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小説『ネアンデルタールの朝』第二部

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小説『ネアンデルタールの朝』第二部を掲載しています(全24回)。章ごとにまとめた投稿もあります。
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#家族

【新連載】小説『ネアンデルタールの朝』①(第二部第1章-1)

第二部 泉。泉。泉こそは…… 僕はひとり暗然と歩き廻って、自分の独白にきき入る。泉。泉。…

鈴木太緒
4年前
10

小説『ネアンデルタールの朝』②(第二部第1章-2)

2、 アパートに戻った民喜は真っ先に、部屋に飾っている「ネアンデルタールの朝」の絵を見つ…

鈴木太緒
4年前

小説『ネアンデルタールの朝』③(第二部第1章-3)

3、 月曜日になり、秋学期の授業が始まった。4コマの授業に出席した後、民喜はクラブ活動室の…

鈴木太緒
4年前
6

【新連載】小説『ネアンデルタールの朝』第二部第1章まとめ(①~⑤)

第二部 泉。泉。泉こそは…… 僕はひとり暗然と歩き廻って、自分の独白にきき入る。泉。泉。…

鈴木太緒
4年前
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小説『ネアンデルタールの朝』⑥(第二部第2章-1)

第2章 1、 「じゃ、10分くらい休憩で」 パートリーダーの中田悠がにこやかな表情で言った。 …

鈴木太緒
4年前
3

小説『ネアンデルタールの朝』⑦(第二部第2章-2)

2、 朝、目を覚ますと、カーテンの隙間から青空が見えた。数日ぶりに見る青空だった。 結局、…

鈴木太緒
4年前
6

小説『ネアンデルタールの朝』⑧(第二部第2章-3)

3、 週が明けてから、山口凌空からデモの誘いは来なくなった。山口はもう自分のことを見限ったのかもしれない、と思う。こんなやつを相手にしていても仕方がない、ということが分かったのかもしれない。 学内を移動する際は絶えず山口や「もっちゃん」と顔を合わさないかと気になった。鉢合わせするとやっかいだから、学生食堂も利用しなくなった。普段ほとんど自炊はしない民喜にとって、学食を利用できないのは痛手であったけれど……。昼休みにはいったんアパートに戻り、コンビニで買ってきた弁当やサンドイッ

小説『ネアンデルタールの朝』⑨(第二部第2章-4)

4、 練習の帰り道、民喜は大学の近くにあるコンビニに立ち寄った。 弁当コーナーの前に行き、…

鈴木太緒
4年前

小説『ネアンデルタールの朝』⑩(第二部第2章-5)

5、 しばらくの沈黙の後、 「去年(※)、『美味しんぼ』が問題になっただろ」 駿が再び口を…

鈴木太緒
4年前

小説『ネアンデルタールの朝』第二部第2章まとめ(⑥~⑩)

第2章 1、 「じゃ、10分くらい休憩で」 パートリーダーの中田悠がにこやかな表情で言った…

鈴木太緒
4年前
1

小説『ネアンデルタールの朝』⑪(第二部第3章-1)

第3章 1、 目覚まし時計のアラームが鳴る。急いで起き上がり、身支度を整える。カバンを持っ…

鈴木太緒
4年前
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小説『ネアンデルタールの朝』⑫(第二部第3章-2)

2、 ――朝早くごめん。もし良かったら、いまから行っていい? 山口凌空(りく)からラインが…

鈴木太緒
4年前

小説『ネアンデルタールの朝』第二部第3章まとめ(⑪~⑮)

第3章 1、 目覚まし時計のアラームが鳴る。急いで起き上がり、身支度を整える。カバンを持…

鈴木太緒
4年前
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小説『ネアンデルタールの朝』⑯(第二部第4章-1)

第4章 1、 夜、母の晶子から電話がかかってきた。 「民喜、元気にしてる?」 「うん」 「そう、よかった」 みぞおちの上に手を当てる。母を心配させまいと、今朝のことは言わないでおいた。 今朝、眠気覚ましのコーヒーを飲んだ後、突然、みぞおちの奥の方に痛みが走った。 「あ痛たたたた……」 状況がよく理解できないまま、布団に横になる。キリキリと鋭い痛みが走っているのは胃の中のようだった。しばらく横になっていると幾分痛みは和らいだが、午前中の授業に行くことは断念した。今週は月火水