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WANDS第5期を10倍楽しく見る方法📖


先日、友人と超激辛鍋を大量の汗をかきながら食べていて、〆の雑炊の完食が見え始めた頃からWANDSの『MILLION MILES AWAY』が脳内でうっすらと再生され、食い終わったと同時に1サビ終わりのドラムのタム音が鳴りましたね(達成感えげつなかったです)どうも、山本マリアです。

第5期WANDSが『真っ赤なLip』に続き、再びアニメ「名探偵コナン」のオープニング曲を担当しているそうです。

楽曲タイトルは『YURA YURA』。11月3日のCDリリースを前に、10月2日放送の同番組で初オンエアされ、公式YouTubeアカウントにてMVもフル尺公開されています。


WANDS楽曲には今までなかったタイプの優しく爽やかなミディアムロックナンバー。前作『カナリア鳴いた頃に』と同様に上原氏はアイボリー色の衣装を身にまとい、90年代のWANDSと比較すると刺激物少なめな音楽性になっています。

奇跡の再始動から約2年が経ち、第5期の特色が顕著に表れてきたと言って良いのか…。ファンとしても2年前は“会えないと諦めていた人とまた出会えた喜び”ばかりが先行し、活動をしてくれるだけでただ有難味を感じていたが、良い意味で祝福ムードも落ち着き、この世にWANDSがいるという世界線に順応してきた今日この頃。

筆者自身、これまで発表された1枚のアルバムと4枚のシングルを通して『第5期WANDSとは何なのか』、その輪郭が自分なりに見えてきました。そんなもんいちいち公開せず己の心にとどめて楽しむべきと思いつつも、溜め込んでしまうと赤みを伴うニキビができそうなので偉そうではありますが、以下に講釈を垂れさせていただきます。


第5期WANDSとは何なのか…その本質が見えてきた(と思う)

“WANDS”名義でバンド活動をするに当たり、上杉昇がボーカルだった頃と比べられてしまうのは避けられぬ宿命かと思うのですが、その観点から最初に第5期WANDSの特徴を強く感じたのは新任ボーカル上原大史の書く詞でありました。

復活第2弾シングル『抱き寄せ 高まる 君の体温と共に』の、サウンド自体はビーイング黄金期なんだけど歌詞がほっこりと平和的……いや、ちょっと待て。

「WANDSの楽曲にこんな微笑ましいカップルが出てきたことあったか…?」

思わず文豪にでもなったかのように水平から30度ばかり首を上に傾け、薄目を開けてしばし熟考しましたね…。

上杉が書く詞の主人公って、たいてい絶賛失恋中か、愛を育んでいるように見えてもいずれ別れが訪れることをどこか意識している孤独な人じゃないですか……。


そして、今年の6月9日。第3弾シングル『カナリア鳴いた頃に』がリリースされ、拝聴してみると更なる衝撃を受けました。


『WANDS=上杉のトゲトゲしさ』というパブリックイメージを裏切る、胃に優しいコンソメスープのようなミディアムバラード。これは「WANDSという概念への挑戦状なのか」と思わせる意欲作でありました(大袈裟です)

同じ『カナリア』を題材にした楽曲でも上杉が作るとこうなります。


しかし何度か聴いたのち、日常生活を送っていると不意に『カナリア鳴いた頃に』のサビが脳内再生され、ついつい口ずさみたくなっていることに気付き、そこで発見&再確認できました。

『カナリア鳴いた頃に』のメロディーの素晴らしさと、柴崎が稀代の美メロ職人であるという事実を…。

『星のない空の下で』『Just a Lonely Boy』『KEEP ON DREAM』『ありふれた言葉で』『FLOWER』『太陽のため息』…etc

柴崎の名曲をいちいち挙げていたらキリがないが、WANDSといえば上杉の作詞力以外に、柴崎の作曲センスもバンドを構成する魅力の一つであった。

結局『カナリア鳴いた頃に』とは「これまでのWANDSという枠にとらわれず、優れた楽曲を世間に提示していく」という第5期メンバーからのメッセージであると、僕は勝手に解釈したのでした(大袈裟です)


考えてみれば、様々な歌唱法を器用に使い分ける上原大史をボーカルに据えたことで(兼任が噂されている『-真天地開闢集団-ジグザグ』でそれは確認できます)柴崎自身、創作の幅も広がったのではないでしょうか。

つまり、第5期WANDSとは上原大史という変幻自在のボーカリストを通じて、柴崎浩のコンポーザーとしての才能を余すことなく堪能できるバンドであり、これまでのWANDS史において当たり前ですが柴崎のカラーが最も色濃い時代になるかと思われます。

今後、提供曲や上杉と組んでいた頃には出せなかった柴崎の能力を『-真天地開闢集団-ジグザグ』で窺えるように幅広い音楽的嗜好を持つ上原氏が応える形で、WANDSとしての新たな可能性が広がっていくことを期待します。

…という文章を『カナリア鳴いた頃に』が発売された直後に執筆しようと思っていたが、どうも筆が進まずズルズルと先延ばしにしていて、気付いた時には更なるニューシングルがリリースされ、WANDSのお二人が上記のような話をネット記事のインタビューで語っていたのであった…。


また、現在体調不良でお休みしている木村(柴崎さん風に言うならばキムティー)の新作も是非聴きたいと願っています。いつでも良いのでお待ちしております。




(※毎度申し訳ございません。今回も作中のニュアンスを重視し敬称略で書かせていただきました。ご了承いただきますようお願い申し上げます。)

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