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製薬会社MRは転職氷河期時代に突入しているのか…

クリエイター:Ano(@Ano、https://twitter.com/neiar77

今回は製薬業界の現状を踏まえて全体像を記載させていただきます。
最後には転職のスタンスについても考察します。


第1章 MR職における変化

MR(医薬情報担当者)は、医師・薬剤師等の医療関係者に医療用医薬品の情報提供を行い、適正使用を推進する大きな役割を担っています。

MRの役割は?

現在、MR職(医薬情報担当者、医薬品セールス)をしていますが製薬業界はCOVID-19(コロナ)をきっかけに大きく環境が変わった業界の1つと感じます。

具体的にどのように変化したかを下記3点あります。

➊MR数減少
2013年をピークにMR数は徐々に減少しています。
これからも早期退職などにより減少はさらに加速化されていきます。

➋MR存在価値
インターネットの普及、コロナによる訪問規制により必要な情報を医師はMRよりもサイトで調べる機会が増えてきました。
それによりMRの必要性/存在価値が問われています。

➌コンプライアンス

情報提供の規制などによるルールの厳格化が現在求められています。
そのために医師に提供できる情報が限られてきています。

上記以外でも多くの変化はありますが、私も入社当時と比較して仕事のできる範囲がさらに狭くなっていると感じています。

以前のように医師との接待はもはや皆無といえる状況です。
※いまだに製薬企業セールス=医師接待というイメージがあるみたいです笑

第2章 MR職のトレンドの変化

ここでは薬効別の切り口からMR職のトレンド変化を考えます。
下記は薬効別売上の上位10位の2012年と22年の比較です。

2012年は上位に生活習慣病関連(レニン-アンギオテンシン作用薬、脂質調整剤および動脈硬化用剤)が上位を占めています。
しかし10年後には高血圧症や高脂血症の薬剤は徐々に順位を下げていきます。主な原因として「後発医薬品の普及」「新薬がない」という背景にあります。

一方抗腫瘍剤は1位のままで売上高も2倍に増えています。
ここで注目するのは売上高は圧倒的に「抗腫瘍剤」が大きい市場という点です。

そのために市場の大きい領域=現在人材が求められているために現時点ではスペシャリティ領域の経験は大きなアドバンテージになります。

こちらは「主要製薬企業 国内新薬開発パイプライン|疾患領域編(2023年7月版)」ですが、明らかにがん領域が多くを占めています。

そのためにしばらく「抗腫瘍剤」がトレンドと考察できます。

そして「国内新薬開発パイプライン数=新薬数〗からもパイプライン数の少ない会社の将来性はかなり厳しいとも言えます。

第3章 出口戦略、未来軸で考察する

しかしここで大切なことは「現在軸ではなく未来軸」で考えることです。

2022年のトレンドは「抗腫瘍剤」ですが、これがいつまで続くかは分からないです。さらに「抗腫瘍剤」の扱う製品によっては厳しい状況であるとも言えます。

そして2032年はまた違う分野の売上がランクインする可能性もあります。

大切なことはどの分野がトレンドか?常に把握することです。

その理由として下記2点があります。

理由,1 年収=能力×実績×ポテンシャル×業界相場年収

私の転職経験からも現在の転職市場においてもやはり
「大学担当経験」「領域担当経験(抗腫瘍系)」「突出した実績」
が求められました。

「市場価値=市場から求められる数が多い」という前提があります。
「抗腫瘍系、中枢神経系、免疫系」は転職することは比較的容易
そのために年収は比例して高くなります。
「生活習慣病」は転職はかなり厳しい背景となります。
そのために年収は比例して低くなります。

理由,2 転職市場の背景は刻一刻と変化している

今年、2023年は「MR早期退職の増加」「転職市場における飽和状態」というかなり厳しい状況になります。

その結果「より優秀な人材」「採用条件の厳格化」が求めれます。
これは現在でも採用をしている日本法人立ち上げのバイオベンチャー求人があることからも分かります。

具体的に「大学担当経験」「領域担当経験」は前提で、さらに高い営業のポテンシャルが求められる可能性もあります。

以上を踏まえて、転職において最適なタイミングなど分からないです。

大切なことは下記2点
➊自分の人生をどう生きたいか、何をしたいか明確にする
➋転職するための準備をする

そのためにぜひライフプランをお盆前に真剣に考えるのも良いと思います。

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