米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿103
米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第103回を全文無料で皆さまにお届けします。
第102回から続く
リセッションにつきましては、その定義や認定のタイミング等についても過去の寄稿やスペースでで触れてきました。直近では、第90回の寄稿などをご参照頂けましたら。
僕は、これまで述べてきました通り、モルガンスタンレーのチーフ・ストラテジスト、マイケル・ウィルソンさんと目線を合わせております。特に企業利益に関する見方についてです。
ゴールドマンのチーフ・エコノミスト、ヤン・ハチウス氏は、昨年来、今年のリセッション確率を35%と述べておいででした。今年につきましては、リセッションを回避して、ソフトランディングのシナリオを現在採用されておられるのですね。そのヤン・ハチウス氏らエコノミストチームの見方を受けて、ストラテジストチームのS&P500に対する予想ですね。僕は、貴重なご意見として拝聴致しております。
Carl Quintanillaさんがシェアしてくださったツィートと図表です。
引用~「ゴールドマンは、ソフトランディングのシナリオ採用という事のようですね。向こう3か月のS&P500のターゲット3600から4000に引き上げたとの事です。高いところで近々、4250を見ているようです。昨今のラリーにもかかわらず、アメリカ株についてのアップサイドには限りがあるとお考えとの事です。年末のターゲットを4000に置いておられますが、年末に、そのターゲット以上で終わる見込みはないと見られておられるようです。」
ご意見から、アップサイドに限りがあるのであれば、僕は、基本まず、下方向を見つめておくことにします。
昨秋の事ですが、第3回と第14回の寄稿で、スタグフレーションという言葉に触れて、第14回の寄稿では、スティーブ H. ハンケ氏のすごく興味深い挿絵とコメントを引用させて頂きました。スティーブ H. ハンケ氏は、レーガン政権時レーガン大統領に仕え、現在は、ジョンズ ホプキンス大学の応用経済学教授です。ご自身、現在もフォレックスと商品のトレーダーでもあります。
お金刷る事と貨幣の流通速度
この寄稿では、しつこくこびりついたインフレという事にも過去に機会あるごとに触れてきました。
昨今、アメリカの複数の専門家の方が口々に、お金刷る事と貨幣の流通速度について触れています。その中で、ゴードン・ジョンソンがシェアしてくださったチャートが一番見やすいので、ゴードン・ジョンソンさんのツィートとチャートを、引用させて頂きます。
引用のその前に、サクッと僕からご説明しますと。
*Money Velocity~貨幣の流通速度(V):貨幣交換の速度はインフレを決定する変数のひとつです。貨幣の流通速度の尺度は、通常、国民総生産と国の貨幣供給の比率です。貨幣の流通速度(V)とは、貨幣が「名目国民所得を生み出す経済取引」を媒介するために、一定期間に流通しなければならない回転数のことです。
引用~
ゴードン・ジョンソンさんがおっしゃっておられるのは、引用~「過去の(10年くらいに及ぶ)無謀ともいえる貨幣印刷により、FRBは印刷された(いっぱい刷ったお金)通貨の大洪水を解き放つために、通貨流通速度の低下を利用し、その低下の恩恵をこうむってきました。しかしながら、貨幣の流通速度(V)、その速度が再び上昇する(速くなる)につれて、長期的に”ねばねばべとつくようにこびりついた”インフレは避けられない結果になるでしょうね」
今日ここで述べていることは、悲観や弱気を煽って、こうなりますよ言う事を述べているのでは全くありません。今ここで、頭に入れておいても良さそうな今後のリスク要因について、とりあげ、述べています。この事は、あくまで、ご参考までにですが、頭に入れておいて損はないかなあと思う事です。
現在、「これは新しいブル・マーケットのはじまりだあ~イェイ!」という人と、
ベアー・マーケット、下降トレンドの中にまだあって、当然、その中で起こるベアー・マーケット・ラリーを目にしているという人がいます。
僕は、後者、「ベアー・マーケット、下降トレンドの中にまだあって、当然、その中で起こるベアー・マーケット・ラリーを目にしている」です。
