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ロースクール受験への決意

私は法学部を出て、一度会社に就職しました。2年ほどその会社で勤務した後に退職して、ロースクールに進学しました。

ちょうど学部を卒業する頃、司法試験は移行期にあり、現行の試験は「新司法試験」と呼ばれていました。法曹界の人材に多様なバックグラウンドを持ってもらおうということで、未修クラスが設けられ、理系の方や社会人の方もたくさん入学されていました。私がロースクールに入学したのはそれからまた数年が経過した後で、理想(司法試験合格率70%とかなんとか)と現実のギャップ(合格率#$#%)のせいか、随分と社会人を経て入学する方は減っていたように思います。それから予備試験の導入などもあり、現在ではもっと少なくなっているのでしょうか。どうなのでしょうか。

私自身、一度会社に就職してから舞い戻った身です。その時は、すでにロースクール修了後の進路があまり芳しくないという噂は耳にしていました。それでも飛び込んだのは、主に2つ理由がありました。

まず1つ目は、会社で働いているとき、生活のためにお金をいただいて、やりたいこと・やりたくないことを日々せっせとこなしていましたが、24時間ある中で8時間以上の時間をこれから定年退職するまで(クビにならなければ)やっていくのか〜と想像したときに、「あれ?自分が心から楽しい、やりたいと思うことってなんだっけ?」と分からなくなりました。よくよく考えてみると、法学部を進学先に選んだのは法律の勉強が非常に楽しかったからだということを思い出し、これからの人生において1日8時間も時間をかけるなら、再びあ〜でもないこ〜でもない世界にどっぷり浸かりたいと直感的に思ったのです。

そしてもう1つは、実際に働いてみて、自分の法律知識があまりに役に立たないものばかりで、非常に歯がゆい・悔しい思いをしました。ですので、何かの機会に、もう少し使いものになる知識を得たいと思いました。

どうせなら資格を得たいという打算もありましたが、資格はどちらかというと副産物で、自分が勉強したいという気持ちが強かったように思います。なので、合格率や進路先などは、特に問題とはしていませんでした。奨学金をいただいて、さらに貯金を崩しながらの再・学生生活、一歩間違うと借金生活と隣り合わせで、今思うとなかなかリスキーなことをしでかしたな、とヒヤヒヤします。

また学生になって教授たちと語り合えた日々は、それだけでも人生の宝物です。運良く司法試験に合格はしましたが、司法試験を受験する前から、ロースクールに入る目的は十分達成できていました。

またあの岐路に立ったら、再び借金のリスクを背負ってでも学生に戻るということを選びます。ただし、学部から選び直せたら、今度は自然科学系の学問を究めてみたいな。

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