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IPOスタートアップの資本政策解剖~メドレー 編~SmartRound Academia〜を開催しました

こんにちは!NEXTユニコーン経営サロンです。
先日SmartRound Academia【IPOスタートアップの資本政策解剖~メドレー編】を開催いたしました。

【登壇者】
・ 株式会社メドレー 取締役CFO 河原 亮さん
・ 株式会社スマートラウンド  COO 冨田阿里さん
・ 株式会社ファイナンス・プロデュース 共同創業者 松井克成

(注)株式会社ファイナンス・プロデュース (以下FP)は、ドリームインキュベータ・プライベートキャピタルGがカーブアウト・MBO(21年6月22日公表)


テクノロジーを活用した事業やプロジェクトを通じて「納得できる医療」の実現を目指す、株式会社メドレー。

医療ヘルスケア分野における日本最大級の人材採用システム「ジョブメドレー」、日本最大級のオンライン診療システムである「CLINICSオンライン診療」など、医療に関わる社会問題を解決すべく様々な事業に取り組まれています。今回は同社取締役CFO河原 亮さんにご登壇いただき、どのような資本政策を実行されてきたのかお話しいただきました。

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以下、主に河原さん、冨田さん、松井の対談セッションから一部抜粋してサマリしました。

1) 資本政策のポイント

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上場前の資本政策のポイントは、メドレー社としてはシリーズAやBという呼称や区分けはしていなかったとのことですが、松井の解釈としては、設立から約10年で上場するまでの期間を3段階くらいにわけて見ることができると考えます。

シード期:上記①の創業後4年目に初のVC調達(East Ventures、Incubate Fund)するまで
・医療人材採用事業のなかでも、歯科衛生士等ニッチな分野を中心に成長

アーリー期:上記②のユニットエコノミクスが見えてきてアクセルを踏んだ
・月商1千万円達成、KPI見直し

グロース期:上記③のオンライン診療システム事業を開始し、グロービス等から10億円調達した
・医療人材採用事業の顧客基盤にSaaSを拡販

2) 上場後の展開について

上場後の資本政策やM&Aも市場で大きな注目を集めており、この点はメドレー社のIR資料が整理されていてわかりやすいです。
(参考:メドレー社IR資料 https://www.medley.jp/ir/

グロース期以降にあるスタートアップにとって参考になるのは、自社の将来の事業ポートフォリオの目標とする形をイメージしながら、その実現に向けて自前での取り組みとM&Aを駆使しながら展開し、それを対外的にもわかりやすく整理して公表している点です。「未進出」のところは、自前・M&Aいずれになるのか、今後の展開も注目です。

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出資・M&Aは公表ベースではこれまで5件、うち、2件はIPO前に実施、3件はIPO後に実施(5件とも子会社化、うち4件は完全子会社化、1件は80%取得)されています。

全案件に共通するのは、ジョブメドレー等の既存の顧客基盤との連携・シナジー創出をベースにしながら取り組んでいることです。特に、上場後、直近の2件であるメディパスとパシフィックメディカルについて、M&A発表時に、出資目的と想定シナジーについてIR等で丁寧にプレスリリース・説明がなされています。

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3) イベント終了後のFP松井の考察

イベントでは主に未上場時の資金調達やIPOへの準備について説明頂きましたが、参加者のみが見聞きできた河原さんの資料やトーク内容が、客観的視点で理路整然と整理されていたことが特に印象的でした。

河原さん自身、国内外の機関投資家とのコミュニケーションにおいて質と量の両方を重視し、量を怠らないことも重要という趣旨のコメントがありました。元々、外資系金融機関ご出身で知見があったことに甘んじず、日々、限られた時間で自社の魅力や事業とファイナンスの特徴を外部にどう伝えるか、ということを意識・実践される中で一層磨きがかかっていることが覗い知れます。

NEXTユニコーン経営サロンでは、スマートラウンドさんをはじめ、今後も様々な方と一緒に、大型IPOに向けた資本政策やスタートアップM&Aについて、イベントやインタビュー記事の発信などを行って参ります!


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私どもは、主にシリーズB以降等のNEXTユニコーン起業家のファイナンスの相談(大型IPO向け資金調達やスタートアップM&A)に応えるべく、2020年1月に、戦略コンサルティングやベンチャーインキュベーションを推進するビジネスプロデューシングカンパニーのドリームインキュベータ(以下、DI)と公認会計士の集合知とテクノロジーを活用した経営管理支援サービスを展開するブリッジコンサルティンググループ(以下、ブリッジ)が共同で立ち上げたサロンです。

2021年6月、DIより新規カーブアウト・MBOを行い、株式会社ファイナンス・プロデュース(以下、FP)が誕生し、現在FPとブリッジで共同運営を行なっております。

NEXTユニコーン経営サロンでは、今回のようなピッチ・イベントを、社会的課題の解決に向け1千億円超の事業創造に挑戦する起業家・VC投資家・大企業のコミュニティ形成を目的として開催しております。様々な起業家の中から、ほぼ毎月、シード期からレイター期まで様々な成長ステージの起業家3名前後にご登壇頂き、毎回10社前後のVC投資家や大企業・CVC等にご参加頂く形で運営する予定です。

その他にも、コミュニティ参加者に有益な情報提供を目的とし、定期的にイベントや交流会、情報発信を行ってまいります。今後のイベントに関しては公式Twitterで随時お伝えしますので、是非フォローをお願いいたします。



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