臓器も骨髄も角膜も血液も～23歳　一人暮らしの条件はこれだ！～

■23歳

さて、高校を卒業して、東京の大学に進学するため上京してきたわたくし。
まずは、大学の寮生活を２年間。ここはなかなかの軍隊であった。

霊に憑りつかれたり、こわ～い体験もした。

その後、初めての一人暮らしをした小田急線梅が丘駅徒歩１分の好条件のマンションでは、静かなのにうるさいと怒鳴る隣人や、ラジオが勝手になる現象などそこでもなかなかファンキーな経験をした。

就職するにあたり、また新たに一人暮らし物件を探すことになった。
皆さんの譲れない条件は何ですか？
「怪奇現象が起きないところ」というのは最低限の条件として、
他にあげられるのは、どんなもんか。
私はみんなの意見を参考にして以下をあげてみた。

１，駅から徒歩５分以内
２，バストイレ別
３，家賃￥70,000以内

まずはこんなもんだろうか。
その他に譲れない条件として、以前も書かせていただいたが、私はケンタッキーが大好きである。ゆえに、

★ケンタッキーを持ち帰っても冷めない距離

欲を言えば

★こじゃれた花屋が近くにある

というのも付け加えたい。

まぁ探せばありそうなもんだが、これを自由が丘で探そうと思っているところに問題があるのだ。
そもそもなぜにそんなおしゃれエリアで。
だって、住んでみたいじゃないか「自由が丘」。

おしゃれよね～「自由が丘」

さすがに自由が丘でその条件だと難しい。
お隣の駅の「奥沢」ならどうだ。
しかし「奥沢」は高級住宅街らしい。
ヒムロックが住んでいるんじゃないかって噂もあったくらいの「奥沢」

でも、あきらめないわ！
無理くり探してみる。
不動産屋でねばりにねばって、出してもらったよ！

・奥沢駅から徒歩1分
・１K　￥68,000
・バストイレ別
・ケンタッキーまで2分
・花屋まで2分
・築10年

こんな好条件の物件があるだろうか。

不動産の担当者は
「オートロックではないのと、
洗濯機が室外になっちゃうんですよ」

そんなことはもうどうでもいいレベルな気がしてきた。
しかも女性専用アパートとのこと。

「見に行きます！見に行きます！」

不動産から目と鼻の先にある、その物件をさっそく見に行くことに。

「フラワーハイム」

と書かれたアパートが
まったくその名とは違うたたずまいでそこにあった。
ふっる！！
地味！！

大家さんが
「女の子だけだし、フラワーハイムって名前にちなんで」
と、ポストの上にお花の植木を置いてくれているという。

泣ける。。。
泣かせるじゃないか。

「ここに決めます！」

と言うわけで、ここに決定！

ここでは怪奇現象は起きないでくれよ。
と、思っていたが、ここでもまた一つ事件は起こった。

ある日、仕事から帰った私は普通に夕食を食べ
トイレに入ろうとしたら

鍵がかかっていたのである。

「あ、ごめんなさぁ～い」

とリビングに戻り、テレビを見ていたが。

ん？

え？

どちら様？？？？！！！

大パニーーーーーーック！！！！！！！！！

これはもう、

「強盗が私の留守の間に部屋を荒らそうと思ったら
私がうっかり帰ってきてしまったので、焦ってトイレに隠れたパターン」

しか思い浮かばない！！！！
もう、そうとしか考えられない！！！！

仕方ない、トイレの前を通り過ぎながら私は言った。

「私は何も見てませんよ～
私はちょっと出かけてきますねぇ～
その間に逃げてください～
私は何も知りませんよぉ～」

と、トイレに向かって声をかけ、玄関からそっと出た。

何分だっただろうか。
もう逃げられたはずだ。

強盗よ、無事に逃げていておくれ。

しかし、さすがにわたしも女の子。
一人で帰る勇気はないので、お隣のお嬢ちゃんに声をかける。
ここは女子専用アパート、お隣ももちろん女子である。
彼女はCAになりたいすてき女子。

一緒に私の部屋に行き、トイレに向かって
「もういませんかぁ～？
開けてもいいですかぁ～？」
と二人で声をかける。

しーん

「出て行ったみたい！！」

2人で手を取り喜びながら、ドアを開けてみる！

開かない・・・

え？

こ、これは、まさか、、、！？

そう

「強盗が私の留守の間に部屋を荒らそうと思ったら
私がうっかり帰ってきてしまったので、焦ってトイレに隠れたパターン」

ではなく

「鍵が勝手にしまっちゃうパターン」

の方だったのだ！！

その後二人でなんとか鍵をこじ開け無事にオープンザドアに成功。
今後はドアを開けたまま使用することを誓った日。

いやぁ～、一人暮らしっていろいろありますね。