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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿(3)

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米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第3回目を皆さまにお届けします。

弟子のNEOさんへ


アウトライヤーより。外れ値です。でも異常値ではありません。

笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。


背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。

一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。


第2回から続く

報道によると、20日、「アメリカの政策金利に対するマーケットの観測を示すOIS(オーバー・ナイト・スワップ)市場で、金利が2023年上期に5%に達し、そこがピークになるとの見方を織り込んだ」との事。僕は、そこがピークなのかなあとニュース見ながら、今の時点では、疑問に思ってます。もっと高い金利水準があるかなあと思いながら(後述)。

同じく20日、FRBのクック理事「インフレは容認できないほど高い。これを抑制するために利上げを続ける必要がある」「利上げを継続して、その後に、景気抑制的な状況で当面維持する事を要する可能性が高い」

一昨日は、米ミネアポリス連銀・カシュカリ総裁「FRB・金融当局がインフレに過剰反応することに伴うリスクやコストよりも、インフレ抑制に向けた行動が少なすぎるリスクやコストの方が大きい

金融当局のインフレ抑制に向けた確固たる姿勢が伺えます。

FRBが利上げを停止したり、政策を転換すれば、それは、話が全く変わってくるでしょうけど、現時点では、そう簡単に政策転換は起こらないだろうし、世間が予想してるより、長く続くのではないかとさえ、考えています。23年の下期にかけても。

そもそも、どうしたら、どうなったら、インフレがおさまってきたと考えて、政策金利の引き締めペースを鈍化させると見るのか。NEOさんほどの方をして、すでによくよくご存じの事と思いますが、それを承知で。

今年夏前のブルームバーグの調査によれば、
エコノミストの過半数が、政策引き締めペースを鈍化させるパウエル議長の目安は、変動の大きい食品・エネルギー価格を除く個人消費支出(PCE)コア価格指数の前月比上昇率が数カ月にわたり0.2%以下となることだと回答。

連邦準備制度はPCE総合価格指数をインフレ目標の基準としている。

CPIは都市部を中心としたデータで、PCEは全米にわたってというデータですから、FEDは、両方重視しつつ、PCEに注目するという認識です。

そうした目標への到達はまだ遠いとエコノミスト達も見ているでしょうし、僕個人もそう思います。

パウエル議長は、まず、インフレを2%目標に収斂させることがFOMCの最重要課題である点を確認しています。もちろんFRBは「雇用の最大化」「物価安定(インフレ抑制)」という議会からFRBに課せられた2大職務に基づいて仕事してるわけですが、残念ながら、2%は遠くなりにけりという印象です。

つい先日、私がオンライン上でフォローしております、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏が、FORTUNEに掲載された記事で、あほらしいほどばかばかしい経済政策(これまでのFRBによる低金利の長期継続等)で、アメリカ経済は、痛みを伴って、最悪の事態に向かっている。金利をう~んと上げ続ければ、インフレは、5%とか4%とかには下がるだろうけれどという主旨のご発言をされてました。

僕のような凡人が考えても、そんな簡単に、インフレが2%にはならないだろうと思います。政策金利の引き上げと共に、ちまたで報道されている通り、FRBのQT(量的引き締め)が9月に「本格化」、「9兆ドルのバランスシート圧縮加速、保有証券の月額上限が9月から950億ドルに引き上げで、9月と10月のTB保有圧縮、23年9月までで最大規模に」ロイターの、とある記事で読んだのですが、あるアナリストはこの全体の効果を、その人の分析の場合、450ベーシスポイントと換算してました。金利引き上げ継続とバランスシート圧縮の合わせ技ですね。

金利を引き上げて、しばらくの間その高い金利水準を維持する。まだ、ターミナル・レート(金利引き上げ時の最高到達点)がわかりません

個人的には、5.5%~6%超えても、コア・インフレが6.6%現状況下では、不思議はない気がしてますけど。

セントルイス連銀のジム・ブラード総裁は年内金利引き上げを75ベーシスポイントずつあと2回、前倒しでやって、2023年に入ったら、出てくるデータに対応する形で金利の引き上げ幅も小さくなると一昨日発言していましたが。さあ、どうでしょう?正直、最近、僕はあまりブラード総裁の話をかつて程は、聞かなくなりました。

