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『糖尿病の治し方』5-9 4人会議

数十分後、両親到着。 私は立ってるだけでいっぱいいっぱい
なんだけれど、何とか会議に出席する。
 
コロナで会えないはずだったんだけど、こんなカタチで両親と
面会できてしまった。
 
「歩けるようになったの。 元気そうね」と母。
(『歩けている』けれど、『元気そう』だけど、私は全然元気
じゃない。 はたから見てると分からないらしい)
父はいつも通りムッツリとしていた。 いきなり私のせいで
呼び出されたら、そらそうもなるか…。
 
そして会議が始まる。
O合先生の話では、私のすい臓は入院前の長く続いた高糖質な
食生活により、インスリンを大量生産、浪費し続けた結果、
完全にへたばってしまっており、今のところインスリンを
作れなくなってしまっているらしい。
 
今後、私のすい臓がインスリンを生産する能力を回復できるか
どうかは、現時点ではまだ分からないとのこと。
 
回復するにせよしないにせよ、今はへたばっているすい臓を
休ませてあげるのが最善なので、この病院ではインスリン注射を
私にしてきたのだそうだ。
 
へたばっている今の私のすい臓に、元気だった頃の働きを
いきなり期待してもムリなので、しばらく私のすい臓には
休んでもらって、代わりにインスリン注射を『第2のすい臓』
と考えて、使ってみてはどうか?といわれた。
 
(あまり、そこらへんのことをちゃんと説明してもらってなかった
ので、なるほどなぁ…と思った。『骨折した足ではしばらく歩け
ないよね?』みたいな話だろうか)
 
現状、私のへたばったすい臓はインスリンを全く生産できていない
ので、放ったらかしにしていると、どんどん血糖値が上がり続けて
しまうらしい。
 
病院側としても、その状態を放っとくと患者を見殺しにすることに
なってしまうので、それは許容できないらしい。(そりゃそうか…)
 
なお、それでも頑なにインスリン注射を拒否される場合は、
この病院では責任を持ちきれないので、別の病院に行ってもらう
可能性もあるし、本人(私)が、今置かれている状況を正しく判断
できなくなった場合は、病院側の判断により、精神病院に強制入院
してもらう場合もある…とのことだった。
 
無理もないけど、ちょっと怖い話だ。
 
まあ確かに、メンタルヤラレて患者側に暴走されたら、病院側と
してもそうするすかないよな…とは思う。
それを聞いて、ちょっとヘコんだけれど。(強制か…)と。
 
O合先生としても、そこらへんはちゃんといっとかないと
いけないから、私にいったんだろう。 気持ちは分かる。
 
会議はそんな感じで進み、結局私は『くたびれているすい臓を
休めるために、しばらく(いつまで?)インスリン注射を
第2のすい臓として使いましょう』ということになったのだった。
 
当初、私が疑問に思っていた、
『どうして食事毎に血糖値があんなにはね上がるの?』とか、
『どうして毎日インスリンを打つ単位が高止まりし続けているの?』
とかには、あまりちゃんと答えてもらってない気もするが。
 
どちらにせよ、私のすい臓は思ってた以上にへたばっている
みたいだし、へたばっているすい臓を休ませるためにも
インスリン注射を活用するのは、私の現状においてはベストな
こと…であるようだ。(まだはっきりとは分からないけれども)
 
白ごはんはちょっと食べすぎな気がするけど、現状私はメチャクチャ
やせてるし、何が正しいのか分からない。
病院食(カロリー制限食)は病院食で正しいのかもしれない。
よく分からないが。(←こういうことは多い。 すごく)
 
ーーーというわけで、会議は終了。
 
父からは「だまって先生のいうことを聞いて、大人しくしていれば
いいんだ」といわれた。 そういう話じゃないんだってば。
 
そういう話じゃないんだけれど、説明するのがめんどくさい
(というか体力がもうない…)ので、「まあいいじゃない、
もう注射するって決まったんだし」と流した。
 
私は今、すごく余裕がないのだ。(横になりたい)
 
それにしても、『私は私で、かなりムズカシイ立場に置かれている
な』と今回の件で思った。 私はしばらく、孤軍奮闘せざるをえない
らしい。
 
同盟軍の病院側にはまかせきりにはできないけれど、頼らないわけに
はいかないらしい。(働かない頭でどうしろというのか)
 
『判断を違えると詰みうる』。 何となく本能的にそう思った。
  
私はどうにかして、この困難な崖っぷちの状況から、もう少し
安心できる平地へと離脱しなければならない。
 
…………どうやって???

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