総選挙した場合の得票数と野党の政党支持率(立憲民主党に勝ち目はあるのか?)
試論です。
いま、菅内閣が解散するかどうかという話題でもちきりになっている。個人的には解散しないと思っているが、もし解散した場合は、与党と野党のどちらに有利なのだろうか?
Wikipediaにある過去の衆議院選挙の得票数データと、朝日テレビの政党支持率の推移表を参考に、得票数を予測するグラフを作成した。
自民党・公明党の得票数と政党支持率
さっそくデータを集計したものを提示する。
選挙日、選挙前にテレビ朝日(系?)で実施された政党の支持率と、小選挙区と比例代表による投票数の合計値を載せている。
<注記>
小選挙区と比例は同数ではないが、だいたい同じくらいの数値である
2005年9月選挙のときだけ、2006年1月の政党支持率を使用。これ以前の支持率はサイトに載っていないため。
支持率は、自民党のみ。得票は自公。
この表で注目すべきなのは、2つだ。
1つは、得票数は直近3回は約5000万票を獲得しており、政党の支持率によらず得票数が変わっていないこと。
もう1つは、05年の小泉政権時と09年の民主党への政権交代時よりも、直近3回の得票数が少ないことである。得票率が10%低下しているとはいえ、政権交代時の政党支持率が最低のときよりも低い。
民主党系の得票数と政党支持率
<注記>
自公の注意事項と同じであるのに加えて、
選挙前の立憲の支持率は不明である。
予想では、立憲+希望で20%はあったと思われる(選挙後の立憲の支持率は19.9%で、希望が選挙前で9.6%あったため)
民主党は政権交代前は20-30%の支持率が存在していたが、09年の政権交代時をピークに下がり続けて、10%前半になっている。
(ちなみに、いまの立憲の支持率は10%を割っている。)
この表で注目すべきは、政権交代をピークに得票数を相当に落としており、しかも、政権交代前の05年の得票数のレベルにも回復していないことである。
自民党・公明党の得票数と政党支持率 グラフ化
自民党の政党支持率が横軸で、得票数(小選挙区+比例)が縦軸にして散布図にした。
これをみると、グラフは放物線を描いていて、政党の支持率が高いときだけでなく、低い時も得票数がかえって上がっていることがわかる。
さきほど、ここ3回の選挙では、政党支持率によらず約5000万票を獲得していると述べたが、自民党と公明党にはかならず約5000万票をとれる固い組織表があるということを示している。(合計票数なので、人としては2500万)
そして、自民党の人気が非常に高まったとき、あるいは政権交代されるピンチに陥ったときに、普段は自民党に投票していない人も自民党に投票をしていると考えられる。
民主党系の得票数と政党支持率 グラフ化
ただ、さきほど注釈で述べた通り、立憲の選挙前の政党支持率は明らかになっておらず、選挙後の数値から推測して20%を超えていたと仮定すると、以下の図になる。
自民党とは違い、単線増加のグラフを描いている。
自民党と違って、選挙への関心がなくても2500万人が動くわけではなく、政党の支持率がそのまま得票数に比例するようになっている。
民主系の政党支持率と投票率
確かに世間でよく言われている通り、民主党系がもう一度政権交代をしたい場合は、投票率を上げる必要があるだろう。
相手の自公は投票率に左右されず、合計5000万票を持っているからである。
ただし、積極的な投票を促したとしてもすべての票が民主に入るわけではもちろんない。先ほど述べた通り、自民党の支持率が下がっているときは、かえって総得票数が増えるためである。
自民党は支持率が低い時でも5500万票、調子がよいと6000万票を超えるため、民主党系が政権交代できるほどに勝つためには、投票率は最低60%後半は必要であるし、
40%近い政党支持率を確保している必要がある。
票読み
全有権者は約1億人いるが、そのうち、65%が投票して6500万人。さらにその40%が野党を選択して2600万人。合計得票数は5200万となり、これでようやく自公に対抗できる数である。
1億人(有権者)× 65%(投票率)× 40%(野党支持率)× 2(小選挙区と比例)= 5200万
5200万 ≒ 自公の票数
さて、いまの立憲民主党の政党支持率は7.7%である。(テレ朝調べ)
5200万票に届くために必要な投票率は、残っている国民全員が投票しても無理である。(投票率は300%を超えないといけない!)
仮に投票率が非常に高い65%に固定して、野党の政党の支持率ごとに得票数(小選挙区+比例)を出してみると、
支持率 得票数
10% 1,300
20% 2,600
25% 3,250
30% 3,900
35% 4,550
40% 5,200 ← ここまで来てやっと勝負できる
新・立憲民主党の支持率の評価
旧・立憲民主党は、結党当時19.9%の支持率で、現在は7.7%である。
新・立憲民主党の支持率がまずは20%を超えるかは注目されるべきだろう。
また、政権交代する前の、3代の自民党政権の後半期の民主党の支持率は、
第一次安倍政権の後期、民主党の支持率は25%-40%
福田政権の後期、民主党の支持率は25-30%
麻生内閣の後期は、民主党の支持率は35-40%
そのため、新・立憲民主党の支持率が25%にのっていれば、船出は十分すぎるかもしれない。
さて、20%は超えることができるだろうか?
お金を稼ぐということが大変だということを最近実感しています。サポートいただけると幸いです。