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短編小説

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#SNS疲れ

【小説】ツナガル部屋

ドアを開けて中に入ると、煌々と光るPCの画面を分断するように、兄が座椅子に座っていた。変わらない毎日の光景だ。

「はい、これ。」

「んん。」

 私がテーブルに、ストローを挿したエナジードリンクを置くと、兄が気のない返事を適当に返した。

 エナジードリンクの缶には、「最高のパフォーマンスを発揮するための相棒!」などと、仰々しく野心を煽るような長文が書かれている。

 毎日毎日PCの前で背中を

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