不本意に殺した蟻の数
蟻を踏んだ。
昼間、家の近くのコンビニに行く途中、なんとなく視線を下に落とした時。
アスファルトを動き回る蟻を一匹、踏んでしまった。
声には出なかったが、心の中で「あっ」と思ったけれどそのときはもう遅かった。
しかし、わたしは振り返って蟻の死骸を確認することもなく、足を止めることもなかった。
ただ、不本意に殺してしまった少しばかりの罪悪感がわたしのサンダルの裏にこべりついた気がした。
でも、その罪悪感もコンビニに着いて家に戻る頃にはすっかりアスファルトに擦り付けられていなく