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愛読書感想文 4冊目「スロウハイツの神様」

こちらのnoteのタイトルの元にもなっている作品です。

辻村深月「スロウハイツの神様」

この作品は、音楽仲間の友人から「絶対に好きだと思う!!!」と強くオススメされ、勧められるがままに上下巻を一気読み。そして、その当時に出版されていた辻村作品の文庫を全て買い漁るに至った出会いの作品です。(あと、私の極端さも垣間見える出来事ですね(笑))

現代版トキワ荘の如く、様々なクリエイターが住まうスロウハイツ。上巻では、登場人物それぞれにスポットが当てられつつ、ゆっくりと進んで行きます。そして下巻で、随所に散りばめられていた伏線が、みるみると回収されてゆくのです。

その気持ち良さといったら……もう、たまりませんでした。

正直なところ、上巻は「”絶対に好きだと思う!”とは言われたけど、本当かなぁ?」と懐疑的に読み進めておりました。それぐらい、ゆっくりと穏やかに物語が進むのです。でも大丈夫。この物語は、下巻で大変な進展を見せ、なおなつ美しく締め括られます。

余談ですが、文庫版下巻の解説担当は西尾維新氏。"解説作品"と呼んでしまいたい様な素晴らしき文章でしたので、併せて是非。

なお、辻村氏の作品では、手塚治虫氏が発案とされるスター・システムを採用しており、彼女の作品を読み進めていると時折ご褒美の様な出会いに恵まれる事があります。彼女の作品に1作でもハマってしまうと、サッパリ抜け出せなくなるのが、とっても良いところです。(笑)

文庫派なので、昨年の本屋大賞となった「かがみの孤城」は未読ですが、近年の文庫だと長編の「ハケンアニメ!」が素晴らしかったので、こちらも是非。

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