弱気相場は終わっていないとヘッジファンドに警告―エリオット創業者
ブルームバーグ記事を引用させて頂きます。
「弱気相場は終わっていないとヘッジファンドに警告―エリオット創業者」
この報道の中にあります通り、エリオットの創業者さんがお述べておられる~引用~「10年余りにわたる積極的な金融・財政政策の巻き戻しは1年ではできないと同氏は述べたという」。
僕もそういう風(巻き戻しの時)にずっと思っているのですけれど。それを表現する時に、やはり、その10年余りにわたる積極的な金融・財政政策、そして、その時も、今も、イエレン財務長官(当時FRB議長)の存在は大きいなあと思うのですねぇ~。
Reformed TraAderさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。
このチャート上に描かれている水色部分に対して、下降トレンドというイメージを持ってマーケットを見ています。よく一般的に、市場が大幅上昇したり、抵抗線を上に抜けたりすると、すぐにそれに飛びつくように「ブルマーケットだあ」と言いますが、それは時と場合によります。
どのような金融政策下で、どのようなトレンドの中にあるのかという事が大事です。過去には、長く続くベアーマーケットの中で、その中で、極端な例に触れますと、大幅上昇したベアーマーケットラリーのケースもあったわけです。そういったことを、過去の歴史を用いて、そのデータとともに、議論として取り上げるアメリカの投資家やアナリストに対して、今度は、「過去と今を比較するな~。比較なんてできないィ~。現代はもう既に過去とは違う。無意味だあ~。それはブルマーケットなんだあ~」と即座に反論、激論、おっしゃる方もいらして。議論にキリがありせん。(笑)「ああ言えば、こう言う」の世界です。(笑)僕は、まあ、全体的なトレンドを、自分の考えとして、把握できればそれでいいかなあと思っています。(笑)自分の立ち位置確認の意味も含めてです。
エリオット・ウェーブ
僕は、この使い手ではありません(笑)。エリオット・ウェーブも独自のモデルと併せて一緒に駆使して、投資戦略を立てたウォール街の大御所と呼ばれた人と頻繁に仕事をさせて頂いた事はあります。以前の寄稿でエリオット・ウェーブを持ち出すことなく、その人を取り上げたことがあります。
エリオット・ウェーブにつきましては、どうぞ、ウィキペディアやその説明をご覧になってください。
僕がこの寄稿で引用させて頂くチャート等の中で、それを提供、シェアしてくださっている人達の中に、「この人、ものすごくエリオット・ウェーブを理解している・エリオット・ウェーブに傾斜している」と強く感じる人もいます。
一般的に、エリオット・ウェーブ論者は、これからの下降を予測してるようだと現時点で僕は解釈しています。しかし、これはあくまで、僕にとっては、参考にさせて頂いているという範囲の事です。僕は、Earnings Recession(企業利益のリセッション)の方により注目しています。
アメリカでそうですが。日々のデー・トレーダーさんと、たとえば、このエリオット・ウェーブにしても、投資銀行のストラテジストさんのコメントにしても、時間軸が異なります。僕には、日々のデー・トレーダーさんの事は分かりません。そもそも投資銀行のストラテジストが日々の株式市場の動きに対して事細かにコメントしているのを、ほとんど、見た事も聞いた事もありません。自分は、アメリカ株投資におけるデー・トレーダーなのか、短期トレーダーなのか、月次単位で物事を見ている人なのか、それとも、(ざっくり、ごく短期:3か月、短期:3か月~6か月、中期:6か月~1年、長期:1年以上)そういう時間軸で考えている投資家なのか、それぞれのお立場、お立場によって、おのずと、聞くコメントも、合わせる目線も、異なるものだと思っております。僕の場合は、トレーダーという事ではなくて、アメリカ株投資という観点からマーケットを見ていますので、最初の頃の寄稿で述べましたが、時間軸は、ある程度は長いです。
過去の寄稿で、「QT(量的引き締め)とQE(量的緩和)とのconflation(合成・融合)」について述べました。
週末に元FRBのエコノミストだった方のコメントを聴いておりましたら。
