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【詩人の読書記録日記】栞の代わりに 5月31日~6月4日

はじめに

こんにちは。長尾早苗です。本当に不定期になってしまって、読者のみなさま、ごめんなさい! でも、読んでくださるみなさまにいつも励まされています。ここのところイベントが立て続いており。。しばらく不定期にお付き合いくださいませ。

5月31日 火曜日

最近はイベントとラウンジでの執筆作業が多いので、火曜日は食材配達を待つのも兼ねて、なるべく家での時間を大事にしています。
今週末、金曜日にポエトリーブックジャム、日曜日に友人と前橋ポエフェスに行って、オープンマイクに出場するため、なかなかゆっくりと家族と過ごす日は貴重なので、きちんと持ちたいなと思っています。
土曜日からものすごくインプットを毎日していて、どこかでアウトプットしないといけないな、と思っていました。こういう時に詩は書けるのでしょうか。
まずはことばではなく、絵で表現しました。
午後は趣味の作り置きおかず、午前中は礫の楽音を聞いて、現代詩手帖を読んで、地域の図書室のスタッフさんに告知をしにいきました。
昼頃編集のSさんよりありがたいメール。どんどん新刊の準備が進んでいます。
連句仲間と始めた半歌仙の発句が決まり、安心しました。ゆっくりと巻いていきたいと思います。

・『現代詩手帖2022年6月号』思潮社

新人作品、高梨章さんの「霊」、そうきたか! ということばの選び方。面白かったです。山田てつやさんの「〈大いなる逃避〉」はリーディングしたら面白そうでした。目で読むというより、耳で読みたい詩でしたね。なかなかこういうものが現代詩手帖に載るのもめずらしいので、がんばってほしいなと思います。
吉増剛造さんと和合亮一さんの対談が面白かったです。朝ドラへの言及もあったりして、同じ時代を生きているんだなと思います。

・影山知明『ゆっくり、いそげ』大和書房

影山さんのクルミドコーヒーは以前の文学フリマの飲食スペースで知って、何回か遊びに行きました。
最初に一口飲んだ時に香るふくよかさ。そして、西国分寺駅の店内のあの雰囲気……様々な思い出があります。
わたしの大学の先輩で詩人の小谷ふみさん、他にも詩やアートで携わっている方もいて、クルミド喫茶店の方かな。イベントを夜に開いていた際にそこで第一詩集『聖者の行進』に入れた「トワイライトソーダ」を作ったのもいい思い出です。
影山さん、するどい……とあの聡明そうな横顔を思い出しながら読みました。
経済のこと、減速する生き方と便利なものの融合としての「ゆっくりといそぐ」個人店の経営。
確かに、ゆっくりと一つ一つ、自分の目の前のことに向かっていった方が、いいパフォーマンスを出せたりします。勉強になります。
そうだよなあ、愛されるお店とか、長く続く経営ってこういうことなのかもしれないなと思いました。

・新川帆立『元彼の遺言状』宝島社

月9ということと、わたしの詩の知人の知人、という遠い関係である新川帆立さん。すごく気になっていました。
いやー面白いです。なにこいつサイアク! と思うような、でもかっこいい剣持麗子、他にもキャラクターがみんな立っていて、きちんとミステリーとして構造もたっていました。
法律関係の友人もいますが、こういうことも起こってしまうのかもしれないし、でも相当ドラマチックだなと思い、これは確かにドラマにして正解だったなあと思います。
綾瀬はるかさんを思いながら読んでいました。

6月1日 水曜日

今日は近しい方々と3年ぶりの会食でした。
本当に貴重な時間でした。行く前にアウトプットを久々に自由帳に。
上野までのルートの確認や前橋までのルートの確認をしていました。
週末には前橋ポエフェス。友人と旅行のように行くので、楽しみです。
今日は10時間寝たため、朝から快調に作り置きや、昨日やれなかったもろもろのことが片付きました。
でも、詩を書けなかった木曜日からの一週間、わたしはものすごく色々な詩や魂に触れて、詩を書けないということがつらかったのかもしれない。
小さな失敗を積み重ねてしまったのだけど、近しい方が迎えに来る前に新作を11編書いて、失敗も解決してすっきりとしました。
第七詩集は短い詩群が多いので、予定していた20編ではページ数が足りず、今日は11編書いたので、あと9編くらいほしいところ。

