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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿88

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第88回全文無料で皆さまにお届けします。

第87回から続く


ここのところ、この寄稿でイエレン財務長官に触れてきております。
まあ、一言で言うと、アメリカの金融、経済は、1にイエレン、2にイエレン、3,4が無くて、ということはないのでしょうが、そこは(ブレーナードさんとパウエルさん)で、5にイエレンさんなんでしょうねと思っています。
イエレン財務長官の力仕事。
そして、FRBブレーナード副議長とパウエル議長と。
イエレン財務長官が具体的にどんな力仕事をされておられるのか。
Gordon Johnsonさんがシェアしてくださいました引用からです。
先週までの米株市場の強烈なラリーmassive rally)という表現を用いて、その理由を明確に説明してくださいました。

米国の大規模な金融刺激策



Gordon Johnsonさん~引用~【米国の大規模な金融刺激策】です
「2023 年 1 月 11 日現在の過去 1 週間で、米国株市場 流動性の 3 つの主要なドライバーを見ると (すなわち、FRB バランスシート + トレジャリー一般勘定 ["TGA"] + リバース レポバランス(残高) ["RRP"])、FRB はそのバランスシートを12億ドル増やしたわけです。イエレン財務長官は、トレジャリー一般勘定 ["TGA"] バランス(残高)を513億ドルも大幅に縮小しました(つまり、トレジャリー一般勘定 ["TGA"] バランス(残高)が下がるとイエレン財務長官はオープンマーケット で債券を購入しているという事です。(それゆえ、システムに新規に資金が注入されているわけです)、そして、リバース レポバランス(残高) ["RRP"}が 2,112 億ドル大幅に下落しました。 (これはオープンマーケット [つまり、株式/住宅] に直接注入された流動性です)、正味流動性注入金額は、+2,636 億ドルでした。2020 年 4 月 8 日の無謀とも言えたCOVIDパンデミック刺激週間以来、FRB が保有する銀行準備金の週ごとの変化を見ると、2023 年 1 月 11 日の週の時点で、+2511 億ドルという 7 日間で最大の増加が見られました」~略~別途~「前回、トレジャリー一般勘定 ["TGA"]が伸びた時、株は激しく売られました」~引用終

この寄稿では、昨年来、イエレンさんの力仕事などとも述べて参りましたが、イエレンさんの力ってホント大きいですね。

金融状況の緩和については、Florian Kronawitterさんがシェアしてくださったこのツィートとチャートも引用寄稿させて頂きます。Florian Kronawitterさん~昨秋以降、明らかに金融状況は緩和していますね。~



それについて、つい先日のFRBの議事録では、
「第75回寄稿の冒頭で(ウォール・ストリート・ジャーナルのニック・ティミラオス氏の引用から)述べました通り~略~「「2月のFOMCで当局者がどの程度の利上げを望んでいるかについての議論はほとんどありませんでした。が、しかし、当局者は、正当な根拠のない”金融状況の緩和”が、FRBのインフレとの闘いを”複雑にする”可能性があるとの懸念を表明した」

そして、昨日引用したウォール・ストリート・ジャーナルのニック・ティミラオス氏がシェアしてくださったツィートとグラフをもう一度ここで引用させて頂きます。


70名のエコノミストを対象にしたウォール・ストリート・ジャーナルの調査
26名のエコノミストが6月末までにFFレート・政策金利4.75%から5%の間への上昇を見込んでいる
29名のエコノミストが5%から5.25%の間への政策金利上昇を見込んでいる
6名のエコノミストが5.25%から5.5%の間への政策金利上昇を見込んでいる

・これらの70名のエコノミストうち、
6名は今年下半期においてもFRBは金利を引き上げ続けると予想。
39名は2023年の下半期通して、FRBは引き上げた金利水準を維持し続けると予想。
31名は今年7月から12月の間での1回の金利引き下げ(期待)を予想

調査対象である70名のエコノミストのうち、一人を除いて全員が、2022年対比、今年2023年コア・PCE(個人消費支出)インフレーション下落を予想。
PCE(Personal Consumption Expenditure)
36名は2023年の末までにコアPCE3%から4%の間水準への下落を予想。
23名はコアPCE2%から3%の間水準への下落を予想
3名2%以下への下落予想
7名4%+の水準予想

今度はマーケットもう少し違う角度から見てみますと。
・今まで申し上げてきた事ですけれど、まずは、FRBが金利を引き上げている局面でベアー・マーケット(弱気相場)が終わるのか???今まだFRBは金利を引き上げている局面であると僕は認識しています。

違う尋ね方をしてみますと、
・このウォール・ストリート・ジャーナルの調査から見て取れますように、極めてザックリ言っても、5%水準の政策金利下で、新しいブルマーケット(強気相場)が始まって行って、それが継続するという事ですか???
僕は、"これまでは"と限定してですが、そういう事を経験したことがありません。
(もちろん、時に、マーケットは、行き過ぎになる事も往々にしてある事はある程度理解しています)

・金利、企業業績見通し2023年、2024年。業績予想ひとつとってみても、S&P500の1株当たり利益2023年でフラットないし1%くらい増益で、そこから引っ張って、2024年約10%増益予想。

・バリュエーションは、およそ22xくらいないし23xとか。(僕は、昨年からの最速ペースでの金利の引き上げ、そして金利を引き上げている局面ですから、バリューエーションは縮小するでしょと思っておりますが、、、???)