「QT(量的引き締め)は銀行のバランスシートのキャパシティ(容量・能力)を枯渇させる。”イエレンが緊急措置を展開する中、”TGA(Treasury General Account・トレジャリー一般勘定)の縮小により、”システム全体の流動性が高まる。”その一方で、”CREDIT CREATION・信用創造”は”ますます損なわれている”」
上記は、これまでこの寄稿で述べて来た、イエレンさんの力仕事を別の角度から見たときのコメントです。
これに関しましては、第88回の寄稿からです。
Gordon Johnsonさん~引用~【米国の大規模な金融刺激策】です
「2023 年 1 月 11 日現在の過去 1 週間で、米国株市場 流動性の 3 つの主要なドライバーを見ると (すなわち、FRB バランスシート + トレジャリー一般勘定 ["TGA"] + リバース レポバランス(残高) ["RRP"])、FRB はそのバランスシートを12億ドル増やしたわけです。イエレン財務長官は、トレジャリー一般勘定 ["TGA"] バランス(残高)を513億ドルも大幅に縮小しました(つまり、トレジャリー一般勘定 ["TGA"] バランス(残高)が下がるとイエレン財務長官はオープンマーケット で債券を購入しているという事です。(それゆえ、システムに新規に資金が注入されているわけです)、そして、リバース レポバランス(残高) ["RRP"}が 2,112 億ドル大幅に下落しました。 (これはオープンマーケット [つまり、株式/住宅] に直接注入された流動性です)、正味流動性注入金額は、+2,636 億ドルでした。
2020 年 4 月 8 日の無謀とも言えたCOVIDパンデミック刺激週間以来、FRB が保有する銀行準備金の週ごとの変化を見ると、2023 年 1 月 11 日の週の時点で、+2511 億ドルという 7 日間で最大の増加が見られました」~略~別途~「前回、トレジャリー一般勘定 ["TGA"]が伸びた時、株は激しく売られました」~引用終
イエレンさんの力仕事で、システムに新規に資金が注入され、システム全体の流動性は高まる。その一方で、”CREDIT CREATION・信用創造”は”ますます損なわれている”という事です。
以前の寄稿で述べましたが、マーケットものとクレッジットもの。
マーケットとクレジット(与信)という事です。それぞれ別です。
そして、それぞれ、プロのエコノミストの視点、マーケットの反応という観点から見ています。
まあ、なんのかんの言いながら、Earnings Recession(企業利益のリセッション)をマーケットが織り込む事を、僕は、待っています。
イエレンさんって、たとえば、バブルの作り方、バブル崩壊後のその処理の仕方などから始まって、経済再生、なにからなにまで、入り口から出口まで、全て知りつくされた、免許皆伝をはるかに超えたお方ですから。
そのイエレンさんとマーケットを見ています。
FRBの道筋につきましては、直近の寄稿で述べました。おおかた、その道筋にそって行くでしょうから。今後発表される経済指標に立て続けに大きな変化が見られ、データ重視のFRBとしてその金融政策に大きな変化が見られそうという事でもない限り、おおかたその道筋なんだろうなあと、今は思っています。僕はFRBの言う事を素直に聞いています。
ですから、僕は、今、FRB云々という事ももちろん大切ですが、やはり、イエレンさんとマーケットですね。
マーケットに対して、僕が思っているのは、これまで業績に絡めて述べてきました通り、コーポレート・アメリカの向こう一時、しばらくの間の不調(Earnings Recession・企業利益のリセッション)をいつ織り込むんですか?何をきっかけに織り込むんですか?CPIの発表(2月14日)ですか?とか思いながら見ています。(笑)
FRBのカレンダーなどを見ておりますと、今日2月7日(12:40 p.m.米東部時間)(日本時間2月8日午前2時40分)ディスカッション(討論)形式で、パウエル議長がお話になります。Discussion -- Chair Jerome H. Powell
Conversation with David Rubenstein, Chairman of the Economic Club of Washington, D.C.
At the Discussion with Chair Jerome H. Powell at the Economic Club of Washington, D.C.
