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見た:レッドロケット

ブラックホール忘年会で好評だった『レッドロケット』が気になってU-NEXTで有料レンタルして見た。 ⚫︎おおまかなあらすじ ポルノ俳優のマイキーが地元テキサスへ帰郷してきた。まともな仕事にも取り付けずマリファナを売りながら別居してた妻と義母の家に転がり込み居候を続けていたが、18歳になる少女・ストロベリーと出会う。彼女と一緒にもう一度ポルノ業界のスターダムへ復帰しようと試みるのだが……… 監督は『フロリダ・プロジェクト』のショーン・ベイカー。前作に続きパステルカラーが鮮や

    • 見た:森林伐採〜オリンピックのために〜

      RHYMESTERの宇多丸さんがしつこくしつこく勧めている「アジアンドキュメンタリーズ」という配信サイトで、『森林伐採 ーオリンピックのためにー』というドキュメンタリーを見た。 ⚫︎ざっくりあらすじ インドネシアのとある村にある森林は4000年ぐらいもの長い間先祖代々受け継がれ守られてきた。しかしその森林が何者かによって伐採されている。一体この木々たちはどこへ行き何に使われるというのか、その足取りを文字通り木を追いかけ探ってゆくとそこにあったのは…… 映画の副題にもある通

      • ベローチェのレモンティー

        朝ピアノを弾きに行くか迷ってベローチェに行った。初めて「レモン」アイスティーを注文したらレモンの輪切りがアイスティーに浮かんでいて夏らしい見た目だった。 「君たちはどう生きるか」2度目の鑑賞をした。1度目は目をかっぴらいて見たはずだが忘れている展開がたくさんあった。積み木を渡された眞人が「できない。そこには悪意がある」などと言うところが良いと思う。そしてどのシーンでもジブリの過去作のどこかのシーンを思い出した。 観終わってまたベローチェへ行った。さっきとは違う店舗。そして

        • けっこん式へいく

          友達の結婚式へ行く。実は友達の結婚式というのは初めてで数年ぶりに会う人が沢山いると思うだけで恐縮するのだが、それでなくても何もかもが初めてなので祝儀袋を繕うことやその祝儀袋を持ち運ぶ専用の入れ物があることやドレスなどの身なりをそろえること、ピン札を出せる両替機がどこにあるのか、美容院で髪を切る以外の予約を入れるなど、調べることと普段やらないことが目白押しでこの1ヶ月ほどは気がそぞろだった。何よりそういうひとつひとつの守るべき体裁を自分の失態によって崩してしまい友人の結婚式とい

        見た:レッドロケット

          見た:ストーリーオブマイライフ

          原題 Little Women 邦題 ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 監督 グレタ・カーウィグ 6/1から再開した映画館。公開を待ち構えていた新作が続々とおろされる。 これも3月だったのが延期になり、やっと公開された!ずっと待っていたのでとても嬉しい。公開日6/12、仕事終わりに観に行った。 (新宿の歌舞伎町メインストリートでは夕方から警察が客引きを指導してる様子が伺えた。小池都知事が"夜の仕事"と名指しして自粛を呼びかけたからだろうか) ちなみに邦題「ス

          見た:ストーリーオブマイライフ

          見た:デッド・ドント・ダイ

          6/1から約2ヶ月ぶりに多くの映画館が営業を再開した。席はひとつ空けて、チケットもぎりは自分で、入場時には体温を測られ、上映中はマスクをする。色々と今までと違うルールが付け加えられているが、これが今の我々が映画館に行くための最低条件なのである。 ということで、最後に映画館へ行ったのは3月頭の「架空OL日記」以来。実に3ヶ月ぶりの映画館。すぐそこにあるものと思ってたものが不意に無くなり、その儚さを思い知ってから行く映画館は、かなりありがたいものだった。 デッド・ドント・ダイ