サンフランシスコ連銀総裁、NY連銀総裁、FRB理事、副議長、議長の発言時に、より耳を傾けるようにしています。

いわゆるマーケットで言われているリセッションも、もうすぐそこに来てるんでしょうね。

つい先日3,4日前、バイデン大統領は、CNNのジェイク・タッパー氏とのインタビューで、「リセッション(景気後退)はない。(あっても、浅い)」とおっしゃってました。

一方、ブルームバーグ調査では、リセッション(景気後退)確率100%。

少しさかのぼって、ブルームバーグの報道によると、米実質国内総生産(GDP)が4-6月(第2四半期)に2四半期連続の減少となったのを受け、ワシントンでは言葉を巡る政治的な戦いが本格化。

共和党は2四半期連続で実質GDPが前期比マイナスとなったことをリセッション(景気後退)と断じるだろう。一方でホワイトハウスはそれに異論を唱えるだろう。もうすでに、ホント、その通りになってます。

「米経済、2四半期連続の縮小-4~6月GDP速報値は0.9%減 ~ 4-6月GDP統計では、米経済の最大部分を占める個人消費は1%増と前四半期(同1.8%増)に比べて減速したものの、マイナスにはなっていない。」

ブルームバーグの報道では、多くの国・地域がGDPの2四半期連続マイナス成長をリセッションの定義としているのに対し、米国の場合は全米経済研究所(NBER)で景気循環の日付認定に当たる委員会に判断が委ねられている。=米リセッション、認定するのは政治排除のエリート著名経済学者8人の委員会

同じくブルームバーグの報道によると、同委員会のロバート・ホール氏が最近、ブルームバーグのスティーブ・マシューズ記者に対し、GDPの「2四半期連続という考えに何ら利点があるとは考えていない」と語っていたのは注目に値する。

このスティーブ・マシューズ記者ご本人も、全米経済研究所(NBER)はリセッションとは言わないだろうねとつい先日、おっしゃってました。
全米経済研究所(NBER)は、これまでの僕の経験からでも、リセッションに実際に陥って、かなりの時間が経過してからでしか、それが、リセッションと認定しない傾向にある事を体感しています。マーケット目線から、日が暮れそう、そういうイメージを持っています。少々、僕もご縁のあるスティーブ・マシューズ記者の言っている事もその通りであると思います。

遠い昔の話ですが、他の試験とも合わせて、シリーズ7という、当時、6時間ぶっ続けぶっ通しの試験を、仕事上、自身の米国での、当局への登録のために、受けた時、NBERがリセッションを認定するという事よりも、まず先に、GDPの2四半期連続マイナス成長をリセッションの定義として学んだ記憶があります。

皮肉も込めて、選挙の年の言葉の定義や使い方は難しいですね。(笑)リセッションとか禁句。スタグフレーションなんて、何それ?そんな造語、聞いた事さえありません!って感じですかね。(笑)

現在、11月8日の中間選挙前であることを今一度、僕は再認識しています。

過去の例を見ますと、中間選挙前が、あとで考えたらアメリカ株の買い場だったというケースもままあった事も認識しています。

中間選挙前、2大政党は、どちらも、ローズィー・シナリオ(バラ色のシナリオ)を振りまきます。今回は、2024年の大統領選挙に向けた次の2年がかかっています。

前述の通り、その定義から始まって、言葉の戦争がすでに本格化しているくらいです。インフレーションであれ、リセッションであれ、スタグフレーションであれ、そういう言葉は禁句。エネルギー価格の上昇もどんな手使ってでも食い止めないと。説明の変更、distraction—話をそらす、話を少しすり替えてみたり、これはもう当たり前ですね。選挙前ですから。

でも、現実的には、スタグフレーションほぼ一歩手前くらいですか?という感覚さえ、僕は持ってます。

アメリカ株を見る上で、長期/短期金利、企業業績の行方には、いつも注意をはらっています。仮に、今回も、後で考えたら、中間選挙前は、やはりアメリカ株の買い場だったとして、そのチャンスをみすみす逃しても、僕に、後悔はありません。

株価が底打ち?僕は、もちろん、底打ちなどしていないと考えています。

だから、株価はまだ下がるんでしょうね、たぶん。僕は、そんな時に、株を買う事を考えるのではなくて、株を売る、空売りする、もしくは、株から離れる事を考えます。

株価の底打ちって、後になってみないとわからない現象で。

相場も毎日毎日は下がれませんから、自律反発やショート・スクイーズ、それに誘発されたカバーなど、反発局面もありながら、後で見たら、下落した、上がれない、という弱気相場だと個人的には考えています。