これは、「始まりですね」という事で、「フェデラル・ファンド・レート・政策金利の方か、コアPCE(米個人消費支出)より高くなってきましたよ。という事を表してくれているMarkets & Mayhemさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。インフレ抑制、まずは、ここからかと思いながら見ております。
個人投資家、全体の出来高の23%を占めた
最近の寄稿で、個人投資家がマーケットに戻っ来ているという事を述べました。
それについて、また別途、Andrew Hiesingerさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。
引用~「JPMorgan Chase & Co.JPモルガン・チェースによりますと、個人投資家さんが、1月下旬、株とETF(Exchange Traded Funds・株価指数など指標への連動を目指す投資信託)において、全体の出来高の23%を占めたという事で。この水準は、2021年ミーム銘柄が取りざたされたブームの時の同22%を上回っているという事です。」
話しが全然違いますけど。(笑)
もう使い古された言葉で、「スローガン」と「アジェンダ」ってあるじゃないですか。政治家が、短いフレーズ、伝わりやすい言葉で、みんなに伝わるように、スローガンを述べて、そのスローガンのもと、実務者が実務・アジェンダを行うという。まあ、日本で言うなれば、スローガンは、例えば昔、「郵政民営化!」、そして、それに関するアジェンダを実務者が執り行うという。
まあ、何の世界でもそうですが、実務者の人達は、論理だて、根拠を並べ、理論的根拠に基づいて、物事や事象を理路整然とご説明なさって。素晴らしいのですが。ただ、世の中で、話し手によっては「たぶん、すごく良い事いってんだろうなあ。でも、なんか伝わってこないなあ。小理屈とか、上から目線とか、大きく見せたいとかが邪魔して」と感じる事も、時に、僕の場合はあります。まあ、早い話は、そういう場合においては、それを察した時点で、あまり聞く気がしなくなったりという事ですね(笑)。
たとえば、リセッション・景気後退について。ソフトランディング(軟着陸)と比較したりしながら、そりゃあ、もう、言うまでもなく、ソフトランディングであれ、リセッションであれ、いっぱい、論理だった、ご意見がちまたにはあります。
この寄稿でもすでに述べましたが、上記のような事から考えると、僕の場合はですが、いっぱいの説明は説明でそれはそれでありがたいのですが。やっぱ、グリーンスパン元FRB議長が、今年初め、リセッション(景気後退)、most likely(そうなるだろうねと言う確率が高い)とおっしゃっていたことを聞き逃すことはありません。心の中で、かつての寄稿でも述べましたが、「彼(グリーンスパン氏)がそういうなら、そうなんじゃないの」とあっさり(笑)思ってしまう自分がいます。(笑)まあ、グリーンスパン元FRB議長というのは僕にとってはそれくらいのお方です。
イエレンさんにおかれましても、グリーンスパン元FRB議長をず~っと見て来たでしょうから。そういう意味を含めて、前述しました。「イエレンさんって、たとえば、バブルの作り方、バブル崩壊後のその処理の仕方などから始まって、経済再生、なにからなにまで、入り口から出口まで、全て知りつくされた、免許皆伝をはるかに超えたお方ですから。」
リセッションなのか、ソフトランディングなのか、よく見てみましょう。僕は、前回や過去の寄稿でも述べましたが。金利の引き締め最終局面が近づいてくると、ソフトランディング(軟着陸)という事は、過去の例を見ても往々にして織り込まれるわけです。
僕の記憶では、そうして織り込んで行って本当にソフトランディングになったのは、1994年~1995年のグリーンスパン元FRB議長のマエストロ、妙技のみでした。僕は、企業利益とバリュエーション(金利を最速のペースで引き上げてきた、それを続けている局面ですからバリュエーションも縮小するでしょう)というところを見ています。
リセッションという言葉そのものについては、定義上の事がありますから。この寄稿で述べましたが、その定義のひとつ「実質GDPの成長率が2四半期連続してマイナス」。この状態になっても、その状態のその時、イエレン財務長官は、「これは(この状態は)、リセッションとは呼べない」と昨年おっしゃっておられましたから。以来、ものは言いようなんだなあ(笑)と再認識しながら。イエレン財務長官の大きなお力に敬意を表しております。イエレン財務長官のおっしゃられる通りなんであろうと推察は致しております、ハイ(笑)。
