アキのエッセイNo.93ーIPS援助付き雇用のオンライン分科会に参加して
こんにちは、アキです。
久々のエッセイの投稿ですね。
ネタが無かったり、気力が無かったりして
最近、書けなかったのですが
今回、「リカバリーフォーラム2021」というオンライン分科会に参加し
「IPS援助付き雇用」について
支援者、当事者、家族の方のお話を聞いて
学んだことをここでシェアしたいと思い
記事を投稿させて頂きます。
1.IPS援助付き雇用とは?
●IPSとは、1990年代前半にアメリカで開発された、重度精神疾患の方々に向けて特化された個別就労支援モデルです。
●IPSの特徴、原則
・重度精神疾患患者も対象となる(重症度を対象基準としない)
・就労を希望したら、訓練を経ず迅速に職探しを開始する
・本人が望む仕事に就くことを目指す(好み、ストレングス、経験、特技などを重視し、マッチングした職場開拓をする)
・IPSによる就労支援は医療チームと行う(精神科Dr.など参加)
・就労が保障制度、収支に与える影響を事前に説明する
・あくまでも「一般就労」を目指す
・IPS就労スペシャリストは、職探しから就労後の支援を「期間を定めず」に行う
・IPS就労スペシャリストはシステマティックな職場開拓、雇用後の雇用主へのアドバイスを行う(雇用主面接など)
2.IPSを利用された当事者様とご家族のお話
当事者様とご家族様から
挙がった声を抜粋します。
まず、「無理をしないこと」と
仕事を続けるコツとして
「セルフモニタリング」をして
「疲れサインに応じた対策を予め練っておいて、対処していく」というお話をされていました。
疲れサインに応じた対処としては
「引き出し」、「WRAPにおけるクライシスプラン」などが当てはまります。(WRAP:元気回復行動プランについてはネットで検索すれば載っています)
支援者の方がしてくれた対応として
「専門家の枠を超え、人として関わってくれた」ことが嬉しかったという言葉も挙がりました。
つまり、当事者様を「個人」として受け入れて「会話」を通して支持してくれたことが、この当事者様のサポートにつながったということですね。
また、当事者の方で現在、ピアサポーターをやっている方からは
「利用者様と関わっていくのと同じくらい、自分を大切にして自分を愛することが大事」であるとおっしゃっていました。
自分を大切にすることが出来て、他者を大切にすることが出来るというお考えは、私も共感するとことです。
そして
仕事以外にも、楽しみを持つこと、夢を持つことが
生きることの原動力になっているというようなことを話されていました。
つまり、「生きがい」を持って
今の人生を歩まれているということですね。
3.IPSについての補足
●どうやったら利用できるか?利用料など
→「JIPSA」のHPにて実施施設が参照されていますが
IPSを実施している施設が少ないという現状があります
認知度が低く、世に普及が進んでいないというのが問題点ですね
→施設によって利用料が異なります
また、利用者様の前年度の収入により利用料及び上限が異なります
●IPSを実施する施設はどんなものがあるか?
→病院、クリニック、就労支援の事業所などがありますが
今後も、活用の幅が広がるかもしれませんね
●IPS職員は資格がなくてもやれるそうです!
4.最後に
IPSについては医療系の大学にて在学していた際に授業で習いましたが
利用された当事者の方からのお話を聞く機会がなかったので
今回の分科会はとても貴重な経験となりました。
当事者の方々が現在、生きがいや希望を持って生きられているのは
支援者の方の
「個を尊重した対応」や
「当事者の方の強みなどポジティブな面を引き出す働きかけ」もあり
また
「当事者の方々自身が、意欲を持って努力された」ためでしょう。
当事者様一人、支援者一人のみが頑張ったからではなく
関わる人達全てが当事者様を理解しようとし、支持的に関わり、協力し合ったからなのだと思います。
IPSというモデルがあまり普及されていない現状について
・認知度が低い
・実施するには支援する人員が足りないなど、どこと連携すれば良いか分からない、どのように支援すれば良いか理解している職員が少ないなど、サポート体制が充実していないために実施できていない
など、色々考えられますが
将来、私は精神・発達障害関連で就労支援をしたいと考えているのですが
いずれIPSにも関われる機会があれば取り組み
問題解決に寄与できればしていきたいと思います。
余談ですが
この分科会の司会進行を務めた方が
私の大学時代の恩師(しかもクラス担任)だったことに驚きました。
Zoomウェビナーで視聴したので
直接声をかけられなかったのが残念です。
最後までお読み下さりありがとうございます(^^)/
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