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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿87

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第87回全文無料で皆さまにお届けします。

第86回から続く


僕は、FRBへ足を運んだことはありません。FRBの関係者で自分が現実社会で直接お仕事させて頂いた事があるのは、FRBで理事を務められたウェイン・エンジェルさんだけだと思います、たぶん。それは、FRB理事退任後、僕がかつて働いた会社で、チーフ・エコノミストを務めておられました関係からです。ただまあ、仕事柄、周囲もみんな、FRBの金融政策を常に意識していた事は事実です。

いっぽう、日銀へは、仕事上の用事で、何度も、現実、実際に足を運んだことがあります。足を運ばせて頂いていた当時から、そこにいらした方々、皆様が、半端ない、エコノミストだと思って来ました。現に、事実として半端ないエコノミストばかりでした。
ですから、その道の専門家でも何でもない僕が、うかつに、日銀の金融政策に対して云々とコメントするような安易な事は出来ません。単に、一般的に報道されているニュースを見ているだけです。
今、そしてこれからも、日銀へは、多くの投資家さんの視線が注がれているものと推察致しております。



さて、昨日第86回の寄稿で、「今週も様々にFRB当局者がお話になる予定ですが、日本時間水曜日朝5時頃ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が、そして日本時間金曜日午前4時15分頃ブレーナード副議長が”経済見通しについて”シカゴ大学経営大学院(Chicago Booth)でお話になる予定のようですので、よく聞いて見ようと思います。」と述べました。
それはもう様々に地区連銀総裁達、そして、理事が今週お話になる予定になっております。


あ、うんの呼吸、この3人



今一度、第60回の寄稿で引用させて頂きましたFederal Reseerveの昨年12月のFOMC後の記念撮影写真をご覧になって見てください。連邦準備制度理事会のオフィシャルツィッターアカウントがシェアしてくださいました。12月13日、14日にFOMCミーティングに参加された皆さまの集合写真です。


パルエル議長の向かって左、ブレーナード議長、あっ、また間違えました。どうも最近よく間違えます。(笑)ブレーナード副議長です。そして、向かって右、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁です。そして、ブレーナード副議長の隣、サンフランシスコ連銀のメアリー・デーリー総裁です。

ブレーナード副議長とニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁とのバランスを絶妙にパウエル議長が、ブレーナード副議長に押されながらもなんとか上手にとっている。まあ、壊れたレコードのような繰り返しでございますが、イエレンFRB議長時代ブレーナード理事パルエル理事でしたから。この3人は、たぶん「あ、うんの呼吸」なんだろうなと、金融報道のプロのコメントを見ていてもそう思いますし、僕個人もそう思います。

そして、第80回の寄稿からの引用
{ウォール・ストリート・ジャーナルから~引用~
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁
"When you're being seriously data dependent, [raising rates]in more gradual steps does give you the ability to respond to incoming information and account for those lags." 
「真剣・真面目にデータに依存している場合において、ウォール・ストリート・ジャーナルから~引用~
ゆっくりとしたペースで徐々に金利を引き上げることが、金融政策の遅行の説明の助けになり得るという事。

2月、3月、5月のFOMCで、それぞれ、25ベーシスポイントずつの利上げという事が、自分のベースライン・シナリオですが、まずはそのシナリオに基づいて、このシナリオを現時点では据え置いておきます。

サンフランシスコ連銀のメアリー・デーリー総裁って、いつもよく、ヒントをくれるので。この寄稿でも述べてきましたが、彼女がお話になられて、後に、ブレーナード副議長が似たような、同じような事を、別の表現を用いながらもお話になられることもしばしばで。そして、パウエル議長がお話になられるという具合に。~第80回寄稿からの引用終

いっぽうで、昨年来、今年のFOMCについては、2月に50ベーシスポイント金利を引き上げて、3月は休止するですとか、停止するですとか、そこで金利の引き上げ終了するというウォール街の投資銀行のストラテジストもいましたし、います。