今までのような株価の動きは、この先、長い時間、そう期待していません。少なくともこれから、今よりもっとひどい状態になるんだろうなとは、考えています。

今回の利上げサイクルの織り込み具合も、株式市場より債券市場のほうが進んでいるように見えます。

このアメリカのバブル崩壊過程で、目の前には、グローバル・リセッショングローバルで金融危機のリスクシステミックリスクさえも意識しておく必要があると思っています。

本当に、何かが壊れるまで、もしくは、何かが壊れても、あまりそれに関係なく、FRBが今の政策を続けるのであれば、S&P500で、3000もしくは、それを切ったレベルを、自分の目先の目安として視野に入れています。

僕は、現実を注視して、FRBの金融政策をよく聞いて、素直に行動できれば、それが理想的と考えています。

最近はそういう質問もなくなりましたが、もし、誰が世界を動かしているのと尋ねられたら、迷わず、FRBとお答えします。FRBの政策ミスを批判する事と、その政策に反した行動をとる事とは、全く別の事です。

ラリー・サマーズ元米財務長官、レイ・ダリオ氏、スタンリー・ドラッケンミラー氏のお話に頻繁に耳を傾ける事ができるように努めています。その上で、僕は、素直に遂行されている金融政策に従う事を選択します。

株価を構成する主要因は期待収益率によるところ大です。
今後落ち込んで行く事が見込まれる企業収益。テックバブル崩壊時、ダメージを受けた企業収益、回復見通しもなかなか立たなかった事から、金利を下げるフェーズに入っても株価は下落し続けたと記憶しています。

株の買いを考える事より、アメリカの長期/短期金利が織り込むその先行き、企業業績が織り込むその先行きを定点観測する事のほうが、今の僕にとっては、まず大切な事です。

約42年ぶりのことが起こっているその最中ですから。しかも、この間、始まったばかり、まだ序盤ちょっとすぎくらいの認識です。

同時に、過去40年間[金融緩和フェーズ]の常識は、僕はもうあまりあてにはしていません。そもそも、40年も市場に関わっていない事は事実ですが(笑)

厳しい現実を踏まえ、さらに厳しい時が、これからやってくるんだろうなあと思ってます。

P.S. あっ、NEOさん、そう言えば、話、全然違うけど。今回3回目なので。
言い忘れていたかも。ごめんなさいね、今頃。

この寄稿をご覧になって頂ける皆様には、下記を前提に、ご覧になって頂けたらうれしいです。
この寄稿者が苦手としている事。
・根性論・精神論・説教・勘・思惑・思い込み・傲慢・人に何かを押し付ける事・権威主義と権威主義者

この寄稿者が好んでいる事
事実確認とデータから何らかのインプリケーションを自分なりに読み取って次の行動をとる事
(笑)

NEOさん、それでね。実はね。これはNEOさんに、言ってなかったかもしれなんだけれど。これまた、ごめんなさいね。
実は、ツィッターもやってて。(笑)
フォロワー4,000人超の小さなアカウントなんだけど。全部英語のみでやってるので、フォロワーのうち、4,000人超がアメリカ人もしくはほんの少数カナダ人。あとは英語圏の人達。日本人のフォロワーは、ほとんどいないんです(笑)。数名もいるかいないかだと思います(笑)
主に、アメリカの政治と法律が中心のアカウント。いろんな人と普通に頻繁にコミュニケーションしてます。このアカウントのテーマは、2つ。
メジャーなテーマ「民主主義vs.権威主義」
マイナーなテーマ「アメリカがくしゃみしたら、日本が風邪ひく」

主に、MAGA(Make Great America Again)・トランプ・カルトが大嫌いな人達で、なおかつファシズムに反対するレジスター、レジスタンスを、僕も端くれとして、サポートしてます。

様々なご経歴の方々がフォローしてくれていて、「職業不詳の人、会社員、アーティスト、起業家、企業家、バンカー、現役の軍人、退役軍人、主婦の方、ミュージシャン、政治関係者、医者、ナース、弁護士、大学教授、大学の学部長、メディア関係者、天気予報士、米報道記者、科学者、すでにお仕事を引退された方々、米世論調査会社」僕も、もちろんフォローして、楽しんでます。
で、今、11月の中間選挙に向けて、というところです(笑)

第4回へ続く


最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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サポート🍓本当にいつも有り難うございます。