夕方、第二詩集の最終デザインなどが届き、なんだか感無量。
たくさんの方に手に取っていただきたいです。
色々と、ご縁というものは切り拓かれていくのだなあ、とドラマチックな一日、思いました。

いただいたカゴバック。パソコンがすっぽり収まるサイズです。
通勤にも、お出かけにも使える。小さめのものは調味料棚の整理に使いました。

6月2日 木曜日

ちょっと憧れていた書き方なのですが、朝ご飯前に詩を5編書くというものをやってみました。すっきりするものです。日記のようですが、あえて視点自体をずらすことで違って見えたり。
第七詩集のもう9編が出来上がりました。第七詩集は40編ほどで完成しそうです。ラウンジで作業していました。今日は本格的なワークラウンジで集中していたので、ウォーターサーバーがありがたかった!
第二詩集を実際に出す時に色々と質問したいことがあったため、今日は編集の方とメールを色々としました。
帯の背に入れる一文を考えたりなど。
色々とありがたいことだらけです。

・アサダワタル『コミュニティ難民のススメ』木楽舎

あなた一体何屋さん?
ああそういう人、周りに多いなあと思います。自分の専門職はきちんとこなしているけれど、その看板を少し離れた活動をしていらっしゃって、専門職までこなしてしまうすごい人。
わたしは専門職というか、一応司書資格などは持っているけれど。
でも、そういう「すごい人」とのかかわりは大事にしていますし、いつかそんなことをしたいなあという小さくも大きい野望はあります。
あるコミュニティの中で常にいたるところでアウェイ、というのがコミュニティ難民の定義とこの本では定義されていますが、なんだかそれって、孤高とは全く違った意味で面白い生き方だし働き方だなあと思いました。
自分の事について考えると、うーん。詩人、主婦、ちょこっとイラスト、オンラインでの司会、そんなところかなあ。でも、全てに属しているかというと、一番関りの深い所は詩人だったり。
でもまあ、詩人のなかにも「テキスト詩人」と「リーディング詩人」という境界があるのは非常に興味深かったです。わたしはまるごとテキスト詩人なのだけど、20代最後だから! と思って飛び込んだオープンマイクやスラムの世界で、様々な詩人のみなさまに出会ってきました。そういうの、すごく楽しくて。
DJの世界も面白くて、そういう方たちとお話しするのもとっても刺激でもあります。一つの職業に縛られない生き方と言うのかな。
でも、「あなた何屋さん?」という人々と様々な形でご縁を持っていると、色々と楽しいことや、面白いこと、発生するのがまた楽しくて。
これからの自分が、どんな人たちと「詩人」として出会っていくのか、とても楽しみになりました。

6月3日 金曜日

今日はポエトリーブックジャムで憧れの高橋久美子さんや宮崎智之さん、向坂くじらさんにお会いできるし、ナナロク社さんや左右社さん、田畑書店さんとご縁を作りたいと思って楽しみにすると同時に、ちょっと豪華すぎるメンバーにびっくりしすぎて昨日はお腹がいたかったです……。毎月三日月の日はゆらぎが出てしまうのだけど、昨日でよかったと思いました。
というわけで、今日は午前中家で作業して、午後は上野に行ってきます。色々と新刊のこれからの方針も決まって、安心もしています。楽しみにしていてくださいね!
なんだか最近慌ただしい日々が続きますが、ゆったりとした流れの連句を見ていると心が落ち着きますし、絶対にこれは人前で読みたい! というテキストをそろえていてよかったなと思います。オープンマイク、当たるかな。

会場では色々ミラクルが起こって、オープンマイクも当たったし、ポエラジリスナーで一緒にスラムをした、しぇふさん、KSJチャンピオンコオリヒロノブさん、一度お会いしたかった佐藤yuupopicさんとも会えました!