ただ、12月のFOMCの後、そのドットプロット(政策金利分布予測図)から見て取れたのは、2023年、”少なくとも”75ベーシスポイントの金利引き上げが必要との見通しです。
サンフランシスコ連銀のデーリー総裁がここでヒントをくれているのは、まずは、
「(より小刻みに)より段階的なステップで徐々に[金利を引き上げる]ことで、入ってくる情報に対応し、それらの遅行を説明することができる」という事です。
「(より小刻みに)より段階的なステップで徐々に(金利を引き上げる)

自分の持つ金利引き上げのシナリオに変化はありませんが、目先、2月、3月は25ベーシスポイントずつ、金利を引き上げて行くのであろうというシナリオを持ちながら、特に5月については。5月およびそれ以降については、じっくり、その前、3月のところでもう一度どう見るのか、またそこで、そこに行って見て、さらに確認できればと思っています。これは、シナリオどうのこうのではなくて、5月は、時期的にまだだいぶ先なので、足元からよく見ながらという意味です。

こう言ったところから、今週、日本時間金曜日午前4時15分頃ブレーナード副議長が”経済見通しについて”シカゴ大学経営大学院(Chicago Booth)でお話になる際、どのようにお話なるかというところに注目します。

イエレンさんのおしゃっておられたFRBが持つ最新のツールとモデル。そして、FRBのプロ中のプロのエコノミスト達は、70年代の事、何度もレビューして、研究し尽くしているでしょうから。その上で、パウエル議長が、ジャクソンホールで、要点を明確に3点、8分間、スピーチされたと認識しています。

もちろん、サンフランシスコ連銀のエコノミスト・リサーチ・チームがまとめ、知らせてくれているように、金利の引き上げ効果というのは功を奏していて、予想より早いペースとインパクトでインフレ抑制に寄与していると書かれたレポートも先日チラッと読みました。

そして、ウォール・ストリート・ジャーナルのニック・ティミラオス氏がシェアしてくださったツィートとグラフです。


70名のエコノミストを対象にしたウォール・ストリート・ジャーナルの調査
26名のエコノミストが6月末までにFFレート・政策金利4.75%から5%の間への上昇を見込んでいる
29名のエコノミストが5%から5.25%の間への政策金利上昇を見込んでいる
6名のエコノミストが5.25%から5.5%の間への政策金利上昇を見込んでいる

・これらの70名のエコノミストうち、
6名は今年下半期においてもFRBは金利を引き上げ続けると予想。
39名は2023年の下半期通して、FRBは引き上げた金利水準を維持し続けると予想。
31名今年7月から12月の間での1回の金利引き下げ(期待)を予想

調査対象である70名のエコノミストのうち、一人を除いて全員が、2022年対比、今年2023年コア・PCE(個人消費支出)インフレーション下落を予想
PCE(Personal Consumption Expenditure)
36名は2023年の末までにコアPCE3%から4%の間水準への下落を予想。
23名コアPCE2%から3%の間水準への下落を予想
3名2%以下への下落予想
7名4%+の水準予想

過去のこの寄稿での述べましたが、コロナ対策で、FRBが市中にお金をばらまいてジャブジャブにして、長らく低金利政策をとってきたことから、本来は、すでに倒産していたであろうはずの会社がゾンビ企業として生き残っていたりします。そういうゾンビ企業の企業倒産もあるでしょうし。

ゾンビ企業の企業倒産


アーネスト・ヘミングウェイ


アメリカで非常に頻繁に一般的に引用されるアーネスト・ヘミングウェイのクォートです。「日はまた昇る」から。会社でも人でも、いろんな事に例えて引用されます。昨今では、トランプ氏の会社、トランプ・オーガニゼーションを揶揄して、しばしば引用されていました。
Ernest Hemingway ~ Quotes ~ Ernest Hemingway, The Sun Also Rises
“How did you go bankrupt?"
Two ways. Gradually, then suddenly.”
どのように破綻(破産・倒産)したの?2つあって。徐々に、(そしてその時)それから突然に」~ニュアンス

