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キャリア相談に30万払うか迷って大号泣した話

自分の気持ちを人に伝えることをあまりしてこなかった。
その代わりに周りの意見に同調することや、相手の気持ちを想像することは得意だった。
いつしか、自分の気持ちが見えなくなり、自分の意見も出てこなくなった。

就職活動を始めたとき、転職活動を始めようとしている今。自己分析をすべきだと自分に言い聞かせている。自己分析って自分と嫌な部分も向き合わないといけないし、それを良いように捉えないといけないし、何より面倒だし、正直あまり好きではない。

就職活動をしていた時も自己分析にはそれなりに時間を割いてきたし、自分の軸をはっきり持って決断してきたはずなのだが、入社して1年、あの時の自己分析は間違っていたのかもしれないなと思い始めていた。そんなある日、インスタの広告で「無料キャリア相談」の文字が目に飛び込んできた。

今すぐ転職をしたいわけではないが、今の仕事に対して日々モヤモヤも感じていたため、転職エージェントというより、もっと中立的な立場で相談ができるサービスが魅力的に映った。

面談当日。思いがけず、面談中に号泣していた。普段人に話さない自分の想いを話すことへの恐怖と、想像以上に今の仕事を嫌だと思っている自分への驚きと、こんな考えはダメだと自分で抑え込んできた考えをそれでいいと認めてもらえた嬉しさと、ぐちゃぐちゃな感情を引っ張り出され、耐えられなかった。自分の軸を定めることができれば人生はもっと幸せになる、自分の考えを一人でまとめることが下手だから他人を頼る必要がある、そんな思いを抱きながら30万円以上するプログラムを提示され、飲み込もうとしていた。ただ、さすがに30万円。感情を抑えられていない私に冷静な判断が下せるとは思えなくて、持ち帰った。

キャリア相談に30万。みんな一人でできることに30万。確実に効果が得られるかわからないことに30万。自分にとっては必要だとなんとなく感じていたけど、周りに話すと絶対に止められると思い誰にも話せなかった。周りを説得できる力が自分にもないことはわかっていた。

とはいえ、自分の一番大切な人には話さなければ後悔する気がしたので、タイミングを見てさらっと「今度お金を払ってキャリア相談しようと思っていて、30万」と伝えた。相手は少し黙って、「もう決めたの?」と聞いてくれた。まだ決めていないことを伝えると、「やりますって宣言する前に、気持ちが固まったら教えてほしい」と言ってくれた。普段はどんなことでも「ねこまめがやりたいならやっていいよ」と背中を押してくれる人だから、返答を聞いて止めようとしてくれているんだ、やっぱり怪しいと思われているんだということを察した。

気づいたら涙が止まらなくなっていた。きっと弱い自分を責めたり、再び先が見えなくなったことへの恐怖を感じたり、これからどうしていけばいいのかわからない不安を抱いたり、大切な人を困らせてしまった申し訳なさを感じたり、感情がぐちゃぐちゃになったのだと思う。

次の日の朝、面談を受けない決断をした。

また他人の意見に簡単に流されてしまった弱い自分がいるなという思いと、とはいえ信頼している人の言葉を意固地にならずに素直に受け止めた自分もいるなという思いと、行動の解釈を一人でしては複雑な気持ちになっていた。

とはいえ、最後に受けないという決断をしたのは自分自身。これから自己分析を自分で進めていくことになる。また誰を頼るか見極めながら、自分の嫌な部分の解釈と向き合いながら進めていくことになるだろう。決めきってしまった後の自分が、あの時向き合ってよかったなと思えるように、他人に頼りすぎるのではなく、自分で自分を言語化することを諦めず、やりきろうと思う。

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