この時何を思ったかと言うと、全く関係ないですが(笑)。
ふと頭の中で思ったのは、日本で言うところの、自由民主党結党による保守合同を成し遂げた日本の政治家、「策士」、鳩山一郎の盟友であった、「三木武吉」です。
三木武吉が言ったとされる、「嘘も誠心誠意つけば、本当になる」。
イエレンさんがウソを言っているという意味では全くありません。中間選挙前でしたから。ただ、政治家というのはそういう事も必要だなあとは思います。だから、僕は、この寄稿で、イエレンさんを大政治家と呼んでいたのです。(笑)
イエレンさんと三木武吉を同じ土俵で語るつもりも全くありません。
False equivalences(誤った等価関係)を作るつもりはありません。
僕の頭の中でのイメージについて、その時ふと思ったことを、包み隠さず述べているだけです。(笑)
過去の寄稿で述べた通り、一般市民の僕は、当時、「これ、アメリカ、リセッションじゃん。これがリセッションじゃなかったら、何がリセッションなの?」くらいの感覚でいましたから(笑)。
アメリカの今~”pronoun”代名詞の使用のしかたにこだわっています。
これまで述べてきましたマーケットの動きを待っている間、こんなところに、別途注目しています(笑)。
アメリカの著名人の方が、昨日、また、これをご指摘されておらるのを目にしましたので、再度(笑)。これが指摘されて久しいですし、近年、アメリカにおけるひとつのテーマだと思うくらいです~”pronoun”代名詞の使用のしかた~。
しょっちゅう、ご指摘を目にしているような感覚です(笑)。
トランプのように、「”私だけ”が分かっている。”私”だけが修正できる。”みんな”間違う」とか。(笑)ず~っと、そういう、アメリカでは明らかにアホと言われて久しい、その口調で、話を聞かされ続けてきましたから(笑)。
アメリカの知識人の間で、よく指摘されることは、こういう”pronoun”代名詞の使用のしかた、特にこの過去数年以上にわたって、指摘され続けてきたことです。スピーチ、発言、コメント、話し方、書き方(トランプさんは書きはしませんけど(笑))。
僕は、アメリカの他人様のコメントを読む時、この”pronoun”代名詞の使用のしかたに大変こだわっています。僕が最も尊敬しているアメリカの著名人の方(法曹界の重鎮で僕と同世代の人)から学ばせて頂いていると思っています。(笑)(この方については、僕が勝手に尊敬しているだけで、お会いした事もありませんし、テレビでよく拝見するくらいで、直接知っているという事ではありません。(笑))
余談ですが。アメリカに数多く著名人や卓越した優秀な法律家の方はいらっしゃいますが。この人こそ、「私は、こうだあ~」と大手を振って言っても、良いくらいの、それほどの法律家だと思うのですが。アメリカでは押しも押されもせぬ、セレブリティであり、オピニオンリーダーであることは間違いないと思います。明確にいつもご意見は述べますが、でも、決してそういう、上から目線の物言いをしないんです。代わりに、必ず、自分以外のところから、法律の文章ですとか、そもそもの例などの引用を、サ~っと、謙虚に持って来てくださって。すごく具体的に、すごくわかりやすく、さらりと、一目瞭然の形で、示し続けてくれて、法律の事を教えてくれます。結果として、それから時間が経って、あとになって見て、あ~そうなんだなあと思ったことも多くて。感謝し続けて来ました。
いっぽうで、著名法律家の方でも、以前にこの寄稿で述べましたが、すごく、ストレートに、たとえば、ガーランド司法長官をご批判なさったりという方もいます。ただ、「言葉が激しすぎて」(笑)。聴き手、読み手、の僕からすると、一回聞けば、”貴殿のご意見”についてはわかりました。もう、いっとき、No, thank you.(聞かなくて)いいですわ~という感じになってしまい、おのずと、遠ざかってしまいます。ちょっと(批判が激しくて)暑苦しいというか。「ただ、ガーランド司法長官と同じ学び舎(ハーバード・ロー/ハーバード大学法科大学院)で学び、その社会的お立場から、司法長官にプレッシャーをかける事も大切であることは、僕もわかっています。事が起こってから、もう2年以上経過していますのと。細かい案件につきましては、案件ごとに、Statute of limitations(時効)の問題がありますので、それを十分意識されておられることも理解はしています。」
