nekomata_lawyer

司法試験合格までの体験記など。

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最近の記事

ど田舎弁護士

「弁護士」と聞くと、東京や大阪などの大きな都市で企業の案件に携わったり、離婚や相続の案件で忙しなく裁判所と事務所を行き来したり、刑事事件の弁護人として毅然と被告人の権利を守るべく公判で「異議あり」なんて言ったりして、かっこいいな〜と思っていました。そんなイメージを抱きながら、ただ法律の勉強が楽しくて好きで資格試験に臨み、運良く合格したものの、具体的に自分は資格を持って何がしたいのかということをよく考えられていませんでした。 ちょうど司法試験を受験した後に結婚・妊娠が重なり、

    • 具体的に考えること

      司法試験や予備試験の解答に欠かせない「事実の当てはめ」。司法試験を合格した後に待っている司法修習では、この事実の抽出や評価について、ひたすら鍛錬を積むことになります。そして、きっと実務に出た後は、ひたすら「どれだけの事実を引き出せるか(証拠付きで)」について、腕を磨いていくことになるのだと思います。 ここで「事実」という部分ですが、具体的な事実を抽出できることが重要となります。目の前の事案で、誰が、いつ、何を、どうしたのか、ということに着目して、丁寧に抜き出さないと、事実そ

      • 民事系の科目について(要件事実のすすめ)

        司法試験・予備試験には、いくつか科目がありますが、民法(借地借家法とかを含む)・会社法・民事訴訟法(それから要件事実などの実務科目)を指して民事系といいます。 民事系の科目は、法人を含めた私人間の契約関係や不法行為・不当利得などの関係について、それから家族関係について、それらの訴訟手続について問うもので、「訴訟だったらば原告・被告はそれぞれ何を主張したらいいのか」を主軸に論理構成して考えていくものです。 要件事実・民事訴訟法の科目は、訴訟物がどうのとか、請求原因、抗弁とか

        • 的確にパンチを打つために

          みなさまは、ゲームはお好きでしょうか? 私は大のゲーム好きです。小さい頃からファミコン、スーパーファミコン、ニンテンドー64などの古典を嗜み、現在でもニンテンドーSwitch、PlayStationなどを揃えて、常に文化をアップデートし続けてきました。 ところで、ゲームをするにあたって、ルールブックは確認しますか? 私は、実はあまり確認せずに本編に突入し、身体で覚えていく方です。しかし、単純なコマンドであればそれで十分なのですが、複雑なボタン操作が必要なファイティングゲー

        ど田舎弁護士

          法科大学院と法学研究科

          法律を勉強する大学院といえば、社会学などの分野も挙げられますが、主には法科大学院(=ロースクール)と法学研究科が頭に浮かぶかと思います。その二つの違いは何だろうか?と思われたことはありませんか? 私は、一方は司法試験合格を目指して勉強するところ、もう一方は研究者になるために修練するところだと思います。 以前ロースクールに在学していた際、私は頻繁に教授を捕まえて話し相手になってもらっていました。一部の専任の先生を除いて、基本的に教授は研究職ですので、自分の研究を進めたいわけ

          法科大学院と法学研究科

          カンニングペーパーを作るイメージで

          いえいえ、実際には作りませんよ!カンニングはだめ、絶対! 試験の直前の勉強、最後の仕上げの大事な大事な時。みなさまはどのようなことをして過ごしますか? 私は天邪鬼で、「みんなが勉強しないときに勉強して、みんなが勉強するときに息抜きする」ことに幸せを感じていたので、試験直前は「普段より勉強しない」ことをしていました。(こんな体質を持っている方は他にもいらっしゃるでしょうか?) でも、あまり勉強しないというのも、かえって精神衛生に支障を来たすことがあるので、「普段よりしない

          カンニングペーパーを作るイメージで

          法との出会い

          私の法曹界との出会いは、高校生の時に遡ります。その時に遭遇したいくつかの小さな出来事が重なって、人生の選択肢に「法律」というコマンドが出現するようになりました。 まず1つ目は、何気なくテレビを観てたときに放送されていたドラマで、桶川ストーカー殺人事件を題材としたもの。これを観たときは高校1年生の頃でしたが、困っている人が公の機関に助けを求めても、助けてもらえないこともあるということに非常に衝撃を受けて、「社会の仕組みってどうなっているのだ?」と知りたくなりました。そんな不正

          法との出会い

          ロースクール受験への決意

          私は法学部を出て、一度会社に就職しました。2年ほどその会社で勤務した後に退職して、ロースクールに進学しました。 ちょうど学部を卒業する頃、司法試験は移行期にあり、現行の試験は「新司法試験」と呼ばれていました。法曹界の人材に多様なバックグラウンドを持ってもらおうということで、未修クラスが設けられ、理系の方や社会人の方もたくさん入学されていました。私がロースクールに入学したのはそれからまた数年が経過した後で、理想(司法試験合格率70%とかなんとか)と現実のギャップ(合格率#$#

          ロースクール受験への決意

          答案練習について

          司法試験はひたすら文章を書き続ける試験。いくら頭の中で思考ができあがっていたとしても、それを紙の上で表現できなければ、点数はもらえません。限りある時間の中で、採点官に対して、自分の理解度をどれだけアピールできるかが勝負なのです。 その意味で、答案を書くことを練習することはとても意義があると思います。表現を磨いて、自分の頭の中のことを素早く文章化できるように、訓練する必要があります。 とは言っても、「書く」だけでは合格水準には達しないのが悲しいところ。「中身」がないとだめな

          答案練習について

          司法試験の予備校について

          私が司法試験を受験したのは2015年で、もうかれこれ6年も前のことになりました。その時は、ほとんどの受験生が司法試験のための予備校にお世話になっていたように思います。現在では、どうなのでしょうか。 私は、大学の法学部に在籍していた頃は、某予備校の授業を受けていましたが、どうしても正解が与えられているような錯覚に陥ってしまい、覚え込んで吐き出すという思考から逃れられず、司法試験はおろか、学部時代の法律科目の成績も悲惨なものとなっていました。 ですので、心機一転、ロースクール

          司法試験の予備校について

          司法試験の結果

          2015年の司法試験を、法科大学院修了の資格で受験しました。結果は合格でした。 私の選択科目は国際私法でした。自宅から受験地までは電車で片道1時間ほどで、試験がある日のうち半分はホテルをとって、残り半分は通って受験しました。 合否結果は自宅で見ました。私は試験そのものより結果を見る方が緊張するタイプなので、いきなり自分の番号があるページは見られず、受験地のすべての合格番号をプリントアウトして、先頭とお尻の番号から少しずつ少しずつにじり寄るようにして自分の番号に近づくように

          司法試験の結果

          ごあいさつ

          私は2015年に司法試験を受験し、合格しました。その後、家庭の事情があり、数年空けて、司法修習を受けました。 司法試験を受験するまでの道のり、受験し終えてから司法修習に出るまで、そして司法修習を受けた経験など、書けることをここに綴ってみようと思います。 どんな受験もそうだと思いますが、特に司法試験は必要な知識量が膨大で、孤独な闘いが続くかと思います。「あの人がこんなことしてる…」「みんなこれやってるからやらないといけないかな」など、多くの不安が押し寄せる日々ではないかと思