宮尾節子さんの登場!かっこよかったなあ。
着いたよ!とわたし。
クミコンの朗読!
本当にうれしかった連詩。
戦利品その1!宮崎智之『中原中也名詩選集』田畑書店
戦利品2!大崎清夏『踊る自由』左右社、
三角みづ紀『よいひかり』ナナロク社
夕ごはんはここ!
ゲリラ豪雨でひどく寒かったので、あたたかいものを。


夕ご飯は中華。上野は美術館巡りによく母と訪れていて、社会人になってからも余裕があるときは行っていました。平川綾真智さんが紹介していたラムチョップのお店も気になるけど、今日はおくちが中華です。美味しかった、ありがとうございました!
わたしもパフォーマンスすることに慣れてきたのか、フォロワーのみなさまにリアルタイムで応援されていたり、わたしを検索してなんと詩集を買ってくださった方まで!
ありがとうございます。つまずく本屋ホォルさんの店主さんともお会いできたし(わたしの第一詩集を取り扱い開始したそう!)、マエキクリコ先生も会場にいらしていたそう。またお会いしましょうね!

6月4日 土曜日

今日は朝からぎゅん、と頭が仕事モード。
編集のSさんからのメールを確認し、出版社さん2つにご挨拶のメールをしてみることに。
体が動きづらかったから休み休み、家で作業しました。
明日は前橋ポエフェスでオープンマイクしてきます!
カニエ・ナハさん、草間小鳥子さんたちの朗読やパフォーマンスがとっても楽しみ!
新井隆人さんにもご挨拶しなきゃなあ。

・三角みづ紀『よいひかり』ナナロク社

詩人が詩集を出すって、生き方をまるごとまとめることだと思っていて。
わたしは三角さんを第一詩集から追いかけていて、彼女の後ろ姿をずっと追っていました。
ナナロク社さんは他の本も装幀が新しい瑞々しい感性のものが多くて好きです。
この詩集では主に「日常」を描いていて、それがひかりに満ち溢れている。きっと語り手は幸せなんだろうな、時折寂しさも混ざったりするのだろうな、と思いながら、第一詩集からの三角さんの書き方の変遷を思い出しています。自分に対する理不尽から、それを超えて日々を愛するということ。

・大崎清夏『踊る自由』左右社

この詩集は、どうしても読みたかったです!
左右社さん、ポエトリーブックジャムに来てくださりありがとうございました!
まず表紙が金箔おしで、そこもすごく好きなんですが、この詩集の中に大崎さんの多分に肉感的な詩群を詰め込み、それでまるで語り手が何かを踊っているような感覚にさえ陥りました。
ことばのリズムというものがとてもテンポがよくて、書き終わった後に音読する、と以前大崎さんがラジオで仰っていましたが、そういう書き方もいいなあと思います。
伊藤比呂美さんに多分に影響を受けているのかも、とご自身で語られていますが、ソフトな形で受け継がれていると思います。
人が生きるということには、体というものとは切り離せなくて。大事なことだと思います。
とても軽やかな詩集でした。

・宮崎智之選 中原中也『ポケットアンソロジー 中原中也名詩選』田畑書店

宮崎さんのセレクト、中也の美味しいところをあえて有名どころではない部分を抽出しているようでとても好きでした!
多分この詩はあまり知られていないのでは、とも思い、幼少期から中也の詩に触れてきた宮崎さんらしいなぁとも思います。暗唱していたんですよね。
先日の渋谷のポエラジでもお聞きしましたが、本当に暗唱している!
中也のことばのリズムをそのまま受け継いでいると思いました。
昨日はとても楽しかったです。Twitterでは拝見していたり、ラジオを拝聴していたりしたけれど、やっぱり会いたい人に会いに行けることができて、よかった。

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