その点、僕が尊敬してやまないこの方は、そこの表現が、違うんですよね~。自分を出し過ぎることなく、涼しい感じです。清涼感があります(笑)。だから、すごく尊敬しています。
これは一般的な話ですが「立派”風”な事述べてる前に、まず、足元、”pronoun”代名詞の使用のしかたから改善した方が良い」というノリです。昨日も、一般的に、米著名人からの明確なそういうご指摘を、目にしましたので、ここでまた、とりあげています。これは、まさに、”今のアメリカ”にとって、とっても大切な部分という感覚ですね。
コメントなどで、この使用法が安易で幼稚だと、たとえば、この寄稿で、トランプについて述べて来た「”みんな”はそれを知らない、でも”私”にはそれが何か、わかっている」とか「”みんな”それを知らない、”みんな”間違う」とか。
まず、内容が云々以前に、うんざりするというコメントを、それはもう、よく耳にします。別に、この現代、2023年にそんなトランプみたいなコメント読まなくたって、聞かなくたってという感覚が強くあるのだろうと推察しています。
この点は、僕にとっても、すごく大切なポイントです。トランプみたいな人、ず~っと見続けて来て、分野を問わず、率直に同様の感想を持っています。(笑)
1980年代後半、ニューヨークに行くと、昔は結構いたのです。「”私達”はすごい。ピカイチだ。”私達”こそ最高なのだ。どうだ、ビジネスしたいか?」という、まず先に自己自慢がたくさん出て来て、そして、上から目線{condescending (patronizing)attitude}丸出しのタイプの方々も。でも、結構、そういう風潮が、時と共に、淘汰されて行って。90年代に入ってから、その部分は、ビジネス界でも、ずいぶん変わった、様変わりしたと思います。そこから現代に至って。
トランプって、”私”がだけの人と言われて久しいですが、時代とか、変化とか、な~んにも関係なくて(笑)。時が止まったままとかというのも通り超えて、いつの時も、関係あるのは”私”(トランプ自身)だけ(笑)。トランプ氏が、ウォール街からそっぽ向かれ、ほとんど相手にされなくなったと世間で言われ始めたのも、1990年代初頭です。過去の寄稿で述べた通りです。
こういう意味において、自分のニューヨークにおける実体験から、僕はこの寄稿で、トランプ氏は、”すごく古い”という表現を使用してきました。なんとなく縁起が悪そう~な感じもして、道を歩く時に、トランプタワーを避けて、自分が実際に歩く道を決めていたくらいですから。(笑)
まあ、僕の場合は、こういうビジネス界の変化とか、ちょこっと見ながら、謙虚でいたいなあとは思います。アメリカの面白いジョークを言ってくださる人達が使用する、(ストレートではない)隠喩や暗喩、風刺を楽しみながらというところです。僕は、アメリカの方のコメントを聴いたり、読んだりする時に、まずは、その人達の”pronoun”代名詞の使用のしかたを見ていますという感じです。(笑)それを、”アメリカの今”、だと、ひとつ、解釈しています。
トランプは、三木武吉と違って、ウソを誠心誠意つくとか考えたこともないでしょうね。(笑)lie after lie after lie.....嘘からウソ、ウソ、ウソ、ウソ。トランプは、 pathological liar(虚言癖・病的な嘘つき)を超えた嘘つきですからね。(笑)
この週末、一番興味深かったのは、米日曜日のCBS, 60 Minutesという番組に、トランプ氏およびトランプ氏の会社・トランプ・オーガニゼーションを捜査した、Mark Pomerantz(マーク・ポメランツ)氏がご出演なさり、「トランプの(ビジネス)帝国は、”ウソ”で築かれたものだ」と明言されておられた事ですね。
Mark Pomerantz(マーク・ポメランツ)氏につきましては、過去の寄稿で触れさせて頂きました。近日中に、本を出版なさるという事で、それを読むことを、僕は、大変楽しみにしております。
かつて、ニューヨーク・タイムズ紙からの引用~”One of the senior Manhattan prosecutors who investigated Donald J. Trump believed that the former president was “guilty of numerous felony violations” and that it was “a grave failure of justice” not to hold him accountable, according to a copy of his resignation letter.”
