見た:Once upon a time in …Hollywood
Once upon a time in …Hollywood
2019,クエンティン・タランティーノ監督
結構長くて、156分もある。2時間30分。でも映画館で見たとき、本当にどんどん面白くなって、見ながらにして「面白い・・・」と口に出してつい言っちゃうぐらいだった。でもあっという間に終わったという感じは無くて、むしろすげえ時間をぜいたくに使ってる映画だった。だってブラピがマンソンファミリーのアジトに足を下し荒野を見渡すときの、あの風がピュイ~と吹く異常な緊張感よ。おおおおおおおおおここはなんだ、なんなんだ、ただならぬ異常さ、照り付ける太陽、一歩一歩すすんでゆくブラピの、そのゆっくりさよ!ははは笑っちゃうよな
それにも勝る最高シーンが実はあって、それはやっぱりシャロンテート(マーゴット・ロビー)がひとりで映画館に映画を(自分の出演作)見に行くシーンだ。
でかめのメガネをかけて比較的地味な服を着てお忍び感を出しつつこっそり自分の出ている映画を見に行く。でも受付の人に「あたしこの映画でてんだよね」と言っちゃうかわいさ。しかも映画を見ながらお客さんが笑ったりリアクションしてるのを見て「これ、あたしだよ」と言わんばかりの満足げな表情。彼女自身が映画を、映画に出演することを、心の底から楽しんでいる、それをこんなにもキュートに描いて見せる。シャロン・テートといえば「暗殺された女優」というどうしてもついて回る肩書を、もう一度「映画で」語り直すことで救い出してみせる、タランティーノの挑戦だ。本当、フィクションってそういう力があるのだよな。
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