南日本新聞コラム南点第1回「あなた何をされてる方なの?」
知らない人から、ふいにそう尋ねられたとしたら、自分はなんと答えるだろうか。昨年小説の新人賞を受賞してから、いくつかの場所で文章を書いたり取材を受けるなどしている。そのさい記事の最後やプロフィールに「作家」あるいは「小説家」などと、いわゆる「肩書」が記されるのだが、そのたびに私は戸惑わずにはいられない。というのも、まだ作品が1作しか世に出ておらず、今後それで食べて行けるかどうかも分からない状況で、それを名乗るのはおこがましいような、恥ずかしいような気がしているからだ。むしろ「フ