1

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA     (2)サウンド・オブ・ミュージック

          「私のお気に入り」は、ミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック(1965/昭和40年)』の挿入歌だ。映画を観たことがない人でも、JR東海の「そうだ京都に行こう」のテレビコマーシャルで耳馴染んでいることだろう。曲が流れるのは、嵐の夜、雷が鳴り響き怖くて眠れない子供たちが、家庭教師マリア(ジュリー・アンドリュース)の部屋に集う。そこで、マリアが子供たちに言い聞かせる。「怖い時や泣きたい時は、我慢して、楽しいことを考えるのよ。綺麗なものや、好きなもの…」と、それから「私のお気

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA     (2)サウンド・オブ・ミュージック

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (1)3枚のレコード

           私の生まれ育った、昭和年代。その時代に誕生した映画、音楽、本に関して「私の好きなもの」を記していきたい。  個人的な嗜好なので、ぜひ、見聞き・拝読して欲しいと推薦するものではない。ただ、世間的にも評価されているものも多々あるので、もし、未見・未聴・未読があって、本稿から少しでも興味を惹かれ、観たり聴いたり読んだりする機会を持っていただければ、幸いだ。  最初は「3枚のレコード」と題した。昔からの「好きな音楽は何?」の例え話で「もし、無人島に持っていけるレコードを選ぶなら

          My favorite things〜私のお気に入り〜SHOWA (1)3枚のレコード