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【高校数学】和分・差分と微分・積分

高校数学の微分・積分の理解を、
大学数学の入口として理解してみよう。

1.はじめに:本質を理解する

高校の数学の教科書を
じっくり読んだことがあるだろうか?

教科書として甘く見ていると、
凄く凝縮された本質的内容がサラッと書かれている

数学という教科の性質上、
教科書では
定理、定義、公式の説明や証明に紙面の多くが割かれている。

数学を理解するには、
定理、定義、公式の理解が必要である。

たしかに、
いきなりこの本質を理解するのはしばしば困難で、
問題をある程度こなして慣れた後に
本質が初めてしっくり理解できることも多い

Quantity makes quality.

どちらを先に習得すべきか、
それはどちらでも良いのだが、
いずれにせよ、本質の理解は重要である。


2.微分・積分の簡単な公式を復習

微分とは「微小な変化に分ける」ことで、
積分とは「微小な変化を集積する」ことである。

微分と積分は反対の作業である。
例えば、x の2乗を微分すると、

図2

逆に、x を積分すると、

図7

というのは、習えば簡単であるが、
この式を導けるかどうかが重要なのである。


3.微分・積分のよくある誤解:線分を集めても面積にはならない

微分では、
「曲線を微分すると傾きになる」
「面積を微分すると線分になる」
「体積を微分すると面積になる」

積分では
「線分を積分すると面積になる」
「面積を積分すると体積になる」

計算上はあたかもそうなっているのであるが、
これは全くの誤りである。

線分は幅が「0」なので、
「0」をいくらかき集めても「0」であり、
面積にはなり得ない。

面積は厚さが「0」なので、
「0」をいくらかき集めても「0」であり、
体積にはなり得ない。


4.微分・積分の本質とは:微小変化で捉える

教科書を参照してもらえば分かるが、
そもそも dx や dy とは単なる記号ではない

目に見えるような差を表すとき、
Δx Δy と表すが、
これは差であり、
「微小な長さ・距離・変化」を示している。

Δx や Δy が限りなく「0」に近づくときに、

図8

と表現しているので、
dx や dy も「微小な長さ・距離・変化」なのである。

図7

この式における

図9

とは、縦「x」、横「dx」の微小面積を示しているのである。

画像6

この四角形の縦軸の高さが y=x で、横幅が Δx であり、
Δx を極限まで「0」に近づけたときに dx と表現する

画像7

教科書でよくみる図であろう。
微小面積「x Δx」を足し合わせていくと、
「y=x」の下にできる三角形の面積に近似できる
という図。

この目に見える足し算の作業を「和分」という。

で、Δx を限りなく「0」に近づければ、
三角形の面積に行き着くとうことである。
理論的には行き着かないのだが、
「極限」という考え方から行き着くのである。

図7

それがこの「積分」の式の表すところである。

画像9

なお、単純な三角形の面積を求める式でも、
(底辺)×(高さ)÷2で、

図10

であることが分かる。


5.微分・積分と和分・差分の関係:加減乗除の”ような”もの

差分とは Δx と Δy で表される変化(引き算)である。
微分とは dx と dy で表される極限に「0」に近づけた微小変化であり、
比=割り算の”ような”ものである。

和分とは Δx と Δy で表される変化(足し算)である。
積分とは dx と dy で表される微小変化の集合であり、
無限足し算=かけ算の”ような”ものである。


6.Wikipedia での記載をみてみよう

以上を理解した上で、Wikipedia に記載されている和分・差分の項目を読んでみてほしい。少し難しい言葉で書かれているが、内容は概ね同じである。そして、高校の教科書の内容も、難解な用語は使われていなくても、同じことが書かれてあるのである。

(以下、Wikipedia からの引用 2020年11月12日時点)

よく知られた連続的な微分法は

画像11

で定義される微分作用素 D に基づくのに対し、離散的な差分法は

画像12

で定義される差分作用素 Δ に基づく。

逆演算は、連続的な微分積分学における不定積分に対応するものとして、離散的な不定和分 ∑f(x) が差分作用素に対して

画像13

を満足するものとして定義される。ただし、δ は連続的な微分積分学における D に対する d と同様の意味で(ここでは)Δ に対する符牒である。また C は整数 x に対して定数となるような任意の函数 (C(x + 1) = C(x)) とする。

定積分に相当する定和分は、上の限界を固定しない通常の和 F(x) を用いれば

画像14

なる関係にある。

(引用おわり)


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