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【エッセイ】よい「詩の読み手」はよい「詩の書き手」

こんにちは。長尾早苗です。
詩に関するエッセイを書こう書こうとしていたのですが、年の瀬に年鑑に載ったり、新しい誰かとのコラボや複数の詩の活動が多く続いている中でなかなか書けませんでした。
今回は、合評や詩の教室での講評でコメントをいただいた後に、書き手がどう改稿していくか、わたしなりに書いてみます。

やっぱり初稿もいいよね

合評をして、その後何かの詩誌や雑誌に提出する際、あえて初稿のまま出してみるということもあります。
ほとんどはその時、改稿してみたり推敲してみても、初稿のままがよかったとなる場合が多いように感じています。
初稿の勢いのままでいることも大事です。
まずは、同人や先輩方に「読んでもらう」ことが一番。

否定的なコメントを怖がらないでいる

はい。これはわたしも何度もあります。
合評会を学生の時には怖いと思ったことさえあるほど……でも、何度も繰り返していくうちに、わかったことがあります。それは、
1詩人は批評的に読みたがること(個人差あります!!)
批評、というのは「批判」とは違います。その詩のいいところと伸ばしたほうがいい所を挙げて伝えることが批評。これは詩に限らず、小説でも多く見受けられます。
2読み方で否定されたのは書き手自体ではなく詩の細かな部分であること
これも個人差がありますが……対面とオンラインのハイブリッドになった今、特にオンラインで顔が見えないと、「ここはこうしたほうがいいけどここはよかった」というコメントに表情や声音が入らないので、「ここはこうしたほうがいいけど」の方にフォーカスが当たって、ちょっとくじけることもありますよね。それでも、コメントを頂けること自体がありがたいです。
3詩の細かなレトリックのことをもっと学びたいというエネルギー
太字の三つが大事だということです。
どんな合評会になるかメンバーもそれぞれ違いますので一概には言えませんが、細かなレトリックや「それでもエネルギーを出して改稿し、もっとよくしていく」ということが一番の醍醐味。
色々言われてこそ、合評会の意義はあるように思います。

詩の没頭の仕方(合評から改稿に気持ちが向かうまで)

わたしも合評会に提出してから、改稿するまで一日くらいかかります。
もちろんメンバーのコメントをすべて読んだり、他の事務作業や雑務に追われて改稿できないというのもありますが、自分でよいと思った詩集や詩に触れる機会が多ければ多いほど、改稿しようと思うまでの時間は短いように感じます。わたしの場合、詩集を読むのも一つの手ですが、どうしようにもなく読む時間が取れなかったりしたらラジオを聞いてモチベーションをあげます。2つおすすめがあるのであげていきますね。

渋谷のポエトリーラジオ(パーソナリティ:ikoma 胎動レーベル)


毎週水曜日、様々な角度から「ポエトリーリーディング」や「詩人」の活動に迫るインターネットラジオ。アーカイブはnoteでも聞けます。


#礫の楽音アーカイブ(パーソナリティ:平川綾真智・和合亮一・ikoma 胎動レーベル)

毎月一人の著名な詩人を呼んで、詩集について、詩について、いつもの詩作について熱く語るスペースラジオ。アーカイブはYouTubeでも視聴できます。3時間くらいしゃべっているので(!)オールナイトニッポンより長いじゃん、と笑っている方もいました。わたしも気になるゲストの時は聞いています。

終わりに

いかがだったでしょうか。詩についての経験というか、詩歴自体は長めだと思うので、大学生のころ慣れていなくて泣かされた合評会から、自分で司会をするオンライン合評まで、わたしも20代を駆け抜けてきました。もう来月で30代になります。少し感慨深い思いもありますが、先日まで合評の準備や他の詩誌やもろもろ立て込み、改稿の隙間を縫って書いてみました。
いいなと思う詩人さんはたくさんいますし、読みたい詩集もまだまだあります。そんななかでラジオでその方の最新作を聞けるのはお得感がありますよね。今日からもがんばって詩を真ん中に置く生活を続けていこうと思います。

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