・「昨日引用させて頂いたMarkets & Mayhemさんの~{私達がこれまで見た中で、最も高価な「新しいブルマーケット」へようこそ。現在のシラーPE ratioは、29.24です。平均は17、中央値は15.91ですね}Markets & Mayhemさん~(ナレーター:全く新しい強気相場ではありませんでしたね、、、)とツィートされておられました。(笑)皮肉っぽくて、笑いを誘います。(笑)」という事も今一度。

・リセッションは回避。ソフトランディングシナリオ。
FRBは、金利を5%超に引き上げて、その後、時間を置かず、間髪を入れず、景気を刺激も損ねもしない中立金利水準約3%水準まで金利を下げる。そうせざるを得ない。FRBはPIVOT(政策転換)するとマーケットは考えているようで。

・伝統的な「60/40」、株に6割、債券4割のポートフォリオがワークする。
・株はどんどん上がる???
・僕~ホントですか???マジっすか???

繰り返しですが、イエレンさんは笑顔で「インフレ抑制にリセッションは必要ない」とおっしゃっておられました。

Wow!Just wow. 「バラ色」じゃんと見えますが、さてそこはどうでしょう???

僕なんて、ボンド(債券)スプレッド見ていると結構険しくもありそうなリセッションを示唆しているのかなあとか思ったりする事もあったりしたわけです。

不動産ファンド、資金流出に直面


これは英語版ブルームバーグ記事です。ちょっと読んでみますと。


見出し~
「投資家、コアの不動産ファンドから$20 Billion(約2兆6000億円)引き出そうとしている

それで、もうちょっとよく読んでみますと、「不動産価値の下落に伴い、ファンドマネージャーであるJPモルガンとモルガンスタンレー、投資家からの撤退要求に直面」となってましてね。「不動産価値の下落」ですとか「お金引き出し」ですとか「撤退要求」ですとかって言葉が目につくんですよね。
同様に一昨日、これとは別に、別の大手投資銀行の不動産ファンドも投資家が列をなして並んでいて資金流出に直面しているという報道も目にしたりしてます。

投資家さんが冬支度


それで、別のニュースソースで目にしたのは(ビジネスそのものの部署が全く異なる事は承知していますが)、JPモルガンさんは、米株式市場について、投資家さんに、ここは利食いをするところという事で、利食いをご推奨なさっておられたようですね。

僕には、投資家さんが冬支度をしているようにも見えたりもするわけです。昨日冒頭で引用したブルームバーグ記事「米国株のアンダーウェイト、2005年以来の大きさ―BofA調査」などを、実際の行動からある程度の時差を置いて後付けで読んでおりましてもです。

よく英語で、Fingers crossed on that!とかって言いますけど、「バラ色のシナリオで、(そうお考えになって)、買う、買い増すのであれば、それはそれで"幸運を祈ります"」という感じです。

これまで通り、何も変わらず、少なくとも、僕は、関わりませんし、関わりたくありません。それは、自分が、バラ色のロージー・シナリオに納得できていない事が理由です。




僕は一貫してそうなんですけど、なんだかどうも、このロジックには、結構無理があるような気がしてならないんですよね~。それについては、これまでこの寄稿で述べて来た通りです。何も変わっていません。ベアー・マーケット(弱気相場)の中にいて、ベアー・マーケットラリーは、それはある、という認識です。

市場がもつロジックには反論できるんですけど。前述のイエレン財務長官には、これはもう、太刀打ちできません。(笑)beyond me(私の範疇を超えております)です。(笑)


 ニューヨーク大学 ヌリエル・ルービニ教授


一昨日、ニューヨーク大学のNouriel Roubini教授ヌリエル・ルービニ教授・アメリカの経済学者)が、「そうそう簡単にインフレは収まらない。FRBが予想する以上だろう。優に5.25%以上の水準に金利を引き上げなければならなくなるだろうし、たぶんおそらく、ターミナルレート(政策金利の最終到達点)は6%を超えてくることになるのではないか」ともおっしゃっておられたとブルームバーグのリサ・アボラモビッツさんが述べておられました。然るべきアメリカの経済学者の間では、この点について様々な議論があると思います。

然るべき経済学者のご意見を、金融報道のプロの方が伝えてくださる事に感謝しております。
また、これの論点については、別途、ウォール街のプロ中のプロの方も一昨日同様の事をご指摘されておられました。
これまで述べてきました通り、
”より長く”ですとか、”より高く”という事もあり得ると思っています。

一昨日は、ニューヨーク・ダウは抵抗線のところ、3回目のチャレンジでしたが、
そこで、391ドル下落でした。
まあ、僕は僕の目線で見て行きます。
本日の寄稿とこれまでこの寄稿で述べて参りました直近過去の寄稿を併せてご覧になって頂けましたらと思います。(笑顔)


米地区連銀経済報告(ベージュブック)は、12の地区の連邦準備銀行がそれそれ管轄する地域経済の分析・報告データをまとめた報告レポート事なのですけど、これは、米地区連銀経済報告書のレポートの色ベージュなので、ベージュブックと呼ばれています。

第89回へ続く

最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連スペース

11月27日 第1回スペース 2時間

12月18日 第2回スペース 2時間20分

12月22日 第3回スペース 12分間

12月24日 第4回スペース 20分間

12月30日 第5回スペース 20分間


関連note


私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」


🍅🍅


弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。



🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『日刊宝の山』『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。


サポート🍓本当にいつも有り難うございます。