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答案練習について

司法試験はひたすら文章を書き続ける試験。いくら頭の中で思考ができあがっていたとしても、それを紙の上で表現できなければ、点数はもらえません。限りある時間の中で、採点官に対して、自分の理解度をどれだけアピールできるかが勝負なのです。

その意味で、答案を書くことを練習することはとても意義があると思います。表現を磨いて、自分の頭の中のことを素早く文章化できるように、訓練する必要があります。

とは言っても、「書く」だけでは合格水準には達しないのが悲しいところ。「中身」がないとだめなんです。しかも、その「中身」もなかなかの精度が求められるところが、辛い。時間がない。とにかく時間がないのです。

ですので、1から100まで答案練習ができるなら、それに越したことはないのですが、時間がない症候群(末期)の私はそんな贅沢なことはしていられず、答案練習を以下の要素に分けて取り組んでいました。

1. 時間配分の練習

2.時間内に思考をまとめる練習

答案の骨子である答案構成にどれだけ時間が割けるかが大事だと思っています。答案構成がしっかりできれば、あとの答案作成はひたすら書くのみ。その書くために必要な時間を割り出して、トータル時間から差し引いたギリギリのタイムを答案構成に割くべし。具体的には、フルスピードでひたすら模範解答を写経してみて、どれくらい時間が必要かを測ってみました。1枚答案を仕上げるのに、およそ何分時間が必要か計算して、○分x5~6枚(自分が「書けたぞ!」と満足する量)で答案の仕上げに必要な時間を割り出していました。それを引いた時間が、答案構成に費やせる時間と心算していました。この作業は1〜2回やれば十分だと思います。

それから、様々な法律構成や事実の分析について、時間内(1で割り出した答案構成所要時間)に答案構成にまとめ上げられるかどうかの訓練をひたすら積みました。これは数をこなす必要があるので、司法試験過去問から事例演習などの教材をかたっぱしから解き散らしていました。何度もやり、いよいよ飽きたら判例百選などの判例集の「事案の概要」を読んでは、自分で判決文を書いてみて、実際の判決文と比較してみたりということをやっていました。

これで、ロースクールの期末試験も(だいたい学内3〜6位の成績をキープ)本試験も大きな失敗はありませんでした。時間がないけどたくさん練習したいという方に、一つのやり方としておすすめです。

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