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【雨の日の運動遊び】

 こんにゃちは🐈、猫月だんくるおすてうすです。

 保育士3大苦悩のひとつ(?)雨の日の保育☔

 晴れていれば、園庭で遊んだり、散歩に出たりと、広々とした空間で子ども達は存分に身体を動かして遊ぶことができます。それが、雨となると活動できる空間が限定されます。限られたスペースで、どう子ども達の遊びを保障するか、保育士としては悩ましいですよね。

 雨の日の保育、今回は運動遊びに絞ってお話ししていきます。

○どんな遊びをしたいのか―

 雨の日の運動遊びというと、どんな物が思い浮かびますか?

 ここで行き詰まってしまうことが多いかも知れませんね。

 まず、どこで遊ぶか問題。認可保育所であれば、広い遊戯室があるかも知れません。でも、インフラが整っている施設ばかりではありませんよね。それに、遊戯室があったとして、クラスで交代しながら遊ばなければならないということもあるでしょう。

 「雨」という条件に制約を感じている。そこをまず、取っ払ってみませんか。「晴れだから」「雨だから」ではなく、「どんな運動遊びを経験したいのか」を考えていくことが大事だと思います。

○雨の日保育の悩ましさ―

 以下は、私が保育を組み立てる時の手順です。

1:目的を置く(Why)

2:手段を考える(How)

3:手段に合わせた道具・環境を準備する(What、Where、When、Who)

4:遊びながら、子どもの遊びに合わせて手を加える(Adjust、Arrange)

 これは、天候や場所などに関係なく、保育を組み立てる時には必須の作業です。(あ、英語は格好つけですのでお気になさらず😆)

 雨の日の保育の考え方として、「晴れの日と同じ遊びをする」のか「雨の日の遊びをする」のか、という選択肢があると思います。

 これが、雨の日の保育の悩ましさの底にあると思っています。

 晴れの日と同じ遊びをすると、場所の制約があり、

 雨の日の遊びをすると、て2本立てで計画する必要がある。

 その悩ましさ、よーーーーーーーっく分かります。分かりますよ!

 では、猫月だんくるおすてうすはどうしているのか、をお話ししていきます。

○大事なのは、どんな遊びをしたいか―

 これは、私の保育の考え方ですが、

 とにかく「どんな遊びをしたいか」に尽きます。

 とはいえ、その”どんな遊び”手段にしか過ぎないので、「今日は鬼ごっこをしよう」とか「いすとりをしよう」とかは、二の次です。

 もっと、根幹的な子どもの動作を目的として置きます。

 例えば、「這う動作を経験したい」や「足裏の感覚を刺激したい」といった、身体のどこを使うか、どこの感覚を発達させたいか、ということです。

 「這う」を経験させたいのであれば、園庭でどこかに縄を張り、その下をくぐり抜ける遊びでも良いでしょう。室内だったら、トンネル遊びでも良い。4・5歳児だったら、もぐら鬼をしたって良い。(もぐら鬼については、どこかで話す機会があったら説明します(笑))

 保育を計画する時に、目的と手段を混同すると、途端に苦しくなります。それ自体が制約となってしまうので。計画は、もっとラフで良い。

 「どんな遊びをしたいか」は、子どもの動作で想定します。遊びの形は、その次です。子どもの動作さえ想定できれば、その動作ができそうな遊びなら何だって良いのです。

○整えたいのは、緩急―

 そうは言っても、一斉に子どもが遊べるとなると難しいです!

 という声が聞こえてきそうですね👂

 雨でも晴れでも、運動遊びで重要なのは環境だと思います。

 晴れていれば全力で、雨ならば抑制して、なんて遊び方はしません。

 遊びの環境の中で、子ども達の動作に自然と緩急が起こるように整えます。

 子どもの姿を想像してみましょう。

 ”急”な動作というと、どんな姿が思い浮かびますか?

 “緩”な動作というと、どんな姿が思い浮かびますか?

 すべり台で考えると、階段を登る時は“緩”な動作で、すべり降りる時は“急”な動作ですよね。

 鬼ごっこで考えたら、どうでしょう。走って逃げる&追い駆ける時は“急”な動作ですし、どこかに隠れる時は“緩”な動作でしょう。

 運動遊びの時、“急”な動作だけだと危険な場面が増えます。“緩”な動作だけだと、フラストレーションが溜まります。緩急を織り交ぜることが大事なのです。

 例えば、ハンカチ落とし。ハンカチを落とすまでは“緩”で、落として逃げる&追い駆ける時は“急”ですよね。もちろんルールはありますが、自然と子どもがそうするようにデザインされています。

 サーキット遊びをする時は、この緩急を意図的に整備します。緩と急があることで、一斉に遊んでいても危険な場面が減りますし、待たされているフラストレーションも感じにくくなります。自然と自身を抑制する“緩”の運動と、期待感のある“急”な運動がデザインされているからです。

 ちなみに、お笑いの基本は“緊張と緩和”だそうですが、運動遊びでも同じだと思います。緩と急があることで楽しさを感じつつ、集中を持続させる。

 あとは、場所や素材に合わせてその展開を工夫するだけです。遊戯室なのか、保育室なのか、廊下や玄関という場合もあるかも知れません。巧技台が使えるのか、リバーランドスケープのような玩具か、段ボールを活用することだってあるかも。

 緩と急の遊びを組み合わせるためには、日常から子どもの姿を観察することと、自分が楽しいと思える遊びをポケットにたくさん忍ばせておくことが大事です。

○可能性は無限大=正解は無い―

 具体的な「雨の日の運動遊び」を期待していた方、ごめんなさいm(__)m

 あくまで、保育の考え方をお伝えするのが私の立場なのです。

 事例を挙げるのは簡単ですが、その事例が子ども達や保育環境にマッチする可能性は、極めて低いですよね?保育は、あくまでオーダーメイドです。

 遊びの可能性は、無限大です。そして、正解はありません。

 ただし、間違いはあります。子どもがケガをするような保育内容や環境設定は論外ですし、子どもを強制や矯正するような保育もあり得ません。

 まずは、自分の保育を真っ白なカンバスにして、一番“核”となる物を置きましょう。あとは、そこから伸び伸びと描いていくことです。子ども達と一緒にね♪


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