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「最強のコーチになるには“養生”すべし」~日本最高峰のコーチングスクール・TCS代表の喜多恒介さんに聞いてみた~

喜多恒介さん
1989年生まれ。社会起業家。東京大学農学部、慶應義塾大学大学院政策メディア研究科卒業。株式会社キタイエ代表取締役。29歳から事業を興し、現在は約50名のメンバーを擁する。「人の認知を“well-being&innovative”に変えるコーチング&食習慣」をテーマに、認知行動科学をベースとしたコーチングスクールの運営とコーチの育成を行う「トランジションコーチングスクール(TCS)」を運営。ほかに「育成したコーチの教育現場・企業研修への派遣、学校・組織改革への伴走」や「食習慣と腸内環境と行動変容を明らかにする実証実験」を行う。趣味はサッカーと合気道、ジャズドラム。

(聞き手)溝川みか
東京農業大学卒業。喜多さんの運営する、自分が本当にやりたいことを見つけるためのキャリアスクール「ナラティブキャリアスクール(NCS)」卒業生。NCS卒業後、「食のインタビューライター」として活動を始める。趣味は料理と食べること。https://note.com/mika316

“素材丸ごと系の食事”が社会を変える

――喜多さん、お久しぶりです。こうしてお話するのは2年以上ぶりくらいですかね?

(喜多)久しぶりだねぇ!元気にしてた?

――はい、おかげさまで。今日は喜多さんの運営される「トランジションコーチングスクール(以下、TCS)」についてお話いただけるということで。

(喜多)うん。ちょっと抽象的な話になるので、まずは身近な話題から入っていこうかと思うんだけど。みかちゃん、食とかお料理に詳しいよね?

――そうですね、大学では栄養学を専攻していたので。

(喜多)僕、最近ナッツをよく食べてるんだよね。ロカボナッツ。おいしいんだよねぇ~。くるみ、アーモンド、ヘーゼルナッツに、マカダミアナッツも入ってるの。

――マカダミアナッツ、私も好きです。入ってるとうれしいですよね。

(喜多)高級感があるよね。ところで、ナッツ食べると元気出ない?食べてて野性味を感じるというか。「めちゃくちゃおいしい!」という訳じゃないけど、元気が出るんだよね。対照的に、おいしいけど元気出ない食べ物ってあったりしない?

――例えばどんなものでしょうか?

(喜多)ラーメンとか。おいしいんだけど、食べ終わった後にちょっとしただるさとかない?何でそうなるんだろうね。

――素材が消されてるからですかね?手が加わりすぎて、調理の過程で素材のパワーが消されてしまってるとか。

(喜多)なるほどね。まさに、そうなんだよ。ぼくが最近よく行っているレストランでアルケッチャーノというお店があるんだけど、そこはホントに“食材の丸ごと感”を重視していて、めちゃくちゃ美味しいんだよね。元気が出る。

例えばヒレステーキは、単体で食べてもおいしくない。塩とかソースをかけないとおいしくないけど、牛骨からでた塩分とかスープと一緒に食べると統一感のある感動的な味わいになるわけ。だから「丸ごと食べる」っていうのがすごくいいんじゃないかなっていう気がする。

――だから“素材丸ごと系”のものを食べると心地良く感じるんですね。私は鶏肉を塩麹に漬けて、それをゆでた汁もスープにして一緒に食べるのにハマってるんですけど、食べると元気が出る感じがします。

(喜多)そうなんだ!逆にコンビニのささみスティックとかは食べても全然だよね。仮に日本人とか世界中の人がその丸ごとスープとか、そういう感覚の食事を毎日たしなむようになったらどう?

――元気が出るし、健康にもなるし、もはや社会全体的によくなるんじゃないですか?