          見た:デッド・ドント・ダイ

          見た:ナイト・オン・ザ・プラネット

          ナイト・オン・ザ・プラネット (1991年) ジム・ジャームッシュ監督  タクシーとは少し考えてみると不思議な空間だ。偶然そこを通りかかったタクシー運転手と目的地までの時間を狭い空間で運命共同体となって過ごすのである。一度しか合わない、お互いの身の上を何も知らない、ただその場限りでの付き合いだからこそ生まれる会話というものがある。 小学一年生の時に好きだった本『車のいろは空のいろ』(あまんきみこ著)の主人公はタクシー運転手だ。好きでよく読んでいた記憶はあるが、話の詳細を思

          見た:ナイト・オン・ザ・プラネット

          見た:20センチュリーウーマン

          20 Century Woman (2017) マイク・ミルズ監督 今ここにいる自分の考え方、好きな音楽、趣味、その他自分を形成するあらゆるものは周囲の何かしらに影響され、幾度となく取捨選択を繰り返した先にある。 劇中、アビーは自分の持ち物を撮影した写真作品を作る。それによって自分自身の姿が浮かび上がるというのだ。写真家・奥山由之も昔同じようなことを言っていた。人って選ぶもの、住む場所、その人の肉体以上にその人の周りが全てで、その人の周りで起こることはその人の選択肢や経験

          見た:20センチュリーウーマン

          見た:あさがくるまえに

          あさがくるまえに:原題 Reparer les vivants (フランス/ベルギー)カテル・キルヴェレ監督 英題は”Heal the Living” 直訳すると”生きてる者を癒す(治療する?)” スクリプトドクターの三宅隆太さんが「ここ10年で最も好きな映画」と言っていて気になっていた映画。 ある少年が交通事故で脳死状態となる。医者は両親に息子を心臓移植のドナーとなることを勧め、悩みながらも苦渋の決断を迫られる両親。そこで全く別の家族へカットが変わる。見ていくとどうや

          見た:あさがくるまえに

          見た:Once upon a time in …Hollywood

          Once upon a time in …Hollywood 2019,クエンティン・タランティーノ監督 結構長くて、156分もある。2時間30分。でも映画館で見たとき、本当にどんどん面白くなって、見ながらにして「面白い・・・」と口に出してつい言っちゃうぐらいだった。でもあっという間に終わったという感じは無くて、むしろすげえ時間をぜいたくに使ってる映画だった。だってブラピがマンソンファミリーのアジトに足を下し荒野を見渡すときの、あの風がピュイ~と吹く異常な緊張感よ。おおお

          見た:Once upon a time in …Hollywood

          見た:モヒカン故郷に帰る

          モヒカン故郷に帰る(2016年)沖田修一監督 鮭フレークを箸でかき回してからご飯に乗せる、そういう場面が惜しげも無く映される映画。生活の些細な風景や人間のクセこそが、フィクションをより立体的にそして重厚なものにしていく。映画でありながら、たしかにそこに生きるキャラクター。感情が揺さぶられるのは、そういうことをおざなりにしないからこそ映し出されるリアルな人間を想像できるからである。 物語はいかようにも泣せる展開にできたのだが、その死でさえも笑えてしまうくらいにあっさりとした

          見た:モヒカン故郷に帰る

          耳をすませば

          ビデオテープをデッキに入れる時の、手からテープが離されて向こうに吸い込まれていく感覚を今でもよく覚えている。「耳をすませば」のビデオも幾度となく滑り込ませた。 「見たい」と積極的に思うというよりも日常的に無意識に近い感覚で幼少期から何度も見た。主人公・月島雫の日常がたんたんと繊細に描かれている冒頭部分を繰り返し。団地の外装、部屋の間取り、物が多い玄関、テーブルクロスの柄、本棚の横に貼ってあるチラシ、朝食の入ったカゴ、雫が本を読みながらむさぼるお菓子…。単なる物質に正気を宿す

          耳をすませば