奇譚 回想
とある冬の日、Eさんは家の掃除をしている最中に学生時代のアルバムを数冊発見した。
懐かしさのあまり掃除の手を止め、
次々にアルバムを開きながら想い出に浸っていると、ある1冊のアルバムに違和感を覚えた。
そのアルバムには全く記憶にも無いような写真が収められており、どの写真にも人物が写っておらず、どこか田舎を思わせるような風景ばかりであった。
最後のページをめくると、
目と口を異常なほどに大きく開いた女性の写真と共に
『このをんなはもうおられません』
とだけ書かれていた。
Eさんはすぐにこのアルバムを処分したという。
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