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私達が出したゴミは世界のどこかに存在し続ける。

皆さんは、お笑い芸人マシンガンズの滝沢秀一という男をご存じだろうか?

お笑いの世界は厳しい。

売れるまでは何個もアルバイトを掛け持ちしているという話はよく聞く。ライブへ行くまでの交通費さえ会社からは支給されないというではないか。

マシンガンズの滝沢という男も例外ではなく、アルバイトを掛け持ちしていたが、子供が生まれるというので、彼は2012年から定収入を得るために、お笑い芸人を続けながらゴミ収集会社に入社したそうだ。


そんな彼がごみ収集員の日常や、現場で見て考えたことを本にしている。


2冊とも読んだが、

本当に、ごみ収集者の皆様毎日お疲れ様です。という気持ちが強く強くわいてくる。

コロナ禍でゴミ収集作業を行う方々は、誰が出したかわからないゴミを収集しているのだから、コロナウイルスに触れる危険と隣り合わせ。そしておうち時間が増えることから断捨離をする人も増え、排出されるゴミの量がコロナ以前よりも増えているという話がニュースになっていた。

しかし、ゴミというのは毎日毎日、ほとんどの人間が出すもので、

ゴミを減らそう!

ゴミを分別しよう!

という気持ちになっても、それが継続できている人間がどれほどいることだろう。

そんなことを書いている私もコロナ禍でデリバリーフードを頼む機会が増え、プラスチックゴミを増やしてしまう選択をしてしまっている。

そんな生活を送っている方、ぜひ彼の本を読んでもらいたい。
彼の本を読んで、私には関係ないネと思う人はおそらくいない。
自分の生活を猛烈に大反省する人がほとんどだろう。

しかし、マシンガンズの滝沢秀一、さすがお笑い芸人といったところか、文章が面白い!読み手に反省の心だけでなく、クスっと笑いを提供してくる。
ゴミについて興味関心がない人にも、読み勧めてもらうために面白おかしく書いているのだろう。

ゴミ集積所に排出されたゴミ袋の中に、皮の剥かれた大量のバナナの実

(なぜ実のほう・・・?皮はいずこに・・・?)

断捨離本が断捨離されている

(お役御免。もう要らないんだね・・・)


読んでいて、もし女性でも力がない人でもゴミ収集員ができるのであればちょっと経験したくなってくる。そのくらい不思議なゴミやゴミ収集員が登場している。

そうやって笑わせつつも、本当に日本はこのままでいいのか?いやだめでしょ、と思う日本のゴミ収集現場の現状が書かれていた。


その他、なるほど!と思ったこと。
挨拶最強説。

ゴミ収集員には、理不尽極まりないクレームがくることが日常茶飯事だが、クレームを未然に防ぐ方法として、挨拶やちょっとした会話を心掛けているらしい。挨拶や会話を交わした相手にはクレームをし辛くなるという心理をついてるんだそう。なるほど!実際に私がごみ収集員の方に会ったとき、すごい礼儀正しくてびっくりしたことがある。それにはこういう訳があったのか。

滝沢が、理不尽極まりないクレームをしている人を地獄でベロを抜かれ焼かれるだろうと予想していたが、私もどうかそうなって欲しいと切に願う。


ここで少し、滝沢のゴミ格言を一部紹介する。


ゴミは今現在や少し前の流行を反映する。
ゴミは生活の縮図。
ゴミだけは裏切らない。
金持ちはゴミが少ない。


ゴミは私たちの生活を反映している。

私達が排出したゴミは、家から出ればバイバイと記憶にすら残らないが、必ず世界のどこかで生きている。

燃やされて灰になっているのだろうか。
プラスチックや段ボールは再利用の原料になっているのだろうか。
はたまた、道端に落ちているのか、海に流れ出ているかもしれない。


ゴミは、私達が「要らない」と思ったときにゴミになる。

それならなぜ、「要らない」もの「要らなくなる」ものを手に入れるのだろうか。

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