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【エッセイ】書かないと生きていけない理由 「弱い」が「わたしなんだ」

こんにちは。長尾早苗です。

あと少しで三連休になりましたね!
お盆ということもあり、夏季休暇を取っている方も多いのでは……?
わたしは今、実家から夏の暑さに弱い植物たちを預かっています。
実家のみんなは富士登山に行く様子。
山頂に着いたらハガキをくれるようです。
何世代前だよ!笑
と思うのですが、そういう古めかしい所もいいなと思う今日この頃。

さて。今わたしは夏風邪をひいていまして、やっと小康状態になりました。夏風邪の日々はとにかく体が大変だったので、家族のサポートも受けてなんとかしのいでいたのですが……
なんだかSNSも不安定になってしまったり、そうでなくても夏は暑くて疲れるのに、疲弊してしまうニュースの数々が続いたりで嫌になってしまう方も多いのかもしれません。
もちろん、言っておかなくてはいけないこともある。それはそうだと思いますし、それが「いつ発表になるのか」は人それぞれだと思うんです。
ただ、人のことを思う気持ちや、ことばのことを思う気持ちはみんな変わらないんじゃないかと思います。

わたしが夏風邪をひいていたこともあり、三連休は中日に美容院に行くこと以外は少し様子を見ながら過ごそうと家族で決めました。
そんな時間のある中で、どうしても自分と向き合う時間が増えて。
色々なことを考えたので、書いてみようと思います。

詳しいことは新刊のエッセイに書いたのですが、わたしは何かを「詩」というかたちもしくは「アート」という形にしないと生きていけません。
それは多分に自律神経と結びついており、きっかけは16年前、側弯という背骨が横に曲がる病気で背骨を手術してからでした。
全神経が集中する場所なので、大変にストレスをためやすい体になってしまったし、自分がいついなくなってしまうのかがわからないという事態に10代の頃おちいりました。
だからこそ、毎年大病院の整形外科の先生で、その医院長先生に定期検診をしてもらいましたし、それが終わったのが去年の秋でした。あっけなかったです。びっくり、しました。

そして、今は作品や文章にすることが難しいのですが、「言語」や「コミュニケーション」において、わたしのきょうだいが持っている困難なことが小さなころから日常的にあって、わたしは人の心にすっと入っていけるように少女時代を過ごしていました。今でも人が大好きです。人の頭の中をのぞいてみたいという好奇心はその頃からありました。
自分というものが、その頃からきゅうくつでした。

多分、自分にも他人にも厳しかったくせに、どこかで自分も他人も許したかったし、人というものに絶望しないでいたかったような思いもあります。

いい子と言われ続けていたかった。病気のせいで主役になれなかったから、いつかは「わたしらしさ」で「わたし」という主役を体現してみたかった。

今回podcastで配信しますが、わたしはある女子進学校に通っていました。後輩がお笑い芸人・ジャーナリスト・芸能人としてテレビなどのメディアで活躍しており、彼女のおかげで色々なところで母校の名前が出るのを少し気恥ずかしく思いながらなのですが。

わたしには他の人とは違う脳の癖があったり、疲れやストレスがたまると判断力がにぶったり、記憶力が落ちるという虚弱体質を抱えながらですが、実家にいた頃や学生の頃はできなかったことを、今新居でやれるということにとても誇りを感じています。
実家の両親にびっくりされるくらい、活動的になりました。

今わたしは進学校の同級生たちが次々と母親になっていくのを見つつ、彼女たちができなかったこと・彼女たちにしかできなかったことを、歳を重ねてわかってきたような思いもあるのです。

もちろん、文章にして表現すること・大学で詩や基礎勉強として様々な哲学者の考え、思想家たちの考えなどを先生からわかりやすく教えてもらったことなどは一生の誇りだと思っていますし、わたしのブログやSNSを先生方が見ていることも知っています笑 お元気ですか、先生。
わたしにしかできないことがあるのと同じように、中学校や高校の同級生の彼女たちにしかできないこともたくさんあった。
わたしが主役になれないのと同じくらい、彼女たちにも主役であったころもきらめいていた頃もあって、
それでも今同じ時代を生きている。

だからこそ人って面白いなと思うし、もしかしたら女性だけじゃなくて、もっと視野を広げていけば共学校に通っていたら違うものの見方もあったのかもしれません。
年齢を重ねていくって、ただ体力が衰えていくだけじゃなくて、きっと何かしらの経験を積んでいくことで、
「今までわからなかった世界を知ることができる」
ものなのかもしれないな
と思いました。

18歳の頃は焦りに焦っていたし、その頃はとにかく大学生の夏休みってなんて暇なんだろうって思っていました。(笑)
だからこそ図書館に通っていたし、そういう意味では学生の頃から書物に親しんでいたのはラッキーだったのかもしれません。

今、わたしにはコワーキングスペースで10代(いや、5歳から?)~80代の友人がいます。色んな性別の人がいて、色んな背景を抱えながら、それでも一緒のスペースで生きている。そんな場所が大好きだと思うのです。

今は、今でいい時がある。
そして、明日は明日できっといいことがある。
8月、自分の体と闘いながら、そんなことを思っていました。
未来なんて永遠によくわからないものだからこそ、前を向いて、自分が思う押し付けられない正しさを歩んでいくしかない。そしてその力は、ことばにあるように思うのです。

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