「もっと甘えてもいいんだよ?」その言葉で私は別れることを決めた
これは私が20歳で学生の時の話。
彼は私にとって初めての恋人で同い年だった。
付き合ってから2週間程経った頃。彼とはまだ手を繋いでデートしに行くくらいの関係だった。
その時期くらいだろうか、彼から頻繁に
「もっと甘えてもいいんだよ」と言われるようになった。
…甘えるって何?
何をすればいいんだろう、、
私は最初彼がどういう意味でその言葉をかけてくるのか分からなかった。
だから恋愛経験がほとんどない私なりに考え、この言葉は「本音を話してほしい」という意味なんだと解釈した。
私は彼に誠実でありたかった。
だから彼に本音でぶつかって話したのだ。学校のこと、クラスメイトのこと、家族のこと。
確かに彼は聞いてくれた。
だがとても微妙そうな顔していた。思ってたのと違う。そんなことを言いたげな顔をしていたのを今でも覚えている。
ショックだった。何故なのだろう。私は彼が甘えてほしいと言ったからその言葉に応えたくて話したのに。何か間違ってしまったのだろうか。
不安で心配で心臓が張り裂けそうだった。
けど今になってよく分かる。
彼は私に頼られたかったのだ。私から手を繋いだり、キスをしたり、抱きしめたり。寂しいから一緒にいたい。そういう言葉やアクションが欲しかったのだろう。私が彼を欲しているという愛情を感じたかったのだろう。
けど当時の私はそれに気づかず、「甘えて」と言われても何をすればいいのか分からず、ただ困惑するだけだった。そしてその度に彼は残念そうな顔をしていた。
私はだんだん彼の「甘えてほしい」という言葉が怖くなっていった。その言葉に対して上手く応えられない自分が嫌で嫌でしょうがなかったからだ。
間違ったことをしてしまったら。
彼の期待に添えることが出来なかったら。
どんどん凄まじいプレッシャーを感じ、心がぎゅうぎゅうと押しつ潰されていった。
その内私は、「どうして彼はこんな困ることを言ってくるのだろう」とモヤモヤした気持ちを抱えるようになった。
心の中の何かが擦り切れてズレていってしまったんだと思う。
だがこれに関しては彼は全く悪くない。
今思い返せば、私から彼に手を繋いだり抱きしめたりするなどのアプローチをしていなかった。
それは嫌いだからとかではなく、その気持ちが湧く前に彼がもう行動に出ていて満たされていたからだ。恥ずかしかったからというのもある。
これは私が悪い。私が受け身だから彼は不安になってしまったのだ。
恋人に甘えられたい。自分を頼ってほしいという心理は誰にでも湧くものである。
彼は当然の主張をしただけだ。
結局私は、大好きな彼の【甘えられている、頼られている、必要とされている】の欲求を満たしてあげることができず、またそれを満たさなくてはならないという義務感がストレスになり、別れを告げた。
私は本当に誰かに甘えたり、誰かに頼るのが苦手だ。
誰かに面倒を押し付けているようで嫌だ。
仕事でも「困ったことがあったら言ってね」なんて言われたらもう頼れない。
その人の時間を奪ってその人に負担を強いるのがものすごく嫌なのだ。申し訳ないっていう罪悪感に飲み込まれる。その罪悪感がうっとおしくて嫌い。
これはつい最近起こった自分のこと。
ふと思う。思い返せば私って最近誰かに甘えたのっていつだっけ?
小学生くらい?親にお菓子を買ってほしいとか、従姉妹にまだ家に帰らないでと駄々を捏ねた時かな。よく泣いてたな。
大人になると余計に誰かに甘える機会って少ないと思う。
でも仕事でもよくあることだけど、誰かに手伝ってくれと頼られるとあぁ必要とされてるんだなって嬉しい気持ちになる。
これは真理だと思ってるけど、
周りのみんなから好かれてる人って、
「しっかり自立しつつ適度に誰かを頼るのが上手い人」だと思う。
そういう人って確かに魅力的だなと常々感じる。
そろそろ私も誰かに譲ったり引いたりしてないで誰かに頼ることを覚えるべきね。
すごく遅すぎる気付きだけど気付かないよりはマシだ。
うん。これからはちょっとだけ「甘える」を意識しよう。
私も魅力的な人になりたい。
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