荻窪随想録25・荻窪団地の花たち
あれは、昭和50年代の半ば頃だったか。
まだ、今のところに居を構える前、子どもの時に住んでいた荻窪団地をふらりと訪れてみて、
木々の豊かなことに目を奪われた。そして、ここはずい分緑にあふれた団地だったんだな、と改めて思った。
子どもの頃には、自分の住んでいるところが世界のすべてで、それが標準だと思っているから、取り立ててそのような感慨を抱いたことはなかった。
ただ、私が訪れた午後には確か子どもの姿は見かけられず、年輩の人が一人、外に出てきたのを目にしたぐらいだった。
かつてに