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悲しいとき苦しいとき辛いとき


僕はずっとこの日が怖かった.

こんなときにどんな風にどんな言葉をかけることが相手にとって一番いいのかわからないからだ.

しかし,僕はそこにいない.

なにが悲しいのかを一緒に考えてあげることもできない.

「悲しいね,苦しいね」そんな言葉を交わすこともできなかった.



あの日は,からだに電撃が走った.脳震盪と似ていた.

記憶は夢のようなモヤがかかっているが,このことは絶対に忘れない.

ただ苦しかった.壊れるくらいに.

そして,笑顔で平常を繕った.

それを難なくこなす自分が怖かった.

人と人の間にこんな大きな境界線ができるなんて.

まさか,この自由人の自分が,これほどまでに偽ることになるとは.

そして,時が経ち,僕は心を開けることがなく,去ることになった.

とても大きな未練だ.



悲しいとき苦しいとき辛いとき


「心はどこにあるの?」

そんなことを誰もが子どもの頃から考えている.

そんなものはどこでもいいが,

悲しいとき苦しいとき辛いときは心が悲しい苦しい辛いだ.

なぜ悲しい苦しい辛い?

あなたの感情すなわち心がひどくダメージを受けたからだ.

それはなぜか?

あなたが優しい人だからだ.

他人の気持ちがよくわかる優しくていい子だからだ.

だから,悲しい苦しい辛いのだ.

僕は昔から泣き虫だったが,泣く時は決まって,誰かの気持ちを想うときだ.

もし自分がいなくなったら親がどれほど悲しむのかを想像してよく泣いたものだ.

今だって,あるピアニストの指が短いことを知って,その人の努力を考えて泣きそうだ.

だから,

悲しいとき苦しいとき辛いときに心が悲しい苦しい辛いのは,

あなたが弱いからではない.

あなたがとても優しい人だからだ.

この日本は,そんな優しい人で,あふれる国であってほしい.

だから,悲しみ苦しみ辛みを背負って,生きていくんだ.






炎はきっとそんな歌

残酷な世界で

不平等な世界で

宝を積むために

僕は先に生きる


一人でも多くの人が救われるように


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