このように、かつて、その辞表に(a grave failure of justice)~(トランプを起訴しないという事は)“a grave failure of justice” (司法・正義の重大な過ち・失敗)と記された方です。今でもこの通りに信じて、そう思っていると今回のインタビューでも、ポメランツ氏はおっしゃっておられました。
今、この捜査を、ニューヨーク州司法長官レティシア・ジェームス氏が引き継ぐ形になっております。ですから、僕は、この寄稿で述べてきました通り、まずは、ジョージア州、そして、ニューヨーク州、そして、ジャック・スミス特別検察官が現在行っている連邦捜査(ホワイトハウスからの機密情報持ち出し事件と1月6日議事堂襲撃事件の捜査)に注目しています。
下記は、ニューヨーク・タイムズ紙からの引用ですが、ポメランツ氏が近日中に出版される本にこう書かれているそうです。
「Mr. Pomerantz, a prominent litigator who has prosecuted and defended organized crime cases, writes of Mr. Trump. “In my career as a lawyer, I had encountered only one other person who touched all of these bases: John Gotti, the head of the Gambino organized crime family.”」
引用~「卓越・傑出した訴訟にかかわる関係者であったポメランツ氏は、氏(私)のキャリアの中でトランプ氏について、あらゆる面でトランプ氏に酷似したケースにかつて”1人だけ”(トランプ氏以外で)遭遇した事がある。それは、John Gotti(ジョン・ゴッティ)だ。ガンビーノ・オーガナイズド・クライム・ファミリー(マフィア)のボス」
*ジョン・ゴッティ~アメリカ・ニューヨークのマフィア組織「5大ファミリー」の一つ、「ガンビーノ一家」のボス。裁判で有罪になるのですが、弁護士のロイ・コーンによって、3年で釈放されたわけです。このロイ・コーン氏こそ、トランプ氏のメンター(師匠)と言われている人物です。ロイ・コーン氏には、この寄稿でも触れてきました。deny, deny, deny. (否定、否定、否定)という事、一切何をも認めない事を、トランプ氏に教えたと言われている人、ロイ・コーン氏です。
映画のゴッドファーザー PART IIIで、ジョーイ・ザザのモデルが、このジョン・ゴッティであったと言われています。
もう、ポメランツ氏の本の出版を待ちきれません。
ニューヨークで仕事する人達、ニューヨーク近郊に住んでいる人達と一緒に仕事したり、ご飯を食べに行ったりしていると、それなりに、機会ある折には、様々な噂話は耳にしてきました。噂話にすぎませんので、その真偽が定かではありませんから、ここで触れる事は控えます。(笑)
本来そうであってはならないのですが。2つのスタンダード(基準)。
やはり、社会的にすごく高い地位にある人に適用される法律と一般の人に適用される法律と2つのスタンダードがあるのではないかと、これまで何度もアメリカで話題になってきましたが。本来は、「No one is above the law. なんびとも法の上にあらず」なのですけれど。やはり、この点もポイントだと思いながら、今は、見ています。
さて、最近は、金融事に限らず、幅広く、サクッと、アメリカの方々が主催するスペースに参加したりしています。一緒に学ぼう、一緒に成長して行こう、Stronger Together(一緒に強くあろう)という主旨のスペースへの参加です。皆さん、サポーティブです(助け合おうという姿勢がありありと見て取れます)。
自分のスペースは、最近していません(笑)。
また、機会がございましたら、是非、よろしくお願い致します。(笑顔)
同じような事、別の表現で何回述べても、読者・聴き手の方にとりましては、「それもう聞いたし」と思われることもおありになるかもしれません。これまで100回超の寄稿では、米経済、インフレ、アメリカの金融政策、株式市場について触れながら、アメリカの政治や歴史にも触れてきました。米投資銀行にあった考え方ですとか、また、最初の頃の寄稿では、ほんの少々、組織論などについても触れてみました。
今はまあ、自分が過去の寄稿やスペースで触れました、アメリカの株式市場やアメリカの司法において、自分が触れてきたことを、そうなるのか、どうなるのか、待っているモーメント(時)と認識しております、ハイ。(笑顔)
「trilogy」~3部作(アウトライヤー寄稿3部作)
僕のささやかな希望と致しましては、第100回までの寄稿や過去のスペースに併せまして、第101回の寄稿、週末、勢い余って書いた第102回の寄稿、そして、この第103回の寄稿を、いわゆる「trilogy」~3部作(アウトライヤー寄稿3部作)として、ご覧になって頂けましたらありがたく存じます。寄稿が100回を超えましたので、100回を超えてからは、まずは、3部作でと考えておりました。
第104回へ続く
最後に …
これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連スペース
11月27日 第1回スペース 2時間
12月18日 第2回スペース 2時間20分
12月22日 第3回スペース 12分間
12月24日 第4回スペース 20分間
12月30日 第5回スペース 20分間
2023年1月19日 第6回スペース 8分間
関連note
私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」
🍅🍅
弟子のNEOさんへ
アウトライヤーより。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
②投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません。
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。
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