ベアー・マーケットであったり、通常の10%程度の調整(コレクション)のマーケットであっても、そういう、マーケットが振るわない時に、あまりなじみのない、一般には名前を知られてさえいない会社が、虎視眈々と、次の牽引役を担えるように準備したりしているわけです。最初は、時価総額も小さいですから、なかなか機関投資家の投資対象にならなかったりしますが、いったん浸透して火が付くと、という事です。今回、個別銘柄の決算発表をよく見てみましょう。そういう今はまだあまり知られていない名前の会社が、今後どのような形で出て来るのか、ですとか、その出て来る、知られるようになるタイミングですとか。

いやもうこれまで、バリュエーションにつきましては、事あるごとに述べて参りましたので、それ以上何も申し上げる事はないのですが。
Markets & Mayhemさんがシェアして下さったツィートとチャートです。


Markets & Mayhemさん~{私達がこれまで見た中で、最も高価な「新しいブルマーケット」へようこそ。現在のシラーPE ratioは、29.24です。平均は17、中央値は15.91ですね}Markets & Mayhemさん~(ナレーター:全く新しい強気相場ではありませんでしたね、、、)とツィートされておられました。(笑)皮肉っぽくて、笑いを誘います。(笑)このツィートの仕方がウケるなあと思ったので引用させて頂きました。

*このシラー Shiller PE ratioとは= 株価の割高・割安を測る指標の一種で、過去10年間の1株あたり純利益の平均値をインフレ率で調整した実質純利益でPER(株価収益率)を計算したものです。ノーベル経済学賞受賞者・ロバート・シラー教授が考案した指数です。
ロバート・シラー教授は、S&Pケース・シラー住宅価格指数を作った方でもありますから、ここで引用させて頂きました。


ロバート・シラー教授

思考や解釈は人それぞれですので、私からは何も申し上げる事はありませんが、この数字を見た時、こういう見方から見ると、まあ、「ど・ん・だ・け~」(高いの?)という、かつて日本で流行った言葉を、即座に思い出しはしました。(笑)

ミーム投資家が戻ってきたぞ、まだ、それ言ってますか?


これも話題にするのはどうかなあとは思っていたのですが。ベッド・バス・アンド・ビヨンド BBBY (NASDAQ)。1月10日から1月13日の間に急激に買われたりして。また、ミーム投資家が戻ってきたぞ、な~んて。まだ、それ言ってますか?って感じは、個人的にはしましたね。それを直接見たわけではありませんので、それが、本当だと仮定したら、皆さん、懲りませんね、とは思います。あんまりFRBとか関係ないのかなあとも思います。
いっぽうで、僕は、2023年も、テーマは、FRBとインフレ抑制だと思っています。
だからこそ、1年間を通して見た時には、その局面、局面、途切れ途切れ感が強く出て来るのではないかとこの寄稿で述べおります。

話しは変わりますが。
つい先日、この寄稿でSave The Date!として、アメリカ時間1月24日ジョージア州での特別大陪審でのヒアリングとても大事です、僕にとっては、と述べました。昨日また、それについてのノーマン・アイセン氏(元駐チェコ大使・米著名法律家・ブルッキングス研究所シニア・フェロー)の予想を再度見直しました。ファニ・ウィリス地方検事のトランプに対する究極の選択・決断にすごく注目しています。
日本時間では1月25日になりますでしょうか。

そう言えば、かつて、ニューヨークだけではなくて、サンフランシスコにすごく大物の同僚がいまして。その仕事のニューヨークの総ヘッドとサンフランシスコにいたこの大物同僚と僕と3人で、ニューヨークで晩御飯を一緒に食べながらいろいろ話したことがあります。このサンフランシスコの同僚が言うには、オフィスのほぼ全員がニューヨーク時間に合わせて当時仕事していると言っていました。広いアメリカ、仕事によって、時差のマネジメントが非常に重要なんだなあと思いました。

とにかく、1月24日、この日、Save The Date!(予定あけといてくださいね)というくらい大事だと思っています。

第88回へ続く

最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連スペース

11月27日 第1回スペース 2時間

12月18日 第2回スペース 2時間20分

12月22日 第3回スペース 12分間

12月24日 第4回スペース 20分間

12月30日 第5回スペース 20分間


関連note


私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」


🍅🍅


弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。



🍅注意事項
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投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『日刊宝の山』『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。


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