(喜多)だよね。自分のやりたいこともできるようになるはずだし、だから「食から教育や働き方を変えていくこと」は、結構可能性があるんじゃないかなと思ってるんだよね。
教育とかあれこれいう前に、本来の体にいい食べ物を幼少期からずっと食べ続けられるようにすることが本当に国を変えることにつながるんじゃないかなと。

――幼少期に良い食習慣ができあがれば大人になってもそれが当たり前になるから、家庭内でも日常的に良い食事がとれるようになりますね。

(喜多)そうね。教育は、高等教育や大学教育にバンバン投資するんじゃなくてベビーフードに投資した方が実はインパクトが出るんじゃないかというのが最近の僕の仮説なんだ。例えば超いいベビーフードとか宅食とか、素材丸ごと食べるようないい食材を幼少期から提供できるようにしたら結構いいんじゃない?ベーシックインカムよりも“ベーシックフードインカム”みたいなの。

――いいですねぇ。

(喜多)想像してほしいんだけど、「ふかふかのベッドと田舎の広々とした住宅と通信費、それにおいしい食べ物が毎日届くカタログが国から支給されます!」ってなったらどう?

――最高です!なんでも出来る気がします。

(喜多)だよね!それやりたいんだよね。すべての子どもたちがそういう環境で、お母さんたちも安心してくれてて。まずは暮らしから豊かにしていって、それ以上のアドオンに関しては自分たちで考えて決めていきましょう、みたいな。

――暮らしの豊かさ、大事ですよね。お金だけがたくさんあっても、どうにもならないですから。

(喜多)お金がたくさんあっても本当の幸せに寄与する使い方が出来てる人ってどれくらいいるの?って話なんだよ。旅行に行く、高級レストランに行く、ガチャに使うでも気分転換にはいいけど、一時的な気晴らしなんだよね。
本質的に自分のやりたいことができる、日々活力にあふれている、体の調子が持続的に良くなる、とかは作り出せないと思うんだよ。それをもってして「養生」って呼んでるんだよね。健康的な暮らしや、身体をあたたかくすることとか、“一個一個の暮らしを丁寧にしていくこと”が人生を変えると思う。

運命が一瞬で切り替わる“一撃必殺コーチング”とは

(喜多)ところで養生って英語で何ていうか知ってる?

――(検索しながら)・・・キュアリング(curing)!

(喜多)ドラクエとかFF(ファイナルファンタジー)とかの魔法っぽいね(笑)

――私はプリキュアの方が浮かびました(笑)

(喜多)プリティでキュア!かわいく養生!いいね!この「養生」というのは、マイナスをゼロに戻すというより、英気を養う、内側から湧き上がる感覚。それって東洋的なものだし、科学に則った腸内細菌とか姿勢とドーパミンの関係とか、そういう総合的なものが東洋でいう「気」って言われてるものの正体だと思っている。

――まさに、日本の得意な分野ですね。

(喜多)で、僕はいまコーチングをやっているんだけど、まさに養生に近い感じなんだよね。
目標に向かってゴリゴリ支援するというよりは、内側からパワーが湧き出る感覚でその人が本当にやりたいことに向かってアクションを取れるようにする。そこに対してアクションが取れない理由についても自分と向き合うことを通じて改善していって、心のブレーキが外れてアクションが出来るようになる。そういうことをする養生的なコーチングなんだよね。

――私も2年ぐらい前からコーチと定期的に面談をやってもらってるんですけど、コーチングって漢方みたいなものだなって思っていて。

(喜多)ほうほう。

――ずっと続けて、じわじわ効果が実感できて、セルフケア力というか、治癒力が上がってくる感覚があるなと思いました。

(喜多)じわじわ効いていくっていう風に言ってくれたけど、具体的にどういう風なところが変わっていってるイメージなの?

――例えば考え方にグラデーションがつけられるようになってきましたかね。今までは0・100で考えていたものを 40とか50とか。それぐらいの段階も感じられるようになってきたかなっていう感覚はあります。
私、会社以外に個人でも仕事をしているんですけど。依頼された仕事の負担が当初想定していたより結構大きかったとき、今までだったら最悪の場合、きつくても倒れるまでやるみたいな状況だったんです。それが今は「自分のキャパが足りてないので、減らしてもらえますか?」っていう風に交渉ができるようになってきています。

(喜多)それはどういう思い込みから、そういうコミュニケーションを今まで取れてなかったと思う?

