日記:クローゼットから猫(2024/03/06(水))
クローゼットを開けると、そこには猫がいた。茶色の影がもぞもぞと動いている。
うちの猫かと思ったが、ちょっと違う。かなり小さい。というより、いつから居た? 嫌な予感がして、隣の部屋へ飛び込む。くぐもった声の漏れる引き出しを開ける。黒猫が飛び出す。さらに隣の部屋へ行く。外に猫が締め出されている。窓をこじ開けて中へ入れる。
まだだ。他にも猫が閉じ込められているはずだ。見つけなきゃ。早く。
「ってところで目が覚めて。すごく怖い夢だった」
「……それは、悪夢だね」
よかった。これは悪夢だった。実はすこし、自信がなかったのだ。
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