『モノノケ記』 - 3話
彼の話はこうだ。
モノノケ記を記載している原本は行方が分からず、原本通りに写した写本は、作られては消失を繰り返した。不思議な現象に困り果てた役人たちは、神道ゆかりの伊勢神宮に行き神職に写本を見せると、神職はモノノケ記のページを破り捨てそのページを祓い、写本を役人に返すとこう言ったー。
「以降、モノノケ記を記すことなかれ。さすれば、写本に祟りこず、永劫守られる。」
役人はその旨を天皇に伝え、以降モノノケ記が書物に書かれることはなくなった。モノノケ記は天皇家の子から孫へ口伝され