――これ、いま私がコーチングを受けてますね(笑)

(喜多)知ってもらうための解説としてね。

――「頼まれたことをやりきれないとダメだ」とか「やりきれない自分は価値がない」みたいに思い込んでいたんだと思います。

(喜多)今までは「私には価値がない」って思ったから、頼まれた仕事ができないっていうのも自分のせいで、そういうのを伝えたら「私は価値がない」って思われちゃう。だから伝えられなくて、抱え込んでパンクしちゃう、みたいなことが起こっていたという理解でオッケー?

――はい、そうでした。だけど仕事を依頼する側の人のことを考えると、その人がそもそもの仕事量をあんまり正確に把握していない可能性もあるんじゃないかと気づきました。

(喜多)なるほどね。

――そこで「自分のキャパはこれぐらいあって、今やってる作業がこれくらいです」っていう情報を伝えることって、まず私にできることだよなって思ったんです。それを伝えるのって価値があるとかないとかは全然関係がないですよね。それができたら、その後は「やっぱり難しいので、自分ではやりきれないです」っていうのも、スムーズに伝えやすくなったなと感じています。

(喜多)うんうん。状況を1個俯瞰してみて、向こうも仕事量をわかってないじゃんっていう風に思えて、ちゃんと「できません」って伝えることができるようになった、 ていう感じだね。
普通に考えたらさ、そういう行動ってするわけじゃん。だけど「自分に価値がない」って思ってると「受けなきゃ!」みたいな感じで、その確認を怠るということが発生しちゃっているのかもね。

――その通りでした。。。

(喜多)僕らのコーチングを受けると、状況を冷静に一歩引いて見られるようになって、思い込みに囚われなくなるし、本当に取るべき行動を取れるようになる。そういうことが自分を成長させていって仕事もうまく回るようになるし、 ストレスもなくなってくるし、っていう好循環を生み出していく。それが養生なんだね。自分の思い込みとか、心のブレーキになっているものに気づいて向き合っていく。
そういった養生をしていくと「こういうことにチャレンジしたいな」っていうパワーみたいなものがふつふつと湧き上がってくるんだよね。 みかちゃん、最近そういうのどう?

――仕事で言うと、ずっとやりたかった仕事に先月転職をしました。今は副業としてやっているインタビューのお仕事も、コーチングを継続的に受けて土台が整ったからこそ、もっとやってみたいなっていう想いが出てきて、どんどん挑戦ができるようになっています。

(喜多)なるほどね。例えばそういうチャレンジだったりとか、好循環がもっともっと、たくさん続いてる。その循環が、めちゃくちゃぐるぐる回ったとして、1年後、2年後に「あ、これやってる自分やべえな」って思うみかちゃんを教えてください。

――やばいなって良い方ですか?

(喜多)もちろん!ほんとに、ヒリヒリするようなやばさ。

――働く時間で言ったら週3日ぐらいで生き生き働いている。頑張ってる人とか、「こういうことやりたいんです」って生き生きしてる人にインタビューして記事として私が世の中に出すことで、その人はすごく喜んでくれる。その収入で、自分の生活が回ってるみたいな感じですかね。

(喜多)なるほど。一記事いくらぐらいにするの?

――そうですね、ヒリヒリするのは10万。今の7、8倍ですね。

(喜多)うおー!いいですね。その7、8倍の価格になるぐらいのインタビューでは、一体どういう“今と違う自分”がそこにいるの?

――“ほぼ聞いてるだけ”じゃないですけど、重要で精度の高い問いかけを必要最低限だけする。相手の人は思わずポロポロ言葉を話してしまう。そんな場にいられたらいいかも。

(喜多)じゃあ、それができるようになるための自分のマインドセットは、明らかに変わらなきゃいけないじゃん。どういう風に変わらなきゃいけないと思う?

――何があっても大丈夫だとか、人から評価されることを恐れないとか、その2つが整ったらいい気がします。

(喜多)人から評価されるのを恐れるっていうことを作った原因のある経験とかは多分、頭の中に思い浮かんでると思うんだけど、 そいつをキュアリングしていくためには誰にどんな話をしたらいい?

――兄弟ですかね?私、上に2人兄弟がいるんですけど、「昔色々厳しくされて辛かったわ~」みたいなことを軽くでも伝えられたら、 だいぶキュアリングされると思います。

(喜多)いいですね。親は?

――もうひとつの「何があっても大丈夫だ」っていうのが母親から来てるかなと思ってて。母親が結構心配性なタイプだったんです。 私が小さい頃は1人で出かけるにしてもすごく心配するし、新しい挑戦をするとか、何かを始めたいって言っても「それ大丈夫なの?」っていう感じで。自分の中でそれが若干メンタルブロックになっていたんですね。なので「私のことを信じて応援してほしい」みたいな感じですかね、親に言うとしたら。

(喜多)いつ言いますか?

――来ますね、結構(笑)

(喜多)年収がかかってるんだよ?仕事の単価が7~8倍になるかどうかの。

――じゃあ、今月か来月会うのでその時に。

(喜多)それが話せたら1か月後か2か月後、自分の心構えはどう変わってきそう?そしてどんな変化が現れるだろう?
「仕事やめます!」かもしれないし、「こういうこと始めます!」かもしれないし。

――心が軽くなって、記事を書きまくると思います。

(喜多)何本ぐらい?自分に羽が生えて、自由に羽ばたけるとしたら。

――今が多くて月2本なので、5本とか?

(喜多)羽が生えてるんだよ?もっといけるんじゃない?

――じゃあ、10本。

(喜多)それをやってくと、自分の仕事っぷりとか心構えはどう?

――経験も短期間でめちゃくちゃ増えるので、今度は量を絞って質を上げていく時期かなっていう感じですかね。

(喜多)そういうサイクルに入っていく上で、鍵になる人って、どんな人?

――鍵になる人は夫ですかね。私、去年結婚したんですけど、作業する時間と、家でゆっくり会話する時間のバランスを取るのが結構難しいなっていうのを感じ始めていて。応援してくれてるし、理解は示してくれてるんですけど、少し申し訳ないなと思ってしまうこともあります。

(喜多)そうすると、夫はどういう風に変わんなきゃいけない?

――彼も今、会社以外に自分でやり始めてることがあるので、それに熱中できればいいんじゃないかなって思います。

(喜多)ガツン!とメッセージを言うとしたら?

――うーん。「お互いに好きなことをやって、それぞれ人生を楽しんでいこうよ」でしょうか。

(喜多)なるほど。・・・さて、やってみてどうだった?

――漢方のはずだったのに、結構一瞬で効いてしまったなっていう感じです(笑)

(喜多)普通のコーチングとかは漢方だけど、僕の今のは魔法だよね(笑)魔法というか、科学的な原則に則った一撃必殺みたいなスタイル。何回もやるのも大事なんだけど、一撃で変わるものを変えちゃう。あとはじわじわと変わっていって、ここから先が漢方な気がするんだよね。

――確かにそうかもしれないですね。時間としては一瞬なんですけど、じわりじわりと変わっていくっていう感覚でしたね。

(喜多)今の一撃必殺で、こういう和解とか、 夫との関係とか、兄弟とか母親との関係を「イメージの中」で修正する。そうすると、それが行動に落とし込まれて自分の人間関係がじわじわと変わる。気持ちが変わって、仕事に対する行動が変わって、それ故に仕事の価格も上がってきたりっていうことが起きてくる。一瞬で、運命が切り替わるって感覚だよね。

お坊さんはかつての“コーチ”だった?

(喜多)そういうのが、僕の直近のコーチングですね。みかちゃんの「こういう風に変わってくぞ」っていう今の状態あるじゃん。それがさ、1億人に起こったらこの国はどうなる?

――かなり変わりますね。全部が良くなると思います。

(喜多)良くならない理由がないよね!やりたいことをやってるしストレスも少ない。でも日本って今あんまりいい循環の状態にない気がするんだよね。子供の自己肯定感の低さが問題とかっていう風に言われてたりするけど、こういう自己肯定感の低さを作っているループがある。
自己肯定感が低いからアクションしない→自分が好きなこと得意なことに挑戦できない。仕事に熱意が沸かない
→だから報酬も上がらない。イノベーションが生まれない。会社が儲からない。経済もよくならない
→国の未来が不安定で先行き不透明で、未来の自分や社会への投資がなされない。
→ますます自信を失って自己肯定感が下がる
→最初に戻る、みたいな。

そういう負のループがあるなと思ってて、このループをやっぱりポジティブなループに変えていきたいし、変えていかなければいけない。それをコーチングでやっていきたい。
このコーチングはね、僕だけができるだけじゃ、世の中は変わらない。全部理論的に解明して、教えて、体験して、実践して、みんなにできるようになってもらうのが、このコーチングスクールのやってること。

――喜多さん以外にもそんなコーチが増えていったらなかなかのインパクトがありそうですね。

そうだね。あとそれ以外にも体の中から変えていくためのウェルビーイングとか、 食べ物の養生だったり、香りに関する実証実験も最近やろうかなと思ってるんだ。自分にとっての“オンの香り”と“オフの香り”があって、オンの香りをふっとかけるとテンション上がって「よしやるぞ!」ってなるし、寝る時はオフの香りをかける。そのオリジナルの香りを、自分で配合して作るっていうような。

――私も寝る時にアロマを使っていて、2年ぐらい前ですかね。ちょっとメンタルを崩してしまって、夜なかなか寝れない生活が1年半ぐらい続いてたんですけど、環境を整えるものの1つとしてアロマを使い始めたら、もうすっかり寝れるようになりました。

(喜多)いやー、いいね。アロマを自分にかけるって行為がセルフケアなんだよね。セルフコンパッション。自分に対して優しくするとか、自分に対して許しを与えるっていう行為なんだよね。アロマの効果っていうのももちろんあるんだろうけど、まさに自分で自分に優しくするっていう行為が発生しているので、効果がある。

――寝る前に、自分のために一つ何かやってあげるっていうのがいいのかもしれないです。

(喜多)でも、アロマの焚き方も実は「効果がめちゃくちゃあるやり方」と、「効果が薄いやり方」がある気がしていて、例えばこれだったらどうだろう?
「喜多さんがこれ焚いたらよく寝れるって言ってたから、とりあえず焚いてみるか」っていう焚き方と、「自分はこれを焚いたら心安らかに眠れそうだから、私はアロマを焚きたいんだ」っていうのと。

――断然後者の方がいいと思います。

(喜多)同じアロマを焚いてるんだよ。寝る前に同じ時間に焚くという行為なのに、どうして差が出るんだろう?

――自分から進んでやってるかとか、納得してやってるかとか。

(喜多)そうだね、自分が本当に求めているものかどうかっていうところがカギなんだよ。誰しもがアロマを炊いたらそうなるってわけじゃなくて、人によっては「アロマは違うけど、水泳だったらいい」とか。人それぞれ必要なキュアリングというか、養生とか、セルフケアとかみたいなものはやっぱ違うんだよね。

――例えば疲れすぎてると、自分が本当に何を求めてるかってわからなくなる時があるじゃないですか。そういう場合って、何からやったらいいと思いますか?

(喜多)あー、疲れすぎてもう無理ーみたいになったときだよね。そういう時にできるのは3つぐらいあって、1つ目は、それこそコーチの出番だよね。私こうしたいんだっていうリズムを取り戻すために、コーチングを受けるとか。別に友達と話すでもいいんだけど、自分の気持ちとか、今の苦境とか打ち明けながら、「さあ。自分、どうしたいのか」を考える機会があると、自分が「本当は」何したいかがわかってくる 。
2つ目はもう、そういうことすら考えずにルーティンにしちゃう。どんな時も「これだけはやる」って決めて、それが習慣づいてるっていう状況はめちゃくちゃ強いよね。

――なるほど。

(喜多)で、3つ目はリスト 。困った時に見るリストで「何をしてこうやったら良くなるであろう」っていうウェルビーイングのリストみたいなのを、僕100個ぐらい作ってるんだけど、それ見て「あ、俺こうしたい。」って決める。一覧を見れば、その中でワクワクするものが選べるでしょ?

――元気な時に作っておくといいですね。限界からの復活リストみたいな。

(喜多)そうそう、復活パターンとかも書いておくといいかもね。そういうのをトータルでコーディネートとかサポートするのが、僕は養生コーチだと思っているよ。世の中ではヘルスケアコーチとか言われてるね。

――一家に一コーチいてほしいですねぇ。

(喜多)それやばいね、平和になるね。 多分、昔はそういうのを誰がやったのかっていうとお坊さんとかがやってた気がするんだよね。
お坊さんはコーチングをせずに「仏様は」とか、キリスト教だったら牧師さんが「神は」とか言って。「神はこれを食べなさいと言っているんだよ」っていうことを言っていた。現代ではコーチングっていうものが、神を使わずに「あなたはどうしたいですか」っていうことだったりとか、 こうなったら体が良くなるとか。科学をベースとしながら、改めて同じような「本当に人間が求めること」をアクションできるような世の中にしていく人が必要なんじゃないかな。

「ストイックな道ですが、一緒に極めますか?(笑)」

――かつてのお坊さんとか、牧師さんとかが担った役割をコーチが担うようになるんじゃないか、と。そう考えると、コーチの役割ってすごい重要というか、壮大なスケールですね。

(喜多)めちゃくちゃ壮大だよ。過去を全部踏まえて、仕事もプライベートも、ヘルスケアとか体のこともわかっていかなきゃいけない。それによって未来がどう変わっていくか、その人がどう社会的にインパクトを出していくのかだったり、この人が家族ととどう関係性をより良くしていくのかだったり。そういうことまで、全部イメージをしなきゃいけない。

重要なのは、その答えをぱっと出さなきゃいけないってわけじゃなくて、そういう世界観やスケールの変化ってものまで体感として持っている。その上で問いかけるってことができるっていうところね。
となると、コーチ自身が本当にいい状態ってものを体感したことがなければ、問いかけなんかできないよね。だから、コーチ自身が最強になること。

――最強になるためには、喜多さんのところに行く、と。

(喜多)別に、僕のところに来なくてもいいんだよ。だけどそれを急ピッチに身につけたいっていうめちゃくちゃストイックな人は、いつでも来てくださいって感じです(笑)

――喜多さんにとって、コーチングってどんなイメージですか?

(喜多)道っていう感覚に近いかな。茶道とか華道とか、柔道とかと結構似てるから。永久に続くストイックな道ですが、やりますかね?くらいの勢い。終わりなく歩いていけるし極めて行った分だけ成果が出る。
僕はコーチングがかなり上達した段階で合気道を始めたら、20回ぐらい習っただけで師匠から「意識の使い方なら、私よりすごい」と言われたんだよね。いい問いかけをするための呼吸とか、重心のかけ方は、 まさに合気道の技の瞬間とかと全く一緒。

――すごい、合気道にも生きてくるんですね。では最後にTCSに興味がある方へ、喜多さんからメッセージをお願いします。

(喜多)僕らのやってるコーチングってのは間違いなく、今のところはオンリーワンの存在ではある。回数は人によって差があるけれど、本質を半年間で習い切って実現しきってもらう。そして本当にいい在り方やコミュニケーションができるようになったら、プライベートだったり仕事だったり、あらゆる面でコーチングは生きてくる。

ただ、 僕らのやり方を習得するには、自分の心のブレーキだったり、それを形成してる要因と向き合って、 解消していくっていうプロセスをくぐってもらわなきゃいけない。なのでその覚悟が持てたっていう人からぜひ体験会でも説明会でも、来てもらえたら嬉しいなと思うし、いつかお会いしましょう、ぐらいでいいんじゃないかな、と思ってます。
わ、結構時間経っちゃったね。じゃあ、そろそろ終わりにしたいと思います。話を聞いてくれて、ありがとう。

――ありがとうございました。

▸最強のコーチになれる「トランジションコーチングスクール(TCS)